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26、愛する男

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「頭を上げろ、アデル。私が愚かだったんだ。魔族だとか人間だとかくだらないことに固執して、大事なことを見失っていた。そんなことは、どうでもいいことだったのに……」
「どうでもいいって……」
 
 ミアの発言に驚いたアデルが思わず顔を上げると、涙ぐんでいるミアと目が合った。
 
「人間でも魔族でも、良い者もいれば、悪い者もいる。お前の言う通りだった」
 
 悪巧みをする人間もいるが、城下町で出会ったごく普通に暮らす人々の温かさもミアは知った。そして、魔族でも人間側につき卑劣な真似をする者がいることもまた知った。
 
 アデルという人間、それからアデル以外の人間も知り、今まで人間を蔑んできたミアも認識を改めざるを得なかった。
 
「連中に捉われた時、それからメイドに化けていた魔族がお前に不意打ちを仕掛けた時。もう二度とお前に会えなくなったらと思うと、怖くてたまらなかった。
世界を敵に回しても、たとえお父様を敵に回しても、お前を守らなければいけないと思ったんだ」
 
 アデルを失うかもしれないといった危機に直面し、余程恐怖を感じたのだろう。瞳を潤ませているミアの声は、あからさまに震えていた。
 
「お前は誰よりも強く、優しく、この私を唯一従わせることの出来る男。そして、私がただ一人愛する男だ。
つまらないプライドが邪魔をしてこれまで認められなかったが、初めて会った日からずっと私はお前に恋をしていた」
「ミア……」
 
 感極まったようにアデルがミアを引き寄せると、どちらともなく唇が重なった。
 
 ほんの少し涙の味がして、触れるだけの優しいキスを何度も繰り返す。初めは唇を触れ合わせるだけだったキスが次第に深くなり、二人の舌が絡み合う。キスをしているうちにアデルの手が自然とミアの胸に伸び、寝間着の上からそれを優しく揉む。
 
 アデルはキスをしながら片手でミアの腰を抱き、片手でミアの胸を揉み、ゆっくりと寝間着のボタンを外していく。ボタンを外して胸の部分だけを露出させると、ミアの白い乳房を直に揉み、まだ柔らかさのある先端を軽くつまんだ。
 
「んっ……」
 
 鼻にかかったようなミアの甘ったるい喘ぎ声に興奮したアデルはミアの乳首をこねて硬くすると、硬く尖った乳首をはじく。
 
「あ……っ、んぅ……」
 
 切なく甘いミアの声を耳にしたアデルは、ハッとしたように彼女の乳房から手を離し、キスをしていた唇もほぼ同時に離した。
 
「ごめん、ミア。まだ身体辛かったよね」
「身体なら問題ない。むしろ気分が良いぐらいだ。お前が魔力を分けてくれたのだろう?」
 
 ミアはうっとりしたようにアデルを見つめ、自分からアデルにキスをする。いつになく積極的なミアの行動に、少しずつ硬度を増していたアデルのモノが一気にぐんと硬くなった。
 
 ほとんどミアがアデルに乗り上げるような体勢だったため、ミアの股間にアデルの硬くなった下半身が当たり、ミアはそれに気が付いて顔を赤くする。
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