The Providence ー遭遇ー

hisaragi

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Chapter 2

move on

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 物部総理大臣の緊急記者会見は、SNSや駅の構内放送、街中の大型モニターなどで繰り返し放送され、国民の殆どが短時間のうちに知る事となった。住宅街などはTVやラジオを点けるように、何度も防災放送が響いていた。

 そして、政府からは、自衛隊、警察、消防、公務員、公共交通機関で勤務する者達を除く全ての国民は帰宅するように指示が出された。その為平日の17時前にも拘わらず、サラリーマンや学生が大勢、鉄道やバスなどに集中し、あちこちで交通渋滞を作り、帰宅困難者が出る恐れがあった。

 日本が混乱に向かい始めたのだ‥‥‥。

 そして、セーフハウスを出た4人は走っていた。普段は静かな住宅街も、帰宅する者達の姿と警察官やパトカーが普段より目に付いた。

 それでも、出来るだけ人目に付かないようなルートを、蒼と莉子が先導して縄文小学校を目指していた。

「みんなは同じ人を見掛けたら教えて、付けられているかも!それにドローンも注意して!」
 ぬるりとした汗が目に入る。

 こんな時でも太陽は容赦しない。もうすぐ17時になろうとしているのに、気温は30℃近くもある。5分も走れば喉が張り付き、口の中は粘ついて来る。

(ん!?あの人は‥‥‥。ユヅキさんが家に来た時に見た人?だったかな‥‥‥あの時は2人だったけど、今は独りだ。あのサングラスと立ち居振る舞いに見覚えがあるような気がする‥‥‥)

 ちょうど十字路を越えるときに左側に見えた。その人物は60mくらいの距離をこちらに向かって歩いていた。

「ねぇ!ユヅキさん!ちょっと待って。あそこに居る奴見覚えがある気がする。夕食を一緒に食べた日に付けられた人の片割れに似ているんだ」
 4人は住居の塀に隠れて一旦走るのを止めた。息が上がっている。肩で息をするたびに顔から汗が滴り落ちていた。

「多分、向こうは気付いたはず。こっちは気付かない不利してこのまま行こう。ただ、少し遠回りして撒かないといけないわ」

「それか二手に分かれる?その方が撒きやすいかもしれないよ!」

「そうね‥‥‥。蒼と莉子ちゃんは先に行って。私と沢原さんは少し遅れてチラ見せしながら行くわ?」

「え!?チ、チラ見せって‥‥‥ま、まさか、パン‥‥‥グホッ!」
 花宗の強烈な手刀が蒼の喉を襲った。直後に喉の奥に血の味を感じた。もう少し強ければ一生ウィスパーボイスで生活しなくてはならなかった。
「エロボッチ―!そんな訳無いじゃん!姿を見せて囮になるってことだよ!!この状態でパンツ見せてどうすんじゃ!ボケッ!!」
 沢原さんはドン引きして無表情で蒼を見ていた。そして、花宗と莉子のコンビネーションは敵よりも怖いかもしれないと、蒼は恐れ戦いていた。
「蒼は馬鹿な事言ってないで先に行って!!狙いは蒼なんだから!他にもいるかも知れないから気を付けて!」

「ゔ、ゔん分がっだ。ゴ、ゴメン‥‥‥」

 蒼は喉から声を絞り出すと、莉子と一緒に遠回りしながら、細い道を選んで縄文小に向かって走った。

――――

「じゃあ良い?沢原さん。私達も行くわよ。大丈夫、沢原さんは私が守るから!」

「う、うん!!」

 花宗達は蒼とは反対方向へ、わざと大き目の道を選んで走った。速度を落としたり早めたり緩急をつけて敵を誘った。
 後ろをチラリと見た。例の男は確かに付いて来ていた。
「沢原さんも周囲を注意して見てね。他にもまだいる可能性があるし、どんな格好をしているか分からないからね」

「わ、分かったわ!」

 学校に必ず一人は居る、凄く地味な子。いつも本を読んでいる様な沢原が、こんな危険な道を走っていた。そして、走りながら時折小さく呻く。

「チッ!!」

 花宗はその訳を知っていて小さく舌打ちをした。そして考えていた。
(あの、コンテナに用意してあった下着は、私よりも少し大き目のも入っていた筈‥‥‥)

 でも、今はそんなことに気を取られている場合ではない。
(何とかRVランデブーポイントまで行かなくては!)
 花宗は上空や後方を確認しながら移動していた。上下する銃のホルスターが腰に当たる。
(多分、痣になるわね‥‥‥)そんな事を考えながら走っていた。


「沢原さん後ろに居る?」
「ごめんなさい、ちょっと‥‥‥ふー‥‥‥分からないけど‥‥‥はー‥‥‥見えない‥‥‥みたい」
 普段運動しない沢原は照り付ける太陽の下で動き回るのは体に堪えた。防弾ベストの下のTシャツは汗でビショビショだった。ベストが無ければ下着がうっすらと透けているだろう。

「了解。大丈夫?」

「う、うん‥‥‥大丈‥‥‥夫」

「もう少し頑張って。学校に着いたら少し休もう」

「は‥‥‥い‥‥‥」

 花宗はスマホの時計を見た。17時00分。
(予定時間まであと15分か‥‥‥)

「今からは撒きにかかる。細い道や人家の庭を突っ切って行くわよ」

「ひーーー!は‥‥‥い。わかり‥‥‥ました」

 沢原はそろそろ限界だ。持続走だったらかなり良いタイムが出ている筈だ。

――――

「ボッチ―!どうする?このまま正門から入るか、裏に回って校舎の陰に隠れていた方が良いかな?」

「そうだね。周囲を警戒しながら、ちょっと一周回って、様子を見ようか」
 蒼も莉子も汗だくで、足が浮腫んで熱を持っていた。

 学校は一見誰も居ないように見えた。校庭を見ると太陽の光を反射しているかのように、乾いて白っぽい。

 蒼はTシャツの袖を伸ばして、頬の汗を拭った。

「誰も居ない‥‥‥かな?」
 いつもなら合唱する子供たちの歌声や、校庭で体育をする元気な生徒達の姿が見えるのだろうが、今はシンとして校舎の中に人の気配は感じられなかった。

「莉子、ここからフェンスを越えよう。誰かが残っているかもしれないから、出来るだけ静かに」

「わ、分かった」

 フェンスの上に手を掛けて、一気に身体を持ち上げて足を反対側にくるりと向けた。
 ドスっ!
「イテ!!何すんだよ!!」
 莉子の足が、蒼の顔面に直撃した。
「だって、そんなところに突っ立っているからじゃん!」
「少しは注意しろよ!」

 フェンスを越えると、腰を低くして校舎と給食室との間に身体を滑り込ませた。

「ここなら、周囲から見えづらい。暫くここに居よう」
 2人ともペットボトルを取り出し一口飲んだ。
「大丈夫かな?もし、発見されていたら袋のボッチ―になっちゃうよ」

「うっせ!!でも、どこに行っても状況は同じじゃね?僕達は素人だから、こういう場合にどう動けば分からないし‥‥‥」

「確かにそうだけど‥‥‥。でも、回収班がどういう手段で来るか、どんな人かも分からないよね」

「そうだ、もっと詳しく聞いておけばよかったな」

 スマホの時計は17時05分。コンクリートの校舎に張り付く蝉が五月蠅く鳴いている。

蒼兄あおいにい、スマホを通話状態にしといて。今から、様子を見て来る。誰か見つけたらすぐに連絡するから」

「ちょ、ちょっと、駄目だ!ユヅキさんが来るまで隠れていないと‥‥‥!」

「この状況で小学校に来る大人だったら敵か味方のどちかでしょう?」

「確かにそうだけど‥‥‥」

「大丈夫だよ!これが有るしね」
 そう言って莉子はホルスターをポンポンと叩くと、屈みながら小走りに離れて行った。

(大丈夫か?銃が有るからって、アクション俳優気取りなんじゃ‥‥‥)

 蒼は建物に這っている太い雨どいに身を隠して周囲を見ていた。フェンスの向こうに時折、自転車や歩いている主婦や会社員、子供たちの姿が見えた。しかし、花宗や沢原の姿は見えない。

(みんな無事で居てくれ!!お願いだから‥‥‥僕の代わりに傷付くのだけは勘弁してくれ!)
 今は祈るしか出来ない。蒼はそんな自分がもどかしかった。

 隠れている場所からは見える範囲が限定されているが、今のところ怪しい人は見えなかった。

 通話状態のスマホから、かすかに何かが聞こえた。

「も、もしもし!!莉子!!」

「しーっ、声デカいよ」

「ご、ごめん‥‥‥、どうした?」

「今、変な動き?というか、他の人とは違う不自然な動きをする人が2人いたの。学校の西側のフェンス沿いをそっちに向かっている。多分私の事は見つかっていないから。そこから南に移動して」

「わ、わかった!」
(という事は、最初に見た奴と合わせて3人か‥‥‥)
 莉子の指示でゆっくりと校舎の壁に沿って移動する。他にも敵が居る可能性はあるが、今は莉子の言うように移動するしかなかった。

 タパン!タパン!!

(じゅ、銃声!!どっちだ!?空砲か実弾か!?)


蒼兄あおいにい!銃声だった!?」

「り、莉子じゃないのか!?」

「うん、私じゃない!!」

「今どこに居る?合流しよう!!」

「わかった。校庭の南側にある百葉箱の近く」

「わかった!そっちに行く」

(ユヅキさんが戦っている!でも、先ずは莉子と合流しないと)

 蒼はベストの裾を引っ張って隙間に空気を入れた。太陽は西の方に傾きかけているが、暑くて湿った空気が体中に纏わりつき、汗を吸ったTシャツも気持ち悪かった。

 蒼は莉子の方には敵が居ないと考え、隠れもせずにフェンス沿いを走った。

タパン!!タパン!

 銃声が聞こえた。花宗が誰かと戦っているのだ、振り切れなかったのか新しい敵なのかは、蒼も莉子もまだ分からない。

「ボッチー!」

「莉子、大丈夫か!?」

「うん、私は大丈夫だけど、ユヅキさんが‥‥‥!」

 蒼は銃声から花宗の位置を割り出そうとした。何かに遮られて反射した銃声に聞こえた。多分、校舎の裏側でさっきまで蒼がいた辺りだ。

「莉子、多分さっきまで僕がいた辺りだ」

「分かった、私行って来る!銃で脅すだけでも効果があるかも!!どーーうりゃーーー!!」

 莉子はホルスターから銃を抜くと、両手で持って銃口を下に向けた。そして奇声を発しながら走って行った。
「待て!!駄目だ!状況が分からない!!(なんだあいつ‥‥‥!)」

 止める蒼の言葉を聞かず、莉子は校庭を突っ切って行った。砂埃が莉子の後を付いて行く。

タパン!!タパン!!タパン!!タパン!!

 撃ち合いをしている。銃声の発生源が少し離れていた。

(どうすれば良いんだ‥‥‥。ユヅキ、莉子、沢原さん無事でいてくれ!)

 校舎の端から沢原さんが走って来るのが見えた。その少し後ろに花宗が振り返って発砲しながらこちらに来る。

 莉子は沢原の手を引きながら、引き返して来るのが見えた。

 校庭はまだ乾いて白っぽく見える。蒼は周囲に目を動かしてみたが、他には誰も見えない。もう予定の時間の筈だったが、回収班らしき者達の影は見えなかった。空を仰ぐと積乱雲が巨大な塔の様に見えた。

タパン!タパン!タパン!!タパン!!

 花宗の銃撃で近づいていた男がその場に力なく倒れ動かなくなった。
(ユヅキさんの弾が当たったのか!?)

 沢原はこちらに向かっていたが、足元が覚束ない。体力が限界なのだ。この暑さと緊張、そして30分以上動き続けている。普通の女子なら当たり前だ、花宗や莉子が異常なのだ。

 蒼はじっとしていられなくて、足を踏み出した。そして、莉子と沢原がいる方へ向かった。

タパン!タパン!タパン!!タパン!!
 花宗は発砲と前進を繰り返してこちらに向かって来た。

(あと2人か!?)

タパン!!タパン!!タパン!

 沢原が勢いよく前に倒れた。莉子も手を引っ張られて足を滑らせた。

(撃たれた!!)

「莉子!沢原さん!!」

 花宗は倒れた沢原の近くまで来ると、2人を庇うように、片膝をついて銃を構えた。

タパン!!タパン!!キン!キン!
 花宗はウェストバッグから円筒印章を取り出すと、腕を左から勢いよく振った。

 すると、手からオレンジ色の光が弧を描き、敵の弾をはじき返した!

 そして間髪入れず発砲をする。

タパン!タパン!

「ゴボッ!」
 男の一人の顔の半分が吹き飛びその場に倒れた。男の最後の呻く声が蒼の所まで届いた。

 タパン!タパン!タパン!キン!キン!‥‥‥キン!!

 花宗は3人に弾が当たらないように、オレンジ色の光で弾を跳ね返しながら、発砲を繰り返した。

 蒼が莉子と沢原の所に来ると、沢原を抱き起した。撃たれていない。息をしていた。体が限界で倒れただけだった。

「蒼!皆を連れて後退して!!」

タタン!!タパン!タパン!!

 敵が撃った弾が、頭の上を通ると鉄板を金づちで殴る様な金属音と風切り音が聞こえ、足元にも何発か着弾して土埃を上げていた。

「う、うん!分かった!!」
 2人の手を取り引っ張り上げて、元居た方へ駆け出した。
「沢原さん頑張って!!もう少し!」
 
 しかし、沢原は熱中症と疲れで半分気を失いかけていた。再び沢原 の足が縺れて前につんのめった。

タン!!

「リロード!!!蒼!早く行って!!」

 花宗の拳銃はスライドが後退したまま停止していた。弾倉の弾を撃ち尽くしたのだ。急いで弾倉交換をするが、校庭には遮蔽物は無い。最後の一人がどんどん近づいて来た。

「ユヅキ!!危ない!!」
 蒼は叫んだ。花宗は弾倉を取り出したが、汗で手が滑る。弾倉は地面に落下した。

「ユヅキさん!!逃げて!!」

 男と花宗の距離は30mも無い。この距離なら体のどこかに当たるかもしれない。

(ヤバイ!弾倉が‥‥‥)

 その時、空の上から熱と湿気を大量に含んだ重たい空気が3人に圧し掛かかった。

「な、なんだ!!」

 校庭の砂は巻き上げられ、砂粒や小さい石が高速で飛び散り3人を襲った。

 男も腕で顔を隠して、防風から逃れようとしていた。

 そして、西日に照らされた巨大な物体が轟音と共に現れた。

 風を切るローターの音と、ガスタービンエンジン特有のコンプレッサーの音が周囲を包み込んだ。

 いくら声を上げても誰にも届かないほどの轟音だった。

 そして、砂埃の向こうに居る男の胸から赤い飛沫が上がると、頭部が吹き飛ばされ、後方へ脳漿と血液をぶちまけた。

 「じ、自衛隊!!ヘリコプター!!!」

 ヘリは校庭に着陸するとドアが開いた。そして迷彩服の男が手を差し伸べた。
 蒼と莉子、沢原と花宗は互いに顔を合わせた。
 何が起こっているのか理解できないでいたのだ。

 「早く乗れ!!急げ!!」

 エンジン音とローターの音で、迷彩服の男が何て言っているのかは分からなかったが、差し伸べる手に従い機体に近付いた。

 そして、差し出された手に引っ張り上げられると、4人は迷彩色のヘリコプターに乗り込んだ。

 キャビンには迷彩服を着た5人の自衛官が乗っていた――。
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