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8話 ゲームのサポート役
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「続きは歩きながら話しましょう。次の電車に乗らないと遅刻です」
三木さんにそう言われ、二人で最寄り駅に向かう。自宅から最寄り駅までの道のりを歩いていると、現実の世界とは違うものばかり目につく。
やっぱりここは本当にゲームの中なんだよね。これからしばらくここで暮らすなら、道も覚えないと。
学校のことや私がいつも一緒にいるらしい友達の説明を受けながら、三木さんと道を歩く。
最寄り駅は、各駅停車の普通列車しか止まらない小さな駅だった。駅のホームには、私たちと同じ制服を着た男子生徒が二人いた。
あれ……? 男子の一人の心臓の辺りに、ハートみたいなものがついてる。枠だけはピンク色なのに、中身は透明で空っぽ。
「胸の辺りにあるハートみたいなもの、見えますか?」
小さな声で、三木さんに囁く。
「花井さんへの好感度ですよ」
「え、……ああ。なるほど」
一瞬驚いちゃったけど、そういえばここゲームの中だったんだと思い出して納得する。
「もう一人はハートありませんね」
「攻略対象しかハートはないんですよ。女性に興味がない人や彼女がいる人は攻略出来ません」
「けっこうリアルな設定なんですね」
停車した電車に乗り、空いている席に座る。電車の中はそこまで混んでいなくて、三木さんも私の隣に座った。
辺りを見渡すと、さっきの男の子以外にも同じ制服を着た男女が六人くらいいる。そのうちの半分の子はハートがついていたけど、みんな中身は空っぽ。
私の行動によって好感度が上がるのかな。
何人くらい攻略対象がいるんだろ。
なんとなく三木さんの胸の辺りをチラリと見ると、ハートはついてない。社員なんだから、当たり前か。
「三木さんは、ハートないんですね」
「攻略したいんですか?」
「え? そういうわけじゃなくて。ただちょっと気になっただけというか」
しどろもどろになっていたら、クスリと笑われてしまった。
「僕は攻略対象じゃなくて、サポート役ですよ。攻略のヒントをくれるキャラ、よくいるじゃないですか。僕はそれです。世話焼きな一つ年下の幼なじみって設定なんですよ」
淡々とした説明を受け、なるほどと私は頷く。
そういえば、一作目は主人公の弟がサポートしてくれたな。でも弟と違って幼なじみとは血が繋がってないし、三木さんみたいなイケメンの幼なじみがいたら、恋に落ちてもおかしくないような気もするけど……。
小さい頃からずっとお隣さんなら、弟みたいなものなのかな?
三木さんにそう言われ、二人で最寄り駅に向かう。自宅から最寄り駅までの道のりを歩いていると、現実の世界とは違うものばかり目につく。
やっぱりここは本当にゲームの中なんだよね。これからしばらくここで暮らすなら、道も覚えないと。
学校のことや私がいつも一緒にいるらしい友達の説明を受けながら、三木さんと道を歩く。
最寄り駅は、各駅停車の普通列車しか止まらない小さな駅だった。駅のホームには、私たちと同じ制服を着た男子生徒が二人いた。
あれ……? 男子の一人の心臓の辺りに、ハートみたいなものがついてる。枠だけはピンク色なのに、中身は透明で空っぽ。
「胸の辺りにあるハートみたいなもの、見えますか?」
小さな声で、三木さんに囁く。
「花井さんへの好感度ですよ」
「え、……ああ。なるほど」
一瞬驚いちゃったけど、そういえばここゲームの中だったんだと思い出して納得する。
「もう一人はハートありませんね」
「攻略対象しかハートはないんですよ。女性に興味がない人や彼女がいる人は攻略出来ません」
「けっこうリアルな設定なんですね」
停車した電車に乗り、空いている席に座る。電車の中はそこまで混んでいなくて、三木さんも私の隣に座った。
辺りを見渡すと、さっきの男の子以外にも同じ制服を着た男女が六人くらいいる。そのうちの半分の子はハートがついていたけど、みんな中身は空っぽ。
私の行動によって好感度が上がるのかな。
何人くらい攻略対象がいるんだろ。
なんとなく三木さんの胸の辺りをチラリと見ると、ハートはついてない。社員なんだから、当たり前か。
「三木さんは、ハートないんですね」
「攻略したいんですか?」
「え? そういうわけじゃなくて。ただちょっと気になっただけというか」
しどろもどろになっていたら、クスリと笑われてしまった。
「僕は攻略対象じゃなくて、サポート役ですよ。攻略のヒントをくれるキャラ、よくいるじゃないですか。僕はそれです。世話焼きな一つ年下の幼なじみって設定なんですよ」
淡々とした説明を受け、なるほどと私は頷く。
そういえば、一作目は主人公の弟がサポートしてくれたな。でも弟と違って幼なじみとは血が繋がってないし、三木さんみたいなイケメンの幼なじみがいたら、恋に落ちてもおかしくないような気もするけど……。
小さい頃からずっとお隣さんなら、弟みたいなものなのかな?
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