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逃げてきたけど一体、何がどうなってるんだ。エイデンはあんなことを言う子じゃない。そんなこと誰に吹き込まれたんだと一瞬考えるが多分育ての親のあの爺さんあたりが妥当だろう。

口付け…深い意味はないと思うが、つまり口移しで魔力を足りないものに補填できるというわけか。何と言う方法だ。それ以外にないのかよ。

いくら魔力が多くても自分を大切にしなさいと説教したくなるもんだ。10歳にしてはませており、今後自分の身が持たなくなりそうなのでエイデンとはなるべく関わらないでおこう。そう心に決めたのであった。


それから次の日。今日は学校が休みだ。本を読むのもいいがたまには息抜きがしたい。そのため少し街へ遊びに行ってみることにした。しかも外は晴れてて気持ちが良い。ちなみに一人で外に出ていることは内緒だ。親には少し庭園を散歩して静かなところで本を読むと言って出てきている。護衛をつけろとかなんとか言われそうだ。でもきちんと平民みたいな格好で変装はしている。顔が見られないように深く帽子も被っているため大丈夫だと面白い。

第一、護衛が一緒だと自由に動けないためそれに関しては楽しめない。それに買いたいものもあるし。

街に来たのはいいがたくさんの店があるって本当だったんだ。見たことない道具や食べ物があったり、獣人の初めて見たな。この世界は人間、獣人の割合が多く、今後エイデンが倒すことになるであろう魔族たちもいる。他には滅多に見ることはできないエルフ、ドワーフ、竜人、人魚、小人、巨人もいたりするらしい。ここは異世界なので言ったらキリがないが。

ちなみに俺が通う『エンジェ魔法学園』は人間専用の魔法学園のため獣人を見るのは初めてだ。ちなみに獣人族にも専用の学校はあるらしい。争いを生まないように作られたみたいだった。


それにしても、獣人族のあのモフモフ感はたまらないな。おっといかんいかん。俺には目的があるんだ。よそ見している場合じゃない。

そして、とあるところに着いた。




「お、あったあった」

これが今日のお目当てだ。魔力が無いに等しい俺にも希望の光が見えるアイテム。魔法石(マジックストーン)のお店だ。

魔法石には魔法が使えない人や魔力が無い人でもイメージさえできれば使えることのできる便利アイテム。魔法が発動する条件は魔法石を握り込み、魔法を放つイメージすることで可能だ。それぞれ色で能力の判別でき、魔法の強さは大きさで決まる。

ちなみに手で握れるくらいの赤い魔法石ならば蝋燭に火を灯したり、タバコに火がつくくらいの威力しかない。使い終わったらただの石になる。料理がしたければその魔法石が10個分以上は必要だろう。



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