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柳生恋火ーザンこちゃんー
しおりを挟むー柳生恋火ー
ザンこちゃんという魔法少女がいた。名前の由来は剣道の血筋の彼女らしいと言えばらしいもので、剣道→剣→切る→斬る→斬る音→ザン→ザンこちゃんとなった。
名前はふざけて見えるが魔法少女としての活動期間は半年を越えるくらいではあるものの圧倒的な剣のセンスからゴルモアとの戦闘後も余力があるせいか、活動範囲を広げている。そのせいか、度々他の魔法少女の活動範囲に入ってしまうこともある。
剣術のセンスはピカイチだが、その人となりは無茶、無謀、無計画という酷さが何でもないような事を荒げてしまい魔法少女たちの間で、トラブルメーカー・ザンこちゃんと呼ばれているのだった。
ザンこちゃんは一度に複数のゴルモアを相手にすることが有り、そのセンスのみで傷付きながらも勝ちを修めていく。
ある日、ゴルモアの様子がどこかおかしなことにザンこちゃんは気付いた。まるで勝ちに来ているのではないような、どこかで逃げを切り出そうとしている。そんな余韻を戦闘のなかで感じ取った為に、珍しくザンこちゃんは相手に合わせて止めを刺さない戦いを始めた。
今回のゴルモアは人の形を真似たような異形型だった。怪物らしく所々の爛れた皮膚と顔を見せつつも黒いモヤで騎士のような鎧を見立てているように見えた。
「私の剣とあなたの槍とどちらが上か、いざ勝負!」
ザンこちゃんから攻撃を繰り出した。
慎重に相手の出方を伺うように初手は横に剣筋を閃かせる。ゴルモアはそれを避けようとせずに黒いモヤを槍に集めて素早く一突きをしようとしてきた。
「そうきますっ!か!」
振りかけていた剣を修正して無作為に突きつけられた槍を刃でずらした。
そのままゴルモアに槍の勢いをもらった回転力を生かした剣術を打ち込んだ。
「せいや!」
「ヴゥゥゥッッッ!」
その一撃は僅かにゴルモアのコアを捉えきれなかったようだが、致命傷になり得たようだ。
「ゴッ!ゴゴッッッ!ァ、アア闇夜の絶望の力!!」
「なんと!まだ力を残してましたか」
ゴルモアの体はみるみる内に再生を始めた。
「というよりも、見たことない技ですね。やはり何処かこの個体はおかしい・・・」
ザンこちゃんは敵の気配にヤバそうな雰囲気を感じ取った。様子を見るつもりだったが、蹴りを着けることにした。
「うおおおおおお!我が剣に斬れぬものなし二重詠唱!悪即斬!」
一人と一体の本気がぶつかり合う。
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