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しおりを挟むルアンは不服な顔をしているが、どのみち将来俺と結婚すれば幸せな暮らしが待っている。贅沢なやつだな。それから両親らの配慮で二人きりにさせるべく家を案内してもらうこととなった。これは好都合で感謝だ。周囲に誰もいないのを確認して、ルアンに厳しくする必要がある。
「おいお前、何様だ?」
素直に頷いておけばいいのに、頑なにまだ早いと拒みやがってピュアを気取るな。俺みたいないい男他にはいないし後から後悔しても遅いぞ。まぁ、優しいから今回ばかりは許してあげるけど。
「やっぱり演じてたのか。もう怖すぎなんですけど」
ルアンは肩を震わせながら困惑していた。抱きしめてあげたいけど我慢だ。それに顔が良くても性格に問題があるなら誰も欲しいとは思わないだろう。
「まあ何とでも言え。俺と婚約してさっさと学園をやめろ。お前みたいなのは誰ももらいたくないだろうし、将来が心配だと思わないのか」
「いや全然」
「うっ、…お、俺だって本当はお前なんかもらいたくない!でもお前の悪事に目を離すわけにはいかないから…これは仕方なくだ!」
あっさりと俺に関心ありませんって感じが余計にむかついた。
「ダリルも嫌だったらそれでいいんだよ。自分の心に嘘つかなくていい」
「う、うるさい!俺に指図するな!」
「えぇ…」
ダリルと名前を呼ばれたからちょっと嬉しかった。嫌だったらと誤解しているがルアンと結婚したいのは本当だ。多分、俺のこと何も知らないから怖いんだろう。まずは俺を知ってもらわないといけない。それから部屋に案内しろと言ったが秒で断られたのでとりあえず人がいないところに案内された。日当たりの良い場所であり、大きな木があった。その下で腰をおろした。
「そういえば興味は特にないけど、剣の訓練できる場所はあるの?」
色々他愛もない会話をした後、ルアンから質問があった。俺をさりげなく知ろうと努力している姿に胸打たれた。
「興味ないってなんだよ!剣の訓練は毎日やってるからあるに決まってるだろ!な、なんでそんなこと聞くんだよ」
興味は特にないって言うのが引っかかるけど。照れ隠しなんだろうと思うことにした。
「そうなんだ。さっき握られた時、剣ダコあったから」
俺の手をとり、これこれと指さした。ル、ルルルアンから俺に触った!?これは夢…?急な出来事に混乱する。
「さ、触んな…っ!」
「はぁ~?さっきお前は俺のこと触っただろう!」
動揺しすぎて手を払ってしまった。だってこれ以上は心臓に悪いだろ。それが不満だったのか拗ねているのがこれまたたまらない。それに好きなやつにそういうことされたらやばいだろ。俺に触りたいのはわかるが免疫つくまで我慢してほしい。反対に俺から触るのは別に問題はないけど、ルアンからは嬉しすぎて興奮するので勘弁。
それよりも別の話題、別の話題。
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