粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる

春音優月

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3、好きって言ってほしい!

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 大学もバイトも家事も終わった後は、いつものいっちゃんとのいちゃいちゃタイム。

 テレビの前の二人がけのソファーに座り、隙間がないくらいにくっついて、いっちゃんの胸にもたれかかる。

 一緒に大学の課題をやることもあれば、スマホをいじってる時だけの時もあるけど、大体いつのまにかこうなっちゃう。
 
「いっちゃん」

 いっちゃんにぺったりひっつきながら、何度もいっちゃんの名前を呼ぶ。『いっちゃんいっちゃんうるせぇ』っていっちゃんにはよく言われるけど、のどかが『いっちゃん』って呼ぶ度に嬉しそうにしてるの、知ってるんだよ。

「好き。いっちゃん、大好きだよ」
「何回も言わんでいい」

 のどかの口を手でやんわりと抑えて、耳を赤くしたいっちゃんはぷいっとそっぽを向く。

「いっちゃんは?」

 視線を逸らしたいっちゃんの顔をのぞき込む。

「のどかのこと、好き?」

 いっちゃんにも言ってほしくて、固まっている彼を下からじーっと見つめる。

 いっちゃんから『好き』って一回も言ってもらってないなって気がついてから、一週間。のどかは、たまにいっちゃんにこうして聞いてみるようになったんだ。

 いっちゃんは一瞬だけ固まって、すぐにのどかの頭をぐしゃぐしゃと撫でてきた。それから、触れるだけのキスをして、のどかをぎゅっと抱きしめる。

 分かってるよ、いっちゃん。
 これが、いっちゃんなりの『好き』って返事なんだよね。

 でもね、やっぱり言葉にして聞きたいなぁ。
 一回だけでもいいの。
 だから、お願い。聞かせて、いっちゃん。
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