超絶美形な悪役として生まれ変わりました

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それに俺のスーパーへなちょこパンチで気を失ったと言ったら傷つくと思うので言わないでおこう。そう、あえて言わないのが優しさです。昨日大人の対応できなかったからとかじゃないからね。

それにこいつ自分がセクハラしたことまで忘れてるのかよ。本当に都合の良い頭をしてると呆れたがまあ、殴ったことまで忘れててくれて良かったと俺自身も都合の良い人間なのでフェアといこう。アイツ本当のこと知ったら絶対に暴行罪ですぐ訴えてきそうだし厄介だ。公爵家を敵に回すと面倒。


「急に倒れたから驚いたよ。しかも顔面から倒れてたから…、大丈夫だった？」

一応、心配しているふりをしておこう。


「確かに起きた時、なぜか顔が痛かったが…って！お前に心配されるほどじゃないし！そ、それより、あれだ。膝枕したって本当か？」

「うん。ダリルさん疲れてたのか…グッスリネテタヨ」

「そ、そうか。さん付けすんな」

棒読みがバレたと思ったが大丈夫だったみたいだ。それにあなたとは距離を置きたいのでさん付けしたのにそれが嫌だったのかすぐ指摘された。

本当こいつ、何しに来た？早く戻ってくれ。そろそろ授業始まるんですけど。それにこんな恐ろしくて面倒な人とはもう会話なんて続けたくない。


「膝枕…？二人ってどういう関係？」

「他人だよ」

エイデンはこの状況が理解できないため聞いてきたため、即答した。確かに急に変な奴が現れたら困惑する。俺だって何もしてないのに悪口言われた挙句、人生まで奪われようとしているからめちゃくちゃ意味がわからない。


「た、他人って違うだろ！…もういい。誰にも言わないつもりだったが仕方ない。こいつは俺の婚約者だ」

「全然違います」

「こ、婚約者…？」

徐々に寂しそうな影のある顔になっていくエイデン。俺を可哀想だと思ってくれたのかな。同情してくれたならありがとう。俺、戦うから。負けないよ。


「あっ、お前！平民のくせに魔力が高いって噂のやつだろ！なんでルアンなんかと一緒にいるんだよ。こいつは落ちこぼれなんだぞ」

自分で言うのはいいが他人に言われるとむかつくな。まさしく落ちこぼれだけど落ちこぼれなりに頑張ってるんだぞ。




「ダリルって言ったっけ。ルアンは落ちこぼれなんかじゃないよ。ちょっと不器用なだけでちゃんと努力してる。…大事な人をそう悪く言われたくない」


…はっ。待って。急に持病の心臓発作が。

これがトゥンクというやつですか。ときめいちゃいましたが。ド直球で言うから不意打ちすぎて、自分の顔がだんだんと熱を帯びるのがわかる。



エイデン…まじラブ。

我等友情永久不滅ズッ友だよ。