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しおりを挟む俺はなんて馬鹿なことをしたんだ。合わす顔もないがすぐにでも謝りたかった。しかし残念なことに次の日は学校が休み。休みなんて早く終わってくれてないかなと思った。ルアンに会って話がしたい。
「はぁ…」
「エイデンおにぃちゃん、どうしたの?」
休みの日は、家から近い孤児院の手伝いをしている。主に子どもの世話や掃除等をやっている。
浮かない顔をしてる俺に気づいたのか、ミサというよく懐いてくれる女の子が心配してきた。態度に出てしまったのは申し訳なかった。全然、集中できていない。
「ミサちゃん心配させてごめんね」
何でもないよ、と言いながら頭を撫でた。
「だいじょうぶだよ!おまじないかけてあげるね。げんきになれ~!」
ミサちゃんはそう言って抱きしめてくれた。こんな小さな女の子にまで心配かけるなんて、どうしたんだろ本当に。
「…ただいま」
ルアン、気になる子と仲良くなるにはどうしたらいいのか。それにどうやって謝ればいいのか。ヘンリ爺さんに助言をもらうことにしよう。自分で考えても答えが見つからない。
「また孤児院の手伝いでもしてきたんじゃな。全く休みの日は休むもんじゃぞ」
俺は自分の目を疑った。とうとうルアンのことを考え過ぎて、幻覚でも見えてしまっているのだろうか。
「え、え…っ」
ルアンは俺を見て驚いている。え、現実?
「あ、そういや自己紹介がまだじゃったな…わしは名はヘンリと言って、こいつはエイデンじゃ」
ヘンリ爺さんはルアンに俺を紹介する。待って、何これどういうことだ。会いたかったルアンが今、目の前にいる。しかもいつもとは違う平民を装うような服装で帽子を被っている。そんな姿も可愛い…じゃなくて平常心、平常心。冷静になれ。
「どうして、ルアンがここに…?」
とりあえず、現状把握だ。
「なんじゃ、知り合いだったのじゃな。お前さんはルアンというのか」
「ここお前んち?」
ルアンから俺に話しかけてくれた。無視されるか他人のフリされるかと思ったから嬉しい。
「そうだよ。まさかルアンがいるなんて驚いた」
態度は平然としているがルアンは気まずそうな顔をしている。そうだよな。魔力を理由に口付けを迫られた相手なんだから。とりあえず、ヘンリ爺さんどこか行ってくれないかな。ルアンと二人で話がしたい。そして謝りたい。
「ルアンは、わしを助けてくれたんじゃ」
「また倒れたんですか!」
なるほど、それでルアンがここにいるのか。ヘンリ爺さんはよく倒れる。だから心配だ。
「そう心配するじゃない。いつものことじゃ。少し休んだから治るやつだろうから大丈夫じゃ。ちなみにルアンはわしを助けてくれたから、お礼として弟子にしたぞ」
「で、弟子ですか?」
なぜ、いつの間にそんな関係になってるの。俺よりルアンと一緒にいられるなんていくらヘンリ爺さんでも羨ましい。
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