19 / 44
連載
厄日ですか?モテ期ですか?
しおりを挟む
「隣、いいかな?」
へ?隣?隣ってどこ?
あ、ここか?
私が腰を下ろした岩はずれればギリ二人並んで座れる大きさだ。
だけど。
近いよね?
近すぎない?
私はずれないことにした。
「ダメです」
「どうして?」
「狭いですし、隣にお座りになる必要があります?」
手をおいて、空いたスペースも塞いでおく。
「ところでこちらにはどうして?」
他にも訊きたいことはいくつもあるんだけど、とりあえずそこから。
「エリカ嬢が砦から出て行ったから追って」
んんんんんー。
(ストーカー?)
っていうか、何故私が出てきたのを知ってるわけ?
生徒は部屋に待機でしょ?
してない私が言うのもなんだけど。
「見張ってでもいらっしゃったの?」
どこから?
どうやって?って感じだよね?
ちょっと、怖いよね。
イケメンでもストーカーは犯罪デスヨ。
「ごめん、そう」
あっさり白状してるし!
「どどどどうやって?」
引くよ!
引きますよ!
お巡りさん!この人ストーカーでーす!
ここにストーカーがいますよ!
あ、この世界警察はないんでした。
王都だと騎士団や警備隊が、町や村だと自警団がその役割を担っている。
ここだと砦の兵士だよね。
入口にいた兵士たち、何してたのよ!
あっさり通したりしちゃダメじゃん!
一応生徒は部屋に待機、だったでしょ?
「……よく出られましたわね?」
「うん。入口の兵士にはエリカ嬢と待ち合わせだって言っておいたから。だったらってすぐ通してくれたよ」
おい!
それってウソだよね!?
待ち合わせなんてしてませんけど!
深夜に森の中で二人で逢い引きとか、噂になったら洒落になんないんですけど!
(いったいどういうつもりだこの人は!)
恋人云々とかいう噂はもう充分ですよ!!
でなくてもお母様はその気になりまくってるんだから。
マジに婚約とかなったらどうすんの?
(……したい、とか?)
え?
私と?
なんで?
や、ナイナイ。
ないよね?
「こんなことをなさってたら、そちらも困りますわよ?」
いかん。
モジモジしてしまう。
「どうして?」
「どうしてって、その……親が責任とれとか言い出したらどうなさいますの?」
「とるよ?……というかそれを狙ってる部分もあるし」
「……ふあばっっ!!!!!」
のわっっ!!
なんですと!!!
「な、なんでっ!」
思わず立ち上がってしまった。
すると足を地面からはみ出た木の根に捕られた。
「ひゃっ……たっ!」
ヤバイコケる!
しかも後ろ向きに!
え?これって座ってた岩にお尻絶対ぶつけるよね!
ぎゅっ、と目をつぶって衝撃と痛みに備えたけど。
いつまで待っても衝撃も痛みもなかった。
というか。
腰の辺りになにやら腕らしき感触が……。
「危ないよ、大丈夫?」
にょほほほほっ……!
「す、すみません大丈夫ですっ!」
ーーなので放して下さいっっ!
びっくりした。
マジにホントに超びっくりした!
つーか、早くその手を放してってば!
私が悪かった。
急に立ち上がってこけた私が悪かったし、支えてもらって助かったけど!
もう大丈夫ですから離れて~!
ぜぇぜぇ。
私はやたらと息を荒げながら、岩に座り直す。
あー、心臓に悪い。
今日は厄日だわ。
もう色々ありすぎでしょ。
「それはつまりもしかしてもしかするとですね」
「うん?」
「あー、カイル様は私と、えとこ、こん、婚約したい、とか、言います?」
「そうだね」
にっこり微笑まれても。
(困るわ!)
「何故?」
「それは俺がエリカ嬢のことが好きだからじゃない?」
ない?って。
ない?って~!
ちょっと待って!
やーめーてーっ!
私、こういうの免疫ないんですっ。
マージーでー!
へ?隣?隣ってどこ?
あ、ここか?
私が腰を下ろした岩はずれればギリ二人並んで座れる大きさだ。
だけど。
近いよね?
近すぎない?
私はずれないことにした。
「ダメです」
「どうして?」
「狭いですし、隣にお座りになる必要があります?」
手をおいて、空いたスペースも塞いでおく。
「ところでこちらにはどうして?」
他にも訊きたいことはいくつもあるんだけど、とりあえずそこから。
「エリカ嬢が砦から出て行ったから追って」
んんんんんー。
(ストーカー?)
っていうか、何故私が出てきたのを知ってるわけ?
生徒は部屋に待機でしょ?
してない私が言うのもなんだけど。
「見張ってでもいらっしゃったの?」
どこから?
どうやって?って感じだよね?
ちょっと、怖いよね。
イケメンでもストーカーは犯罪デスヨ。
「ごめん、そう」
あっさり白状してるし!
「どどどどうやって?」
引くよ!
引きますよ!
お巡りさん!この人ストーカーでーす!
ここにストーカーがいますよ!
あ、この世界警察はないんでした。
王都だと騎士団や警備隊が、町や村だと自警団がその役割を担っている。
ここだと砦の兵士だよね。
入口にいた兵士たち、何してたのよ!
あっさり通したりしちゃダメじゃん!
一応生徒は部屋に待機、だったでしょ?
「……よく出られましたわね?」
「うん。入口の兵士にはエリカ嬢と待ち合わせだって言っておいたから。だったらってすぐ通してくれたよ」
おい!
それってウソだよね!?
待ち合わせなんてしてませんけど!
深夜に森の中で二人で逢い引きとか、噂になったら洒落になんないんですけど!
(いったいどういうつもりだこの人は!)
恋人云々とかいう噂はもう充分ですよ!!
でなくてもお母様はその気になりまくってるんだから。
マジに婚約とかなったらどうすんの?
(……したい、とか?)
え?
私と?
なんで?
や、ナイナイ。
ないよね?
「こんなことをなさってたら、そちらも困りますわよ?」
いかん。
モジモジしてしまう。
「どうして?」
「どうしてって、その……親が責任とれとか言い出したらどうなさいますの?」
「とるよ?……というかそれを狙ってる部分もあるし」
「……ふあばっっ!!!!!」
のわっっ!!
なんですと!!!
「な、なんでっ!」
思わず立ち上がってしまった。
すると足を地面からはみ出た木の根に捕られた。
「ひゃっ……たっ!」
ヤバイコケる!
しかも後ろ向きに!
え?これって座ってた岩にお尻絶対ぶつけるよね!
ぎゅっ、と目をつぶって衝撃と痛みに備えたけど。
いつまで待っても衝撃も痛みもなかった。
というか。
腰の辺りになにやら腕らしき感触が……。
「危ないよ、大丈夫?」
にょほほほほっ……!
「す、すみません大丈夫ですっ!」
ーーなので放して下さいっっ!
びっくりした。
マジにホントに超びっくりした!
つーか、早くその手を放してってば!
私が悪かった。
急に立ち上がってこけた私が悪かったし、支えてもらって助かったけど!
もう大丈夫ですから離れて~!
ぜぇぜぇ。
私はやたらと息を荒げながら、岩に座り直す。
あー、心臓に悪い。
今日は厄日だわ。
もう色々ありすぎでしょ。
「それはつまりもしかしてもしかするとですね」
「うん?」
「あー、カイル様は私と、えとこ、こん、婚約したい、とか、言います?」
「そうだね」
にっこり微笑まれても。
(困るわ!)
「何故?」
「それは俺がエリカ嬢のことが好きだからじゃない?」
ない?って。
ない?って~!
ちょっと待って!
やーめーてーっ!
私、こういうの免疫ないんですっ。
マージーでー!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7,112
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。