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しおりを挟む噂が気になり、自分の目で確かめるべくルアンの行動を確認した。確かに以前のような態度はなく魔力測定に向けて頑張っているようだった。誰かをいじめてる様子はなかったし、勉強で余裕がありませんって感じだ。
「…なんで」
…誰が君を変えたの?急に焦り出す。焦るなんて今まで感じたことなかった感覚。あんな無防備ならこのままではルアンが誰かに奪われてしまうかもしれない。そろそろ行動を移さないといけないと手遅れになると思った。3年も君を想い続けてきたんだ。台無しにしたくない。
そして魔力測定が行われたある日のこと。ルアンの魔力がF-10であると学園中に広まった。自分の魔力の低さにプライドが折られただろう。そして、またルアンとは正反対にエイデンという平民が規格外のSSS-100という莫大な魔力持ちが現れたと話題になった。しかもそいつはルアンがいじめてたやつだった。
周りのルアンを見る目が変わった。今までの悪さからきっと立場が逆転すると思ったが取り巻きたちで『ルアンを守る会』が結成された。最近の行動で見直したんだろう。でも悪事をやっていたことは変わらない。過去は変えるなんてことはどうすることもできないし、みんなに嫌われて早く孤立してほしい。
「でもあのルアンが…F-10」
とても魅力的なのに魔力が少ない…?ふつふつと俺の中の加虐心がくすぐられた。魔力少ないこと気にしてるところがこれまた可愛いというか。俺は魔力A-4と優秀で、剣も扱える。…もう君に似合うのは俺しかいないじゃないか。すぐにでも婚約者になりたいと両親に頼み、直筆で手紙を書きルアンの両親へと送った。自分を鍛えるため時間はかけたつもりだ。
そして、俺の想いが届いたのか明日縁談が決まった。最初どうやって話そうか。君の印象に残らないと意味がない。一人廊下を歩いているルアンを見つけて早速声をかけることにした。待ちに待ったこの日。
「やぁ、ノロマのルアンくん?」
「は?」
第一印象は最悪でも構わない。ルアンの記憶に残るなら。理不尽に急に文句を言われたのが気に食わなかったのか不機嫌だった。
「魔力が嘘みたいに無く落ちこぼれ。顔しか取り柄のない出来損ないのくせにこの学園にいて何を学びたいのかわからない」
はやく独り占めにしたい。誰にも君の姿を見せたくない。大事にしたい。
「確かに魔力は少ないけど…自分なりに努力してるし…。信じなくてもいいけど今まで本当に態度が悪かったと反省しているんだ」
「そんなの知るかよ」
あぁ…困ってる顔やしょんぼりした顔…俺がそうさせてると思うと興奮してきた。以前とはまた違う態度にも昂る。それにやっと君と話せた。声もまた魅力的でそれが俺に向けられてると思うとゾクゾクしてしまう。
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