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幼少期
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しおりを挟むそれから運動会の日まで俺たちのクラスは休み時間や放課後を使って特訓した。
櫂もやる気を出してくれたみたいで良かった。少しずつだが足も結構速くなってきている。
あと、前にも言ったがこの小学校はマンモス校。運動会は一日で足りるの?って毎回思っているが、ちゃんと時間通りに終わるから怖い。
ちなみに各学年8クラスあるため、プログラムの内容がこれだ。
1.開会式
2.一年生と二年生によるダンス(全員)
3.三年生と四年生による借り物競走(代表のみ)
4.五年生と六年生による騎馬戦(全員)
5.学年別リレー
6.閉会式
可哀想なことに時間の都合上、三年生と四年生はあまり出番がない。
ちなみにリレーがこの運動会のメインイベントだ。
勝敗はどうやって決めるかというと、1~4組が紅組で、5~8組が白組であり、合計の得点で競う。
俺たちクラスは5組のため、白組だ。
自慢じゃないけど、1年、2年とリレーのアンカーに選ばれて最下位から1位をとりました。所謂2連覇を成し遂げたのだ。その時のみんなからの尊敬の眼差しは気持ちよかった。
今回は3連覇したいのが本音。もしかしたら殿堂入りして俺だけリレー禁止になったらどうしようか。まあ、そんなことないと思うけど。
特訓の日々が終わり、運動会当日になった。
ここぞとばかりに待っていたのか雲一つない快晴。運動会に最適な天気だ。
「ゆうせい、がんばろうね!」
「おう!もちろんだ!櫂いつもに増してやる気で俺は嬉しいぞ!」
「うん!だってごほうびがもらえるからね!」
「ご褒美?」
「わすれたとか言ったらおこるよ!やくそくしたじゃん!おとまり会!」
「ちゃんと覚えているよ。忘れるわけない」
だって毎日櫂から『いっしょのおふとんでねるんだ~』って言われ続けたら忘れるわけないだろ。
それにお泊まり=ご褒美って可愛い発想だよな。
「はやく運動会終わらないかな~」
「おいおい。今始まったばかりだぞ」
「だって楽しみなんだもん!」
櫂にとっては『お泊まり会』>『運動会』らしい。
それからプログラムも借り物競走となった。借り物競走は代表のみが出ることになっている。ちなみに俺たちクラスからは俺と白雪が出ることになった。
「あんたになんか負けないんだから!」
「そんなこと言うなよ。仲間だぞ」
「かんけいないわ!」
白雪はいつもツンツンしていて、絡みづらい。櫂と一緒にいることが多いから相当俺を嫌っているんだと思うけど。
それから横一列に並び、「よーいどん!」の合図と同時に借り物競走がスタートし一斉に走り出した。いくつか置かれているボックスの中から、紙を一枚引き、書かれている内容を確認する。
『笑顔がすてきな人』
櫂しかいないな。俺は櫂のところへとすぐに向かうがすでに白雪が櫂と一緒にいた。
嘘だろ…、笑顔がすてきな人って櫂以外思い浮かばないが。
時間がない。人を選んでられない。
とりあえず、周りをキョロキョロ見渡し、大笑いしている奴を見つけた。
「おい、そこのお前。俺と一緒にゴールまで走ってくれ」
すぐに声をかけ、無理矢理手を引いた。
「きゅ、きゅうになんだよ!オレ様のことつれだして」
「いいからいくぞ!」
目に入った生意気な知らない年下の男の子を連れて一緒にそのままゴールした。
ゴールした順位は2位だった。
悔しいが1位は、櫂と一緒にゴールした白雪だった。
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