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しおりを挟む円に例えるとすると、こんな感じの価値かな。
鉄貨=100円
銅貨=1000円
銀貨=10000円
金貨=100000円
ってとこだと俺は勝手に思っている。アキレアは薬草だけど銀貨6枚もらえるので正直美味しい。両親からのお小遣いの方がはるかにもらえる額が多いが自分で稼いだお金は有り難みが違う。お金を大事にしようって本当に思う。
「エイデンすごいな。アキレアなんてまたいいものを見つけてきたんだな。ぜひ俺たちのパーティーに入らないか?」
「そいつと半分に分けてたみたいだけど、あげなくて良くなーい?所詮魔力もない金魚のフンでしょ?私たちと組んだ方が絶対いいわよ、あなたのためになる」
男女二人からパーティーのお誘いを受けるエイデン。これは毎回のこと。俺が魔力がほぼないことはすでにギルド全体に知れ渡っていて、エイデンは魔力がめちゃくちゃすごいってこともみんな知っている。俺がいるせいでエイデンはFランクに留まっているとみんなが思っていて嫌悪感を日々向けられていた。
別に言い返すことはしない。だってこいつらが言っていることは一理あるから。俺もエイデンにはのびのびと成長して欲しいと思っているのでこういう誘いが来たら一度は挑戦してほしいと思っている側だ。俺といたら足手まといになるということは十分理解しているのでね。身の程は一応弁えているつもり。
「申し訳ないですが、俺はルーと一緒に組むのが楽しいし好きなんで、お断りします」
「はぁ?意味わかんない!おもりが消えてラッキーって思うのが普通でしょ?」
「報酬だって今以上に稼げるし、魔力がない奴といても邪魔になるだけだ。考え直してくれ」
うん。結構ボロクソに色々貶されているがここは我慢だ。ちなみにルーとは俺のギルド名。偽名だ。二人を見るとまさか断られるとは思ってなかったらしい。
「ルーのこと馬鹿にする人ととは仲良くするつもりはないです。上手くやっているとは到底思えません。それに勘違いしているので訂正しておきますがアキレアを見つけたのは俺ではなくルーです。では時間がもったいないので帰りますね。…行くよ」
「お、おぉ」
手を引かれ、ギルドを後にした。エイデンが怒っている姿をあまり見ないので変な感じがした。
「おい!ちょ、もういいだろ、手を離せ」
「あ、ごめんね」
ギルドからの帰り道、手を握られたままエイデンは無言で足を進めていたので止めてもらった。仮面とフードをとり、息を整える。
「その、さ、俺が言うのもあれだけど、心配しなくても一人でも上手くやる自信あるし、エイデンが今よりもっと強くなりたいんだったら他の人とパーティーもありかもしれないぞ」
隣で成長過程を見れなくなるのは惜しいがこれも仕方がないこと。俺が背中を押さないと誰が押すんだって話だ。
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