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アンチ王道転校生
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しおりを挟む【瑞希side】
俺の名前は、花園瑞希っていうんだ!!
よろしくなっ!
俺は皆に愛されている人間で今日、咲紅学園に転入する予定なんだ!!前の学校は、なぜか知らないけど退学になった。
全く失礼だ!!でも俺は優しいから許してやるんだ!
まあ、俺の家はお金持ちだからすぐに他のところに転入することができた。
あ、言っとくけど俺って結構強いんだぜ。俺のいうこときかないやつはボコボコにしてやるんだ!!
昨日、父さんに『襲われるかもしれないから』とか言われて変装グッズを渡されたけど捨ててきた!!だって、ダサいしやだ!!それに俺、強いし大丈夫だし誰にも負けない!!
俺の顔がイケメンだから父さんも心配しているのはもちろんわかってる。
でも余計なお世話だ、全く。そう思いながら車に揺られること一時間。
気づくと、もう目的の場所、咲紅学園に到着していた。
車から降りて見てみると
「ここが咲紅学園かぁ!」
思っていたより、でかいなーーっ!
前に聳え立つ門。早く中に入りたいな。こんな大きい門、簡単に飛び越えられる。
俺にとっちゃ朝飯前なんだ!!
俺は独り言の後、大きな正面門を軽々と飛び越えた。こんなの楽勝楽勝!!
風の切った音が聞こえたと思ったらもうすでにスタンと地面に無事着地した。
「……もしかしてあなたが花園さんですか?」
すると、どこから出てきたのかわからないが声が聞こえてきた。
「ん?誰だお前!!名前なんて言うんだ!?」
急に横から現れた美形なやつ。
「すみません。申し遅れました、私は咲紅学園の生徒会副会長をしております朝霧貴之です」
「そうなのか!!よろしくなっ!貴之!俺は瑞希でいいぞ!それにさっきからその気持ち悪い笑顔やめろよ!!」
「…!?そう言われたのはあなたが初めてです」
驚いた顔をしたと思ったら突然抱き締めてきた。
「おい!苦しいぞ!!」
いくら俺が好きだからってやめろよ!
「ごめんなさい、つい嬉しくて…」
「謝ったから許してやるぞ!」
「ふふっ。元気があって瑞希は可愛いですね。さあまずは理事長室に行きましょうか」
「おう!!」
貴之は、俺の友達第一号だ!それから、でっかい校舎の中に入って数分歩いた頃、やっと理事長室に着いた。
「では、私はここで失礼します。また会いましょうね」
「おう!またな!!」
貴之とわかれて理事長室のドアを開ける。
「入るぞ!!」
俺は、堂々とかっこよく入ってやった。
「やあ、よくきたね。花園瑞希くん」
「おう!お前が理事長か?」
「げ、元気な子だね。そうだよ。まずはここに座ってくれるかな?」
理事長は、手前のソファーに座ってと言う。理事長ってワイルドな雰囲気だな!
「手短にここの学園について話しそうね」
「おう!」
面倒くさいけど聞いてやるんだぞ!
――――
――
………。
「―――こんなもんかな。わからないことがあったらいつでも聞いてね」
「わかった!」
全然話聞いてなかったけどまあ、別にいいよな!
コンコンー
すると、扉をノックする音が聞こえてきた。
「失礼します」
扉が開いて、一人の男が入ってきた。
「あー!誰だお前ーー!!」
「あの、理事長このうるさいガキは?」
「おい!!無視すんなよ!ホスト!!」
見た目が本物のホストっぽいから言ってやった。
「俺にホストだと…?ふっ、面白いこと言うじゃないか。気に入った」
「西条先生。その子は、今日、西条先生のクラスに転入する生徒で名前は花園瑞希くん。よろしく頼むよ」
理事長が俺のことをホストに伝える。
「あぁ、転校生ってお前のことだったのか」
「そうだぞ!よろしくなっ!!」
「ほぅ、そんな口聞くとはな。俺の名前は西条透。特別に透って呼ばせてやる」
「じゃあ、俺も瑞希でいいぞ!」
「おもしろいな。じゃ、行くぞ。では理事長失礼します」
そして、理事長室をあとにして今からZクラスというところに案内するみたいだ。
―――――
―――
…………。
「じゃあ、俺が先に入るから名前を呼んだら入ってこい」
「おう!」
ここがZクラスか。普通だな!!
ガラッー
ホスト…違った透が勢いよく扉を開けた。
「今日はZクラスに新しく仲間が入ることになっている。皆仲良くしてやれよ。…瑞希入ってこい」
おっ!やっと俺の出番か!!全く、待ちくたびれたぞ。
「俺の名前は花園瑞希って言うんだ!!よろしくしろよっ!」
教卓の前に立つとすぐさま言ってやった。
あー、俺なかなかいい自己紹介だな。
「よし。じゃあ、瑞希は後ろの開いてる席な。…チッ、隣は佐藤か」
「よし、あそこだな!」
佐藤ってなんだ?まあ、どうでもいいか!
後ろってラッキー。ってか、ここのクラス髪の色派手だな!不良っぽいぜ!
俺は、まだ知らなかった。
…ここで運命の奴に出会うとは。
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