嫌われ者の僕

みるきぃ

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自己中な不良くん

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【笹山side】



クソッ。イライラする。誰かを殴っても殴ってもこの怒りはおさまらねぇ。生徒会の会計の奴に邪魔をされて俺の楽しい時間を潰しやがった。だから学園から外に出てこのイライラをぶつけて発散している。






「死ねッ!」


今俺は、格下の族に喧嘩売られて見事に返り討ちにしている。雑魚が。







「やべぇ、笹山!サツが来るっす」


「チッ」


こんな時に。まだまだこのイライラおさまらねぇ。だけど、警察に捕まるわけにもいかねぇし。




とりあえず、警察がこっちに向かってるらしいから急いでこの場から離れようとした時、






「おい、待てよ逃げる気かぁ?あぁ?」


逃げることしか考えてなく油断してたから頬を殴られた。





「ッ。クソッてめぇっ!」


腹に拳を入れて蹴ってぶっ飛ばしてやった。雑魚は地面に伸びた。





「笹山早く行くぞ!」


「あぁ」




クソッ。

あの雑魚が。




口元に痛覚を感じ、そこに親指を当てた。そしたら、口の端が切れていておまけに血が出ていた。…あんな雑魚相手に最悪。









イライラを発散しに外に出たのにも関わらず逆に溜まっていく一方だった。








 
脳裏に一瞬だけ、パシりが会計に連れられるところを思い出した。








「ざけんな…ッ!」


寮へ帰って、自室の壁を殴る。

器物破損?そんなの知るか。





んで、簡単に連れて行かれてんだよ。手を振りほどけば良かっただろ。






「…ムカつく」


明日あいつに躾をしてやる。




…お前のご主人様は一体誰なのかをしっかり叩き込む。誰かに自分専用のパシりを盗られるとムカつく。俺が最初にアイツをパシりにしたんだ。他の奴が入ってくんな。




心の中で悪態を吐き出す。とりあえず、明日にそなえて今日は疲れたからもう寝るか。ちなみに俺は一応、族には入っていないが顔は広い。





つるんでいる奴らは喧嘩や窃盗、飲酒喫煙、無免許運転、薬、強姦など犯罪行為を普通でやる当たり前な奴らばかりだ。だから俺に悪い噂がたつのは無理もない。





…あぁ、今何も考えたくねぇな。俺はベッドにそのまま倒れ込んだ。





─────
───────
──────────


…。




日付が変わり、次の日。今日こそは誰にも邪魔されず楽しむ予定だ。

クラスにはもうアイツが来ていた。まぁ、来なかったら来なかったでどうしようかと思った。…だって俺、イラついて何するかわからねぇから。



ガタッ



「…おい、昨日はどうだったんだよ?」



顔をうつむけているパシりに俺が来たと分からせるため少し椅子を蹴って揺らす。そして奴が座っている席の前の席に腰をおろし後ろを向いた。





「き、昨日…ですか?」


声は今すぐにも消えそうな小さな声で明らかに戸惑っていた。


それに体を小さく縮めてビクビクしているし。







その反応が俺を優越感に浸らせてくれる。



 
「生徒会の会計に連れてかれただろ」


 


今はとりあえず、昨日のことを聞くことが先だ。


それからどんな躾をするか決める。







「え、えっと…会計さんとは話をしただけです…っ」



「それだけかよ」


ちっ、つまんねぇ。暴力とか振ってるとか思った。どうせ、話したと言ってもあれだろ。あの転校生がらみのやつ。俺には興味のない話だけど。





「は、はい…。ぁ、あの…さ、笹山くん口…ケガ」



大丈夫ですか?と控えみに言った。




…ケガ?あー、そういえば昨日油断していて殴られたっけ。正直、忘れてた。



「別にこれは舐めときゃなんとかなる」



確かにちょっと痛むけどたいしたケガじゃない。





「で、でも、痛いんじゃ…」



「なに。お前がかわりに舐めてくれんの?なーんてね」




「あ、あの、その…良かったら…ほ、保健室行きませんか?」



「は?」


なんだ。地味でパシリの分際で俺を誘っているのか。随分、偉くなったもんだ。




「消毒した方が…いいかなと思って…」



ちっ、やっぱそれか。保健室…ね。まぁ、ここじゃあ人も多いしゆっくり躾もできねぇしな。





「おら、行くぞパシり」


「あっ、は、はい!」



誰かに心配されるとか気遣われるのって俺にとっては変な感じだ。別に消毒なんかしなくても俺の免疫力は強いけどな。






──────
────────



「うわっ、お前下手くそ」


消毒がしみる。


「ご、ごめんなさい!」






保健室はいつも無人。勝ってに自分達で手当してください状態。それにしてもヒリヒリしみる。本当、下手くそだなコイツ使えねぇ。




奴はずっと『すみませんすみません』と小声でひたすら謝っている。…調子狂う。




「もう消毒はいい。テープ貼れ」


「わ、わかりました…っ」



消毒液などを片付けた後、そっと丁寧にテープを俺のケガしているところに貼った。





「い、今はどうですか?」



「さぁな」



まさかコイツに手当される日がくるなんてな。そういや今まで誰かにこうやって手当されたことねぇかも。なんか、知らねぇけどたまにはケガするのもいいと思った。すると、無意識俺の手が奴の髪の毛に触れていた。





「え、あ、」


少し体を震わせ驚いた反応を見せた。





髪、…すげぇ気持ちいい。あー、やっぱりこいつ良い匂いする。近くにいるだけでわかる。俺好みの匂い。…パシりのくせに。




「きーめた」



「え?」



「お前、俺だけに服従しろ」



「ふ、服従…?」



「そ。俺だけに従えってこと。パシりだからそれぐらいのことは当たり前だ」




「そ、それはちょっと…」


「あ?お前に拒否権あると思ってんの?」



「…っ」



「従え。命令」



パシりはパシりらしくしてればいい。しつけてやる。






…そうだ。クラスでルールを決めよう。俺以外の奴がコイツをいじめてみろぶっ殺す。一人で楽しむのが絶対気分がいいはずだ。だからこれからは俺以外がコイツいじめたりするの禁止。







…俺でいっぱいになれ。

もっと怖いと思え。

従いたいと言え。





はは、楽しみだ。

自分でも今何考えてるかわからない。





















…ただ俺に支配されるコイツを浮かべてみるとものすごく愛しくてたまらなかった。




 
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