15 / 29
15話 初めての電話
しおりを挟む
家に帰って、寝る前にスマホをいじりながら、和也くんに電話をかけるべきかどうしようか悩んでいた。
せっかく教えてくれたんだし、私からかけるべきなのかな。でも社交辞令で教えてくれただけなのに、「え?なにこいつ、本当に電話かけてくるの?」とか思われたらどうしよう。
今さらだけど、いきなり電話ってかなりハードルが高いような気がする……。
さっきはつい勢いで電話とか言っちゃったけど、友達ともほとんど電話しないし、電話は苦手なのに。直接話すのも苦手だけど、電話だと話さなきゃってよけいにあせっちゃって、上手く話せなくなる。
メールの方が気軽に送れるのになぁ……。
和也くんはメールほとんどしないって言ってたけど、全くしないわけじゃないよね?
また学校で会った時に話せばいいんだし、メールも電話も無理してまでする必要はないんだけど……。
せっかく連絡先を教えてもらったんだから連絡したいような気もするし、今日しないと永遠にできないような気もする。でもやっぱり……。
え、で、電話!?
微動だにしないスマホを見つめながら色々考えこんでいると、突然マナーモードにしていたスマホが振動し始めてびくっとなってしまった。
……うそ、しかも和也くんから?
え~……どうしよう……。と、とりあえず出た方がいいよね……。
「も、もしもし?」
「月子? 俺」
震える手で画面をタップすると、そこから聞こえてきた声は間違いなく和也くんのもので、ますます私の心臓の音がうるさくなる。
「は、はい。斉藤月子です」
「ハハッ。知ってる」
……やっぱり、電話は苦手だ。和也くんのちょっと低くて優しい声も笑い方も、もう全部がかっこよくてドキドキしちゃうから、どうしていいのか分からなくて困る。
今も絶対電話の向こう側であのいつもの優しい顔で笑ってるんだろうなと思うと、顔を見なくても緊張してきた。
「せっかく番号教えてくれたんだし、電話してみた。今大丈夫だった?」
「そ、そうなんだ、ありがとう。いま、全然大丈夫、だよ」
「そっか、よかった。今日は試合見に来てくれてありがとうな。どうだった?」
どうって言われても……。
ああ、もう、スマホを持つ手が異様に汗ばんでてヤバい。電話だから見えないというのに、なぜかベッドで正座をしてしまう。
「え、と、あの、すごくよかったよ。ユニフォームもよく似合ってた」
「え~ユニフォーム見に来てたの?」
おかしそうに笑い声をあげる和也くんに、内心あせる。そ、そっか……。試合の感想聞かれてるのに、ユニフォームの感想言うなんて失礼だよね。
「あ、あの、ごめんね。試合も見てたんだけど、途中からよく分からなくなっちゃって。和也くんがシュートしてたとこは見たよ。いつもの和也くんとは違う一面が見れて嬉しかったし、すごくかっこよかった」
「え? そ、……か」
何か変なこと言ったかな?
ユニフォームの感想だけじゃ申し訳ないと思って、思いついたことを色々と言ってみたら、和也くんは急に黙りこんでしまった。
「あの、和也くん? どうかした?」
「月子っておとなしいのに、けっこうストレートだよな。そこまで直球で言われると、なんていうか、照れる」
ストレート、なのかな……。
そういえば、昔から良く「変だよね」「空気読めてないよね」って言われてきたな……。
空気は読んでるつもりなんだけど、その場になると上手い言葉が出てこなくて、みんなに合わせた会話ができない。だから後になって、あの時ああいえば良かったこう言えば良かったっていつも一人で後悔してる。
後からじっくり考えたら、もっとこうすれば良かったって思うのに、どうしてその場になると上手く会話が出来ないんだろう?
やっぱり私って変なのかな……。
普通じゃないのかな。
「ごめんね。私、人と話すの苦手だから、自分の思ったことそのまま言っちゃう時あるんだ。何て言えばいいのか分からなくて……」
……あれ、私何言ってるんだろう。
もう最悪、こんなこと言っても和也くんのこと困らせるだけなのに。
自分が何言ってるのかも分からなくなってきたし、本当にダメだ……。メールだったら良かったのに、やっぱり電話だと上手く話せないよ。
こんなんだから、いつも面倒なやつだと思われてみんなに嫌われるんだよ。どうして私は、みんなみたいに普通に話せないのかな……。
「何で謝るんだよ~。大丈夫、ちゃんと話せてるよ。
それに俺は月子のそういうとこ好きだよ」
……え? またいつもの頭の中のざわざわが始まりそうになったけど、和也くんの言葉でそれはあっさりとかき消される。
だって、好きって……。いやいや、私のことが好きなんじゃなくて、「そういうとこ」が好きって言ってくれたのに、勘違いしたらダメだよね。
でも、そういうとこってどういうとこだろう?
どういうとこなのかいまいち分からないけど、憧れの和也くんから好きって言われたらやっぱり嬉しいし、なんだか元気が出てきた。
いつも明るくて、でも私みたいな話下手なダメな子にも優しくて……、やっぱり和也くんってすごくすごく素敵な人だな。教室ではいつも明るくて元気で、グラウンドでも一生懸命にボールを追っていた。
和也くんのことを全部知ってるわけじゃないけど、和也くんはいつだってかっこよくて優しい。やっぱり和也くんって……。
「あ、りがとう……。あの、あのね……っ、私も和也くんのそういうとこ好き。すごくすごく良いと思う」
「ははっ、そういうとこってどんなとこ?」
「え……、どういうとこだろう?」
ああ~、なに言ってんだろう私……っ。
どういうとこって聞かれると上手く説明出来ないけど、でもなんだかさっきすごく和也くんのこといいなぁ好きだなぁって改めて思って、そしたら伝えなきゃって思っちゃって……、あれ?
でも和也くんも私のそういうとこが好きって言ってくれたけど、はっきりどんな部分が良いって教えてくれなかったよね……。
ん?あれ?ちょっとどういう会話してるのか分からなくなってきた……。
「なんだそれ。よく分かんないけど、ありがとう」
「わ、私こそありがとう」
「……うん。そういえばさ、今度みんなで映画かカラオケにでも行きたいね」
「う、うん、行きたいね」
「行こうな。
じゃあそろそろ切るね、急にごめんな。電話出てくれてありがとう。
また明日学校でね、おやすみ」
電話を切ると、電話をしていたのは実質十分ぐらいだったみたいだけど、なんだかすごく長い間話していたような気がした。
映画かカラオケに行こう、だって。
みんなで、だし、社交辞令かもしれないけど。
でも、もし行けたら、すごく嬉しいな。
和也くんのおやすみって言った声がすごく優しくて、なんだかそこら中転げ回りたいくらい落ち着かないし、胸がざわざわする。だけど、いつもの嫌な感じのざわざわじゃなくて、何だろう……。
不思議と和也くんたちと話すようになってから、前よりも頭の中のざわざわが減った気がする。
もちろん全くなくなったわけじゃないし、ふとしたことでぐるぐる考えだしちゃう時はあるけど、少なくとも、前よりは確実に減ったと思う。
明日も和也くんたちと話せると思うとそこまで悲観的にもならなくなったし、毎日が楽しい。明日もまた、たくさん話せるといいな。
さっき和也くんが言ってくれたおやすみを何度も頭の中でリピートしながら、幸せな気分で眠りについた。
せっかく教えてくれたんだし、私からかけるべきなのかな。でも社交辞令で教えてくれただけなのに、「え?なにこいつ、本当に電話かけてくるの?」とか思われたらどうしよう。
今さらだけど、いきなり電話ってかなりハードルが高いような気がする……。
さっきはつい勢いで電話とか言っちゃったけど、友達ともほとんど電話しないし、電話は苦手なのに。直接話すのも苦手だけど、電話だと話さなきゃってよけいにあせっちゃって、上手く話せなくなる。
メールの方が気軽に送れるのになぁ……。
和也くんはメールほとんどしないって言ってたけど、全くしないわけじゃないよね?
また学校で会った時に話せばいいんだし、メールも電話も無理してまでする必要はないんだけど……。
せっかく連絡先を教えてもらったんだから連絡したいような気もするし、今日しないと永遠にできないような気もする。でもやっぱり……。
え、で、電話!?
微動だにしないスマホを見つめながら色々考えこんでいると、突然マナーモードにしていたスマホが振動し始めてびくっとなってしまった。
……うそ、しかも和也くんから?
え~……どうしよう……。と、とりあえず出た方がいいよね……。
「も、もしもし?」
「月子? 俺」
震える手で画面をタップすると、そこから聞こえてきた声は間違いなく和也くんのもので、ますます私の心臓の音がうるさくなる。
「は、はい。斉藤月子です」
「ハハッ。知ってる」
……やっぱり、電話は苦手だ。和也くんのちょっと低くて優しい声も笑い方も、もう全部がかっこよくてドキドキしちゃうから、どうしていいのか分からなくて困る。
今も絶対電話の向こう側であのいつもの優しい顔で笑ってるんだろうなと思うと、顔を見なくても緊張してきた。
「せっかく番号教えてくれたんだし、電話してみた。今大丈夫だった?」
「そ、そうなんだ、ありがとう。いま、全然大丈夫、だよ」
「そっか、よかった。今日は試合見に来てくれてありがとうな。どうだった?」
どうって言われても……。
ああ、もう、スマホを持つ手が異様に汗ばんでてヤバい。電話だから見えないというのに、なぜかベッドで正座をしてしまう。
「え、と、あの、すごくよかったよ。ユニフォームもよく似合ってた」
「え~ユニフォーム見に来てたの?」
おかしそうに笑い声をあげる和也くんに、内心あせる。そ、そっか……。試合の感想聞かれてるのに、ユニフォームの感想言うなんて失礼だよね。
「あ、あの、ごめんね。試合も見てたんだけど、途中からよく分からなくなっちゃって。和也くんがシュートしてたとこは見たよ。いつもの和也くんとは違う一面が見れて嬉しかったし、すごくかっこよかった」
「え? そ、……か」
何か変なこと言ったかな?
ユニフォームの感想だけじゃ申し訳ないと思って、思いついたことを色々と言ってみたら、和也くんは急に黙りこんでしまった。
「あの、和也くん? どうかした?」
「月子っておとなしいのに、けっこうストレートだよな。そこまで直球で言われると、なんていうか、照れる」
ストレート、なのかな……。
そういえば、昔から良く「変だよね」「空気読めてないよね」って言われてきたな……。
空気は読んでるつもりなんだけど、その場になると上手い言葉が出てこなくて、みんなに合わせた会話ができない。だから後になって、あの時ああいえば良かったこう言えば良かったっていつも一人で後悔してる。
後からじっくり考えたら、もっとこうすれば良かったって思うのに、どうしてその場になると上手く会話が出来ないんだろう?
やっぱり私って変なのかな……。
普通じゃないのかな。
「ごめんね。私、人と話すの苦手だから、自分の思ったことそのまま言っちゃう時あるんだ。何て言えばいいのか分からなくて……」
……あれ、私何言ってるんだろう。
もう最悪、こんなこと言っても和也くんのこと困らせるだけなのに。
自分が何言ってるのかも分からなくなってきたし、本当にダメだ……。メールだったら良かったのに、やっぱり電話だと上手く話せないよ。
こんなんだから、いつも面倒なやつだと思われてみんなに嫌われるんだよ。どうして私は、みんなみたいに普通に話せないのかな……。
「何で謝るんだよ~。大丈夫、ちゃんと話せてるよ。
それに俺は月子のそういうとこ好きだよ」
……え? またいつもの頭の中のざわざわが始まりそうになったけど、和也くんの言葉でそれはあっさりとかき消される。
だって、好きって……。いやいや、私のことが好きなんじゃなくて、「そういうとこ」が好きって言ってくれたのに、勘違いしたらダメだよね。
でも、そういうとこってどういうとこだろう?
どういうとこなのかいまいち分からないけど、憧れの和也くんから好きって言われたらやっぱり嬉しいし、なんだか元気が出てきた。
いつも明るくて、でも私みたいな話下手なダメな子にも優しくて……、やっぱり和也くんってすごくすごく素敵な人だな。教室ではいつも明るくて元気で、グラウンドでも一生懸命にボールを追っていた。
和也くんのことを全部知ってるわけじゃないけど、和也くんはいつだってかっこよくて優しい。やっぱり和也くんって……。
「あ、りがとう……。あの、あのね……っ、私も和也くんのそういうとこ好き。すごくすごく良いと思う」
「ははっ、そういうとこってどんなとこ?」
「え……、どういうとこだろう?」
ああ~、なに言ってんだろう私……っ。
どういうとこって聞かれると上手く説明出来ないけど、でもなんだかさっきすごく和也くんのこといいなぁ好きだなぁって改めて思って、そしたら伝えなきゃって思っちゃって……、あれ?
でも和也くんも私のそういうとこが好きって言ってくれたけど、はっきりどんな部分が良いって教えてくれなかったよね……。
ん?あれ?ちょっとどういう会話してるのか分からなくなってきた……。
「なんだそれ。よく分かんないけど、ありがとう」
「わ、私こそありがとう」
「……うん。そういえばさ、今度みんなで映画かカラオケにでも行きたいね」
「う、うん、行きたいね」
「行こうな。
じゃあそろそろ切るね、急にごめんな。電話出てくれてありがとう。
また明日学校でね、おやすみ」
電話を切ると、電話をしていたのは実質十分ぐらいだったみたいだけど、なんだかすごく長い間話していたような気がした。
映画かカラオケに行こう、だって。
みんなで、だし、社交辞令かもしれないけど。
でも、もし行けたら、すごく嬉しいな。
和也くんのおやすみって言った声がすごく優しくて、なんだかそこら中転げ回りたいくらい落ち着かないし、胸がざわざわする。だけど、いつもの嫌な感じのざわざわじゃなくて、何だろう……。
不思議と和也くんたちと話すようになってから、前よりも頭の中のざわざわが減った気がする。
もちろん全くなくなったわけじゃないし、ふとしたことでぐるぐる考えだしちゃう時はあるけど、少なくとも、前よりは確実に減ったと思う。
明日も和也くんたちと話せると思うとそこまで悲観的にもならなくなったし、毎日が楽しい。明日もまた、たくさん話せるといいな。
さっき和也くんが言ってくれたおやすみを何度も頭の中でリピートしながら、幸せな気分で眠りについた。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
【完結】貴方の望み通りに・・・
kana
恋愛
どんなに貴方を望んでも
どんなに貴方を見つめても
どんなに貴方を思っても
だから、
もう貴方を望まない
もう貴方を見つめない
もう貴方のことは忘れる
さようなら
僕とメロス
廃墟文藝部
ライト文芸
「昔、僕の友達に、メロスにそっくりの男がいた。本名は、あえて語らないでおこう。この平成の世に生まれた彼は、時代にそぐわない理想論と正義を語り、その言葉に負けない行動力と志を持ち合わせていた。そこからついたあだ名がメロス。しかしその名は、単なるあだ名ではなく、まさしく彼そのものを表す名前であった」
二年前にこの世を去った僕の親友メロス。
死んだはずの彼から手紙が届いたところから物語は始まる。
手紙の差出人をつきとめるために、僕は、二年前……メロスと共にやっていた映像団体の仲間たちと再会する。料理人の麻子。写真家の悠香。作曲家の樹。そして画家で、当時メロスと交際していた少女、絆。
奇数章で現在、偶数章で過去の話が並行して描かれる全九章の長編小説。
さて、どうしてメロスは死んだのか?
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
式神審判
Kazumi
ライト文芸
主人公とそのパートナーの成長をお楽しみください!
二人で強くなっていくためになにを目指しどんな試練があるのかも見どころです!
投稿は不定期になってしまいますが少ない内容で話が進んでテンポよく見れると思います。
文章がおかしかったりすることもたた多々あります...(-_-;)
自分だったらこんなストーリを楽しめる!をスタンスにして投稿します!
思い出を売った女
志波 連
ライト文芸
結婚して三年、あれほど愛していると言っていた夫の浮気を知った裕子。
それでもいつかは戻って来ることを信じて耐えることを決意するも、浮気相手からの執拗な嫌がらせに心が折れてしまい、離婚届を置いて姿を消した。
浮気を後悔した孝志は裕子を探すが、痕跡さえ見つけられない。
浮気相手が妊娠し、子供のために再婚したが上手くいくはずもなかった。
全てに疲弊した孝志は故郷に戻る。
ある日、子供を連れて出掛けた海辺の公園でかつての妻に再会する。
あの頃のように明るい笑顔を浮かべる裕子に、孝志は二度目の一目惚れをした。
R15は保険です
他サイトでも公開しています
表紙は写真ACより引用しました
【完結】この悲しみも。……きっといつかは消える
Mimi
恋愛
「愛している」と言ってくれた夫スチュワートが亡くなった。
ふたりの愛の結晶だと、周囲からも待ち望まれていた妊娠4ヶ月目の子供も失った。
夫と子供を喪い、実家に戻る予定だったミルドレッドに告げられたのは、夫の異母弟との婚姻。
夫の異母弟レナードには平民の恋人サリーも居て、ふたりは結婚する予定だった。
愛し合うふたりを不幸にしてまで、両家の縁は繋がなければならないの?
国の事業に絡んだ政略結婚だから?
早々に切り替えが出来ないミルドレッドに王都から幼い女児を連れた女性ローラが訪ねてくる。
『王都でスチュワート様のお世話になっていたんです』
『この子はあのひとの娘です』
自分と結婚する前に、夫には子供が居た……
王家主導の事業に絡んだ婚姻だったけれど、夫とは政略以上の関係を結べていたはずだった。
個人の幸せよりも家の繁栄が優先される貴族同士の婚姻で、ミルドレッドが選択した結末は……
*****
ヒロイン的には恋愛パートは亡くなった夫との回想が主で、新たな恋愛要素は少なめです。
⚠️ ヒロインの周囲に同性愛者がいます。
具体的なシーンはありませんが、人物設定しています。
自衛をお願いいたします。
8万字を越えてしまい、長編に変更致しました。
他サイトでも公開中です
どうぞご勝手になさってくださいまし
志波 連
恋愛
政略結婚とはいえ12歳の時から婚約関係にあるローレンティア王国皇太子アマデウスと、ルルーシア・メリディアン侯爵令嬢の仲はいたって上手くいっていた。
辛い教育にもよく耐え、あまり学園にも通学できないルルーシアだったが、幼馴染で親友の侯爵令嬢アリア・ロックスの励まされながら、なんとか最終学年を迎えた。
やっと皇太子妃教育にも目途が立ち、学園に通えるようになったある日、婚約者であるアマデウス皇太子とフロレンシア伯爵家の次女であるサマンサが恋仲であるという噂を耳にする。
アリアに付き添ってもらい、学園の裏庭に向かったルルーシアは二人が仲よくベンチに腰掛け、肩を寄せ合って一冊の本を仲よく見ている姿を目撃する。
風が運んできた「じゃあ今夜、いつものところで」という二人の会話にショックを受けたルルーシアは、早退して父親に訴えた。
しかし元々が政略結婚であるため、婚約の取り消しはできないという言葉に絶望する。
ルルーシアの邸を訪れた皇太子はサマンサを側妃として迎えると告げた。
ショックを受けたルルーシアだったが、家のために耐えることを決意し、皇太子妃となることを受け入れる。
ルルーシアだけを愛しているが、友人であるサマンサを助けたいアマデウスと、アマデウスに愛されていないと思い込んでいるルルーシアは盛大にすれ違っていく。
果たして不器用な二人に幸せな未来は訪れるのだろうか……
他サイトでも公開しています。
R15は保険です。
表紙は写真ACより転載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる