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もしもの話
花園瑞希×佐藤あおい
しおりを挟むオメガバース編
この世界には、男女という性別の他にα性、β性、Ω性の三種類が存在する。簡単に言えばα性は、生まれつきのエリートで数は少ない。
β性はごく普通の人間で人口比率的に最も多く、β同士で結婚するのが一般的。
そして、Ω性は、α性より数は少なく、約3カ月に一度発情期が存在する。発情期なら男女問わず妊娠可能。
種の繁栄が仕事とみなされ社会的地位は低い。
また発情期、つまりヒートがくるとフェロモンを出し、番のいないαや時にはβをも無条件に強くひきつける。
発情抑制剤や避妊薬を使用している者もが多い。
また、番というのはαとΩの強い繋がりのことを指し、恋人関係より強く、本能的なもので、αがΩの首筋を噛むことで番になることができる。
番のいないΩは首筋を噛まれないようにするため、本来は首輪をして過ごしている。
ぼくのなまえは、あおい。
チューリップ組。
みずきくんっていうお友達がいる。
今日もみずきくんはぼくにいろいろなことを教えてくれた。
「なぁ、あおい。俺たち大きくなったら番になろうぜ!」
「つがい…?」
「この前、テレビでやってたのを見たんだ。番になれば一生俺の隣にいられるんだぞ」
「そうなんだ!みずきくんはなんでも知っているんだね」
「へへん!すごいだろ!」
「うん!」
そして、現在。僕らは16歳。
「っ…、ぁ、いた」
何度、噛まれたかわからない首筋。
「はぁ‥っ、あおい大人しくしろ」
3年前、検査を受け、僕は社会的地位の低いΩと診断された。
16歳にもなった僕だが未だに発情期というものがきたことがない。
個人差があるらしい。
「あおいは俺のものなんだ…、絶対離さない」
今日も痛みに耐え、一日が始まった。
僕と、瑞希くんは幼稚園からの付き合い。僕がΩと診断されても見捨てなかった。 瑞希くんがいうには瑞希くんはαらしい。やっぱりすごいな。
「ほら、あおい。首輪と眼鏡」
首筋を思う存分噛まれたあと、いつものようにそれを渡してきた。
「ありがとう」
受け取って、眼鏡をかけ、首輪をする。
「俺以外の前で、絶対にこの二つは外すんじゃないぞ!」
僕は、瑞希くんの言葉に頷いた。 そして、二人で学校に向かった。残念ながら、瑞希くんと僕はクラスが別々。
僕はクラスでは毎日、いないものとして扱われているけど、授業が終わったらすぐに瑞希くんが来てくれて寂しくない。
ガラっ!!
勢いよく、僕のクラスのドアを開けたのは瑞希くんだった。
「ど、どうしたの?」
「あおい、次の授業、プールって俺なにも聞いてないぞ!!あーもうこうなったら、あおい!気分不良で休むって俺が先生に伝えてくるから、その間、図書館にいろよ!」
わかったな?と、珍しく瑞希くんに怒鳴られてしまった。 きちんと報告しとけばよかったな…と、後から後悔した。
僕は言われた通りに、図書館で休むことにした。
「本でも読もうかな…」
そう思い、静まり返っている図書館にて僕でも読める本を探した。
すると、
「あ、あれ…、なにこれ」
身体が急に熱くなった。
「はぁ…っ、くるしい」
どうしたんだろ…僕の身体。
「誰かっ、助けて…」
『君、大丈夫?…あれ君もしかして。さあ、これを早く飲んで』
意識が遠のいていく中、誰かの声が聞こえ、僕は何かを飲まされ記憶がそこで途切れた。
そして、誰かが一人ぽつりと呟いた。
「───やっと見つけた運命の番」
また、新たな波乱が僕を待ち受けていた。
オメガバース書いてみたかった。 ちなみに最後の人物は読者様の想像にお任せします。 あと、瑞希はαではなくβです。こいつ、あおいが欲しいから偽っています。あと、瑞希は本編とやっていること変わってないこと気づいた方いましたか?実際本編でも首噛んで、あおいに首輪までさせてたり、やたらあおいのことを運命の相手と言っていたのを今回この話に繋げてみました。
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