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アンソニーのターン?
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図書館へと向かう道をクラリスと並んで歩きながら、アンソニーは数日前の出来事を思い返していた。
「ウィル様、アンソニー様、中庭で女子生徒達がもめているようです!」
生徒会室にいたウィルとアンソニーのもとに、一人の男子生徒が慌てて飛び込んできた。
チラッとウィルを見ると、ニコニコ笑いながらアンソニーに「ちょっと見てきてくれ」と、当たり前のように言う。
「かしこまりました。君、その場所まで案内をお願いします」
「は、はい!こちらです!」
男子生徒に連れられ、現場へと急ぐ。
と、廊下の先に、一人の少女の姿が見えた。
「あれは……クラリス嬢……?」
何か困っている様子のクラリスの視線を辿ると、中庭で一人の令嬢を数人の令嬢達が取り囲んでいる様子が見える。
(イジメの現場に遭遇したが、どうしたらいいのかわからず、オロオロしているのか)
無理もない。平民である彼女が下位クラスの貴族令嬢達を諫めた所で聞く耳を持たないだろう。それどころか、イジメのターゲットが自分にすり替わってしまうことも十分に考えられる。
アンソニーが足を早めた、その時だった。
「アリス様ー!アリス様!こちらです!皆さんが揉めているのは!」
クラリスがアンソニー達がいるのとは逆の方向を向いて、大声でアリスの名前を呼んだ。その声は令嬢達の耳にも届き、アリスの名前を耳にした令嬢達は明らかに動揺すると、慌てて散って行った。
それを見てホッとしたクラリスは、一人になった令嬢に声をかける。
「ヤイミー様、大丈夫ですか?」
「っ、な、何よ!どうせいい気味だとでも思っているんでしょう!」
「そんなこと思っていません。お怪我がないか気になっただけです」
「何よ、いい子ぶって!」
「いい子ぶっているつもりはありません。ただ、以前私が皆さんに裏庭に呼び出されて困っていた時にアリス様に助けていただいて嬉しかったから。私もアリス様のようになりたかっただけです。まあ、結局、私自身の力ではなく、アリス様のお力をお借りしてしまいましたが」
淡々と語るクラリスにヤイミーが驚愕に目を開く。
そこに、慌てた様子のアリスが駆けつけてきた。
「クラリスさん!こちらにいらしたんですのね!」
「アリス様!すみません、行き違いになってしまったようです」
クラリスの顔を見てホッとしたように一息ついたアリスは、中庭にいるヤイミーに気がついて、冷めた目を向けた。
「……ヤイミー様はどうしてこちらに?」
話がややこしくなりそうなのを見てとったアンソニーが前に出た。
「それは私から説明しましょう。君、すまないが、彼女をこちらに連れて来てくれませんか」
「は、はい!」
アンソニー達を迎えに来た男子生徒が、廊下から中庭に降りる。ヤイミーは諦めた様子で、おとなしく男子生徒に従った。
「さて、皆さんには生徒会室までご足労願います」
「生徒会室ですの?どうして私達まで?」
生徒会室と聞いてアリスの眉がピクリと上がる。
「この件の関係者だからですよ。詳しい話をお聞かせ願いたいので、ゆっくり話せる場所に移動した方がいいでしょう」
丁寧だが、有無を言わせないアンソニーの言葉にアリスは渋々頷いた。
「それで、事の始まりはヤイミー嬢達がクラリス嬢をいじめたことなのかな」
いつもの王子様スマイルを消した、厳しい顔で問いただすウィルに、ヤイミーは青い顔をして震えており、返事をすることができない。
クラリスは隣に座るアリスをそっと伺う。
アリスは厳しい顔でヤイミーを見つめながら言った。
「高等部の始業式があった日の放課後、裏庭で、クラリスさんをたくさんの令嬢達が囲んで暴力をふるっていました」
「暴力?クラリス嬢に?」
アリスとクラリスの後ろに立っていたアンソニーが声を上げる。ウィルが厳しい声で問い詰める。
「それは本当か?ヤイミー嬢」
「ぼ、暴力などは……!少し、話をしていただけですわ……!」
「私が見かけた時には、クラリスさんはヤイミー様に肩を強く押されて、転んでしまっていましたわ。その時に服がひどく汚れてしまったので、公爵家にお連れして汚れを落とさせたんです」
「クラリス嬢、そうなのかな?」
「は、はい、あの日、アリス様が私を助けてくださいました」
クラリスはアリスを眩しそうに見上げた。
「ですが、その件は生徒会に報告が上がっていませんね。」
記録を確認しながら、アンソニーが呟いた。
(あっ、いっけない、報告するのをすっかり忘れてた~!)
アリスは最推しとお近づきになれた喜びで、イジメの件を生徒会に報告するのをすっかり忘れていた。
(仕方ない、適当にごまかそう)
「私の判断ですわ。ヤイミー様達に更生する機会を与えようと思ったのです。ですから、報告しなかったことのお咎めは私一人にお願いいたします」
「忘れちゃった♪てへぺろ」と言えたら楽だが、そういうわけにもいかず、アリスはもっともらしい理由をでっち上げる。
「アリス様……かっこいい……」
そんなこととは夢にも思わないクラリスは、アリスの凛とした横顔をうっとりと見つめた。
「なるほど。将来王妃として上に立つ者として、一度目は慈悲を与えた、というわけか」
(誰が王妃だってー?!)
ニコニコとアリスを見るウィルにイラッとしながらも、アリスは、ここは乗っておくべきかと思い、鷹揚に頷く。
「ええ。実際にその後はクラリスさんに手を出そうとすることはありませんでしたし。ですが、今日のことは一体どういうことなのかしら」
「そ、それは……」
ヤイミー嬢は落ち着かない様子で、キョロキョロと目を動かす。
「恐らく、先日ジャンから報告があった件と関係があるのでしょう」
ジャンの名前にヤイミーの顔は真っ白になった。
「ウィル様、アンソニー様、中庭で女子生徒達がもめているようです!」
生徒会室にいたウィルとアンソニーのもとに、一人の男子生徒が慌てて飛び込んできた。
チラッとウィルを見ると、ニコニコ笑いながらアンソニーに「ちょっと見てきてくれ」と、当たり前のように言う。
「かしこまりました。君、その場所まで案内をお願いします」
「は、はい!こちらです!」
男子生徒に連れられ、現場へと急ぐ。
と、廊下の先に、一人の少女の姿が見えた。
「あれは……クラリス嬢……?」
何か困っている様子のクラリスの視線を辿ると、中庭で一人の令嬢を数人の令嬢達が取り囲んでいる様子が見える。
(イジメの現場に遭遇したが、どうしたらいいのかわからず、オロオロしているのか)
無理もない。平民である彼女が下位クラスの貴族令嬢達を諫めた所で聞く耳を持たないだろう。それどころか、イジメのターゲットが自分にすり替わってしまうことも十分に考えられる。
アンソニーが足を早めた、その時だった。
「アリス様ー!アリス様!こちらです!皆さんが揉めているのは!」
クラリスがアンソニー達がいるのとは逆の方向を向いて、大声でアリスの名前を呼んだ。その声は令嬢達の耳にも届き、アリスの名前を耳にした令嬢達は明らかに動揺すると、慌てて散って行った。
それを見てホッとしたクラリスは、一人になった令嬢に声をかける。
「ヤイミー様、大丈夫ですか?」
「っ、な、何よ!どうせいい気味だとでも思っているんでしょう!」
「そんなこと思っていません。お怪我がないか気になっただけです」
「何よ、いい子ぶって!」
「いい子ぶっているつもりはありません。ただ、以前私が皆さんに裏庭に呼び出されて困っていた時にアリス様に助けていただいて嬉しかったから。私もアリス様のようになりたかっただけです。まあ、結局、私自身の力ではなく、アリス様のお力をお借りしてしまいましたが」
淡々と語るクラリスにヤイミーが驚愕に目を開く。
そこに、慌てた様子のアリスが駆けつけてきた。
「クラリスさん!こちらにいらしたんですのね!」
「アリス様!すみません、行き違いになってしまったようです」
クラリスの顔を見てホッとしたように一息ついたアリスは、中庭にいるヤイミーに気がついて、冷めた目を向けた。
「……ヤイミー様はどうしてこちらに?」
話がややこしくなりそうなのを見てとったアンソニーが前に出た。
「それは私から説明しましょう。君、すまないが、彼女をこちらに連れて来てくれませんか」
「は、はい!」
アンソニー達を迎えに来た男子生徒が、廊下から中庭に降りる。ヤイミーは諦めた様子で、おとなしく男子生徒に従った。
「さて、皆さんには生徒会室までご足労願います」
「生徒会室ですの?どうして私達まで?」
生徒会室と聞いてアリスの眉がピクリと上がる。
「この件の関係者だからですよ。詳しい話をお聞かせ願いたいので、ゆっくり話せる場所に移動した方がいいでしょう」
丁寧だが、有無を言わせないアンソニーの言葉にアリスは渋々頷いた。
「それで、事の始まりはヤイミー嬢達がクラリス嬢をいじめたことなのかな」
いつもの王子様スマイルを消した、厳しい顔で問いただすウィルに、ヤイミーは青い顔をして震えており、返事をすることができない。
クラリスは隣に座るアリスをそっと伺う。
アリスは厳しい顔でヤイミーを見つめながら言った。
「高等部の始業式があった日の放課後、裏庭で、クラリスさんをたくさんの令嬢達が囲んで暴力をふるっていました」
「暴力?クラリス嬢に?」
アリスとクラリスの後ろに立っていたアンソニーが声を上げる。ウィルが厳しい声で問い詰める。
「それは本当か?ヤイミー嬢」
「ぼ、暴力などは……!少し、話をしていただけですわ……!」
「私が見かけた時には、クラリスさんはヤイミー様に肩を強く押されて、転んでしまっていましたわ。その時に服がひどく汚れてしまったので、公爵家にお連れして汚れを落とさせたんです」
「クラリス嬢、そうなのかな?」
「は、はい、あの日、アリス様が私を助けてくださいました」
クラリスはアリスを眩しそうに見上げた。
「ですが、その件は生徒会に報告が上がっていませんね。」
記録を確認しながら、アンソニーが呟いた。
(あっ、いっけない、報告するのをすっかり忘れてた~!)
アリスは最推しとお近づきになれた喜びで、イジメの件を生徒会に報告するのをすっかり忘れていた。
(仕方ない、適当にごまかそう)
「私の判断ですわ。ヤイミー様達に更生する機会を与えようと思ったのです。ですから、報告しなかったことのお咎めは私一人にお願いいたします」
「忘れちゃった♪てへぺろ」と言えたら楽だが、そういうわけにもいかず、アリスはもっともらしい理由をでっち上げる。
「アリス様……かっこいい……」
そんなこととは夢にも思わないクラリスは、アリスの凛とした横顔をうっとりと見つめた。
「なるほど。将来王妃として上に立つ者として、一度目は慈悲を与えた、というわけか」
(誰が王妃だってー?!)
ニコニコとアリスを見るウィルにイラッとしながらも、アリスは、ここは乗っておくべきかと思い、鷹揚に頷く。
「ええ。実際にその後はクラリスさんに手を出そうとすることはありませんでしたし。ですが、今日のことは一体どういうことなのかしら」
「そ、それは……」
ヤイミー嬢は落ち着かない様子で、キョロキョロと目を動かす。
「恐らく、先日ジャンから報告があった件と関係があるのでしょう」
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