超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ

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やっぱり明日会うの無しということにはさすがにできなかった。

そして翌日の朝は忙しかった。まだ眠りたいが体を起こし早起きをした。そのあとはお風呂に入り上品に身繕いされ、髪の毛もいつも以上にかっこよく整えられた。綺麗に着飾った俺を見て侍女たちは気合が入っている。理由は婚約者相手になるであろうダリルに会うからだ。何であいつなんかのためにおめかししないといけないんだ。意味がわからない。まあ、同じ貴族として礼儀は大切だと思うけどさすがに前日で言われるとこちらとしてはついていけない。

「あら、とても美しいわよ。さすが私の子だわ」

「いえ、お母様には敵いません」

母もいつも以上に豪華に着飾っている。ありのままでも美しいのに更に磨きがかかり輝いていた。褒めたらすごく嬉しそう。


「まったく可愛いんだから」

母も侍女同様、気合いが入っている。この婚約とやら絶対に何としてでも食い止めるぞ。そして奴の正体…企みを暴いてやる。そしてとうとう会う時間がやってきた。


「わざわざお越しいただき感謝します」

父がダリル一家に挨拶をする。


「急に押しかけて悪いね」

ダリルの父とうちの父は交流があるらしく親しげだ。それにしてもみんな顔がいいな。この空間だけ異常な光を発している気がする。



「いえ、どうぞお気になさらず。ルアン挨拶を」

「はい。ルアンと申します。時間を割いて遠くから出向いてもらったこと感謝します」

丁寧な言葉を選び、お辞儀をする。貴族たるものマナーは大事だ。両親には迷惑をかけたくない。



「しっかりした子ね。それにとても綺麗な子。これじゃあ敵は多くなりそうねダリル。ほらあなたも挨拶しなさい」

ダリルの母が近寄ってきてまじまじと俺を見る。値踏みされてるような眼差しに変な感じがした。


「私はダリルと申します。この度、このような素敵な機会をいただき心嬉しく思い、ありがとうございます。ルアン、今日も綺麗だね見惚れちゃった」

「まあ」

お母様は顔を赤らめる。おい、母は俺の味方でしょ。こんなお芝居信じちゃだめだよ。俺は騙されない。やっぱりこいつ裏がある。この変貌ぶりに鳥肌がすごい。

そのあとは応接間に案内となり、いよいよ婚約の話となる。


「同じ学園みたいだが仲良くしているのか?うちのダリルがルアンに好意を寄せてもう3年ほど経つみたいなんだが」

「あら、そんなに思われてたのですか。ルアンが言うには昨日会ったばかりと…本当なの?」

母は人の恋路に興奮が隠せないみたいだ。3年もだなんてそんなことがあるわけない。そうしたら学園に入学した時からになる。


「はい。実はルアンとは昨日初めてお話をしまして…。なかなか面と向かって話すのは恥ずかしくてその3年もかかってしまいました」

照れた様子で話すダリル。

「まあ、奥手なのね」


待て待て、奥手で誠実ですみたいな人間をアピールするな!こちらとしては昨日のお前のあの態度見せてやりたいぞ。


「僕はとてもびっくりしています。ダリルには昨日のことで嫌われていると思っていたので」


ここからは俺のターンだ。


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