超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ

文字の大きさ
上 下
40 / 63

40

しおりを挟む



「さっさと案内しろ。お前の部屋はどこだ」

「え、俺の部屋?それは無理。いやです」

ただでさえ同じ空間にいるだけで嫌悪感を抱いているのに部屋にまで入ろうとしてやがる。家の案内を頼まれただけであって、俺の憩いの場でありテリトリーに入ってこないでほしい。



「くそ。じゃあ、誰もいないところに案内しろ!」

誰もいないところか。まあ誰かがいたら本性出せないからだろう。うるさいので日当たりの良い庭を案内した。そして、休憩として家の中で一番大きな木の下で腰をおろした。

「ふーん。俺の家の次くらいに立派だな」

「そりゃあどうも親の力です」

自分の力で建てたわけじゃないから自慢してもしょうがない。


「どうしてもっていうなら今度うち来てもいいぜ」

「いや、大丈夫です」

俺はすぐに断ることができるタイプの日本人です。


「後から来たいって言っても遅いぞ。まあ、別に今じゃなくてもいいか。将来、来ることになるし」

まだ諦めてなかったのか。とため息をつきたいのを我慢する。別に悪さなんかしないよ。

あ、こいつのこの目は絶対、俺が悪さするだと考えているだろうから、仮にも婚約が決まったとして自由にせず閉じ込めるに決まっている。そんな人生よりエイデンのライバルとなって名を残したい。その方が一億倍かっこいい。ダリルはエイデンと冒険できるって羨ましいぜ。俺も強くなりたいな。戯言じゃなくて強くなる助言とか言ってくれたらいいのに。


「そういえば興味は特にないけど、剣の訓練できる場所はあるの?」

「興味ないってなんだよ!剣の訓練は毎日やってるからあるに決まってるだろ!な、なんでそんなこと聞くんだよ」

「そうなんだ。さっき握られた時、剣ダコあったから」

ダリルの手をとり、これこれと指さす。


「さ、触んな…っ!」

「はぁ~?さっきお前は俺のこと触っただろう!」

触ったら手を払われた。自分は良くて俺はだめなのかよ。怖いよこの人。


「だ、黙れ!そ、それに今思い出したがよくも親に俺から酷いこと言われたとバラそうとしたな!上手く誤魔化せたからいいものの」

「でも本当のことじゃん」

こいつが実は猫被ってますと最後まで言わなかった俺を褒めてほしいくらい。てか、急に情緒不安定やめて。こちらでは対応困難なのであんたの両親呼んできてもいいですか。


「お、大人しく俺と婚約しろよ。お前に拒否権なんかない!」

「悪いけど、お子ちゃまには興味ないんだ」

ここは、大人の対応をしてあげよう。無理強いは良くないよと教えてあげたい。


「俺はお前より大人だ!この前、朝起きたら白いやつ出たし、ほら今だって少し大きくなってるぞ!」


と言われて手を掴まれ、気づくと右手にむにゅと少し硬めのものが触れた。




しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします

椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう! こうして俺は逃亡することに決めた。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

朝起きたら幼なじみと番になってた。

オクラ粥
BL
寝ぼけてるのかと思った。目が覚めて起き上がると全身が痛い。 隣には昨晩一緒に飲みにいった幼なじみがすやすや寝ていた 思いつきの書き殴り オメガバースの設定をお借りしてます

買われた悪役令息は攻略対象に異常なくらい愛でられてます

瑳来
BL
元は純日本人の俺は不慮な事故にあい死んでしまった。そんな俺の第2の人生は死ぬ前に姉がやっていた乙女ゲームの悪役令息だった。悪役令息の役割を全うしていた俺はついに天罰がくらい捕らえられて人身売買のオークションに出品されていた。 そこで俺を落札したのは俺を破滅へと追い込んだ王家の第1王子でありゲームの攻略対象だった。 そんな落ちぶれた俺と俺を買った何考えてるかわかんない王子との生活がはじまった。

秘匿された第十王子は悪態をつく

なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。 第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。 第十王子の姿を知る者はほとんどいない。 後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。 秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。 ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。 少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。 ノアが秘匿される理由。 十人の妃。 ユリウスを知る渡り人のマホ。 二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

処理中です...