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オバタリアン三人衆
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「城之内さん、ちょっと来てくれる?」
性格が悪いおばさん特有の、ドスの効いたブス声が私を呼ぶ。
振り返ると、オバタリアン三人衆がいた。
いや、実際は卑眼蚊も含めてオバタリアン四人衆というのがデフォルトなんだけど。
自称みけぽちゃガールの100キロ越えのデブ、町田 理沙。
37歳既婚でオランウータンのような色の髪の毛をひっつめてお団子にしていて、肉まんのような白くぷっくりとした顔。
特技は【お菓子外し】という、気に入らない人間には、取引先からいただいたお菓子を配らないというものである。
「あたしサバサバ系だからさ~」が口癖のネチネチ系、細川 玲子。
42歳独身で、この会社の社長令息(王子様系イケメン)に恋する黒髪ソバージュボブのホラーマン。
特技は【事実改変】という、事実とは異なる噂を面白おかしく流すことである。
そしてボスである阿玉 ミチ子。
ミチ子は61歳既婚で、60歳で一度定年退職した後に再雇用で契約社員として我が社に居座っているレジェンドオブお局。
実は浅井太郎の3歳上で彼の教育係だったこともあり、仲が良い。
特技は【粗探し】で、他人の仕事にケチを付けるのがとても上手いのである。
男性社員からは「塗り壁」女性社員からは「ダマミ」と呼ばれている。
まるでペンキで塗ったかのような白いファンデーションに、黒髪の短髪をオールバックにした、見ようによっては【仕事ができるおばさん】である。
実際、卑眼蚊とダマミは仕事ができる人で、なおかつ我が強く人格に問題があるがそれなりに筋の通っていることを言うので、発言力がある―というよりかは、なかなか論破できない人間だった。
そして、彼女らの気に障ることを言うと、倍になって返ってきたり仕事を教えてもらえなかったりといった【仕返し】をされることとなり、それが非常に面倒臭いので、女性社員は卑眼蚊とダマミに対しては【触らぬ神に祟りなし】といった具合である。
肉まんとホラーマンはそんな彼女らの力を傘に横暴をする腰巾着という設定だ。
なぜゲーム内で主人公に対する卑眼蚊の嫌がらせがことごとく成功したか?
それは、彼女に与する存在がいたからに他ならない。
卑眼蚊はレジェンドオブお局のダマミに媚びて味方に付けつつ、肉まんとホラーマンを式神のごとく使役していたのだった。
しかしそれは過去の―――いや、ゲームの中での話である。
今や城之内姫華は、オバタリアンに反旗を翻し若い女性の味方となっているのだった。
特に、私の周りには若手の上位カーストの女子が多い。
そんな裏切者を、この陰険オバタリアン共が野放しにするはずがない。
こうして私はオバタリアンに給湯室に連れていかれたのだった。
性格が悪いおばさん特有の、ドスの効いたブス声が私を呼ぶ。
振り返ると、オバタリアン三人衆がいた。
いや、実際は卑眼蚊も含めてオバタリアン四人衆というのがデフォルトなんだけど。
自称みけぽちゃガールの100キロ越えのデブ、町田 理沙。
37歳既婚でオランウータンのような色の髪の毛をひっつめてお団子にしていて、肉まんのような白くぷっくりとした顔。
特技は【お菓子外し】という、気に入らない人間には、取引先からいただいたお菓子を配らないというものである。
「あたしサバサバ系だからさ~」が口癖のネチネチ系、細川 玲子。
42歳独身で、この会社の社長令息(王子様系イケメン)に恋する黒髪ソバージュボブのホラーマン。
特技は【事実改変】という、事実とは異なる噂を面白おかしく流すことである。
そしてボスである阿玉 ミチ子。
ミチ子は61歳既婚で、60歳で一度定年退職した後に再雇用で契約社員として我が社に居座っているレジェンドオブお局。
実は浅井太郎の3歳上で彼の教育係だったこともあり、仲が良い。
特技は【粗探し】で、他人の仕事にケチを付けるのがとても上手いのである。
男性社員からは「塗り壁」女性社員からは「ダマミ」と呼ばれている。
まるでペンキで塗ったかのような白いファンデーションに、黒髪の短髪をオールバックにした、見ようによっては【仕事ができるおばさん】である。
実際、卑眼蚊とダマミは仕事ができる人で、なおかつ我が強く人格に問題があるがそれなりに筋の通っていることを言うので、発言力がある―というよりかは、なかなか論破できない人間だった。
そして、彼女らの気に障ることを言うと、倍になって返ってきたり仕事を教えてもらえなかったりといった【仕返し】をされることとなり、それが非常に面倒臭いので、女性社員は卑眼蚊とダマミに対しては【触らぬ神に祟りなし】といった具合である。
肉まんとホラーマンはそんな彼女らの力を傘に横暴をする腰巾着という設定だ。
なぜゲーム内で主人公に対する卑眼蚊の嫌がらせがことごとく成功したか?
それは、彼女に与する存在がいたからに他ならない。
卑眼蚊はレジェンドオブお局のダマミに媚びて味方に付けつつ、肉まんとホラーマンを式神のごとく使役していたのだった。
しかしそれは過去の―――いや、ゲームの中での話である。
今や城之内姫華は、オバタリアンに反旗を翻し若い女性の味方となっているのだった。
特に、私の周りには若手の上位カーストの女子が多い。
そんな裏切者を、この陰険オバタリアン共が野放しにするはずがない。
こうして私はオバタリアンに給湯室に連れていかれたのだった。
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