嫌われ者の僕

みるきぃ

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エピローグ

大好きなあおい

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あおいがいなくなった学園。

探し回る薄汚い奴ら。

生徒会は全く機能しなくなった。



転校生はすぐにでも退学だったが最後まで学園のものを壊し続けた後に退学となった。まぁ、退学だけでは済まない。

奴のせいで怪我を負ったが、まあそれも計画のうち。あんなの簡単に避けれたが何かを犠牲にしないとあおいは手に入らない。責任感の強いあおい。それにつけ込んでしまった。そうでもしないと次が進まない。



そして、あのパーティーであおいの美しさに心を奪われて狂い出した生徒多数。

ふふ、壊れてしまえクソ共。てめぇらごときがあおいを見んじゃねぇよ。吐き気がする。今まで我慢していたものが溢れてくる。



こんなにも学園がたった1人いなくなったことで変わってしまう。まるで学園の一つの柱が無くなったかのように崩れた。




俺が簡単にあおいを手放すわけねぇだろ。もう俺とあおいはこの学園には戻ってこない。あおいは現在俺の家で暮らしている。もちろん、あおいの両親を丸め込んだ。

それから、自分の母親にはあおいを近くで見守らなければいけないのだと訴えると、母親はなぜか諦めたようにため息をついて、協力することを約束してくれた。母親が認めたことだからと、父親も納得してもらえた。






あおいは一生俺が大切にする。そう、あおいの寝顔を見ながら、自分も横で眠りについた。


ふっと浮き上がるように意識が眠りから覚めた俺は、うっすらと開けた目で周囲の様子を窺った。見慣れた壁紙の色。


そして、左肩に寄りかかる温もりと、聞こえてくる静かな寝息。

ちらりと視線を向けると、あおいは横向きの姿勢で俺の肩に額を寄せてぐっすりと眠っていた。

できるだけ静かに身体を傾けるとあおいがよく見えるように向かい合わせに姿勢を変えた。


外はまだ夜が明けきっていない。薄暗い中でも、あおいの安心しきった寝顔がよく見える。


幼い頃からいつも見てきて知っているのに、相変わらずの可愛いらしさに口元が緩んでしまう自分はどうしようもないなと思った。笑った時の破壊力は半端ではない。



自分でも愛情が行き過ぎている自覚はある。でも半分くらいはあおいのせいなのだから、できればわかってほしい。と、勝手なことを考えながらいまだ眠りの中にいる愛らしい姿を眺めた。


小さい頃のあおいは、なかなか慣れてくれずいつも遠慮がちで控えめだった。あおいの心を開いたのは、毎日一緒に遊ぶことと安心するように手を繋ぐこと。



そう、必要なのは『安心と信頼』だった。



それから、現在自分から寄り添ってくるあおいの笑顔を見ると俺は今まで努力してきたことの全てが報われたような気になる。そして、寝顔を眺めているだけでは我慢できなくなった俺はそっと手を伸ばした。




…俺以外、見なくていい。

俺以外、考えなくていい。



もっと、もっともっともっと俺だけでいっぱいになればそれでいい。












指先が迷わずに色づいた唇へと向かったのはキスをしたいと思ったからだ。でも、寝込みを襲うのはよくない。起きたら、しよう。そう決めた時に、タイミングよくあおいが起きた。




「おはよ、もしかして起こしちゃった?」



「おはよう…、ん」



あおいはまだ眠たいのか、また目を閉じようとした。



「好きだよ」



そう言ってあおいのこめかみに挨拶のキスをする。




「ふふ、僕も好きだよ」


と、あおいからは頬に返ってきた。





…可愛いなぁ。ずっと、閉じ込めておきたい。




こんなに可愛いから



















『あおいはね、

嫌われ者なんかじゃないよ』




なんて、一生教えてあげない。




エピローグ 完結


 
 
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