278 / 366
10/5『キラピカ』
しおりを挟む
ふおおぉぉ……!
古本屋でたまたま手に取った本に衝撃を受けた。
なんじゃこりゃ!
こんなビッカビカでキッラキラなものが存在したなんて!
本体より重そうなデコ。
いまじゃ見ることのない“ガラケー”に施された煌びやかなストーンに魅了された。
最近の流行りが【シンプル】で【質素】なものが多いから、それらとのギャップが激しい。
カラー印刷されたページにはデコレーションされた旧式 (その当時は最新式)の携帯電話がたくさん掲載されている。
最初のほうのページに目次と必要な道具の一覧、後方の白黒ページには図案が載っていた。
裏表紙には古本屋の名前が印刷された値札が貼られている。価格は100円。え、買う買う。
似たようなシリーズの本がないかを探して、見つけた数冊をレジに持って行った。その足でハンドメイダーの間では有名なパーツ専門店が立ち並ぶ街へ行った。
今でも他の用途で使われることがあるのか、店内の一画にデコ用資材のコーナーができていた。
デコりたい気持ちが先行して買いにきちゃったけど、なにをデコるかまで決めてなかったや。
いま持ってるスマホでもいいけど、最初は練習に小さいものから始めたいなと思っていたら、ラインストーンや接着剤の他に、デコるための土台が売られていた。
指輪にネックレス、ピルケースやヘアアクセなんかが金銀銅と揃ってる。
ちょっと広めだけどデコりやすそうだな、という理由で、蓋が閉まるタイプの小さい手鏡をチョイスした。さっき買った本に載ってた図案を参考に、必要な色のストーンなどを買う。
感動したのは、数十年前に発行された本に載っている品番がまだ現役だってこと。店員さんに聞いたら根強い人気があるらしく、定番色はずっと定番のまま、販売され続けてるんだって。来て良かった~。
小さいショップ紙袋に入れて貰って受け取る。パツパツでずっしりした密度を感じてテンションがあがる。
足早に帰宅して、手洗いうがいをサクッと済ませて開封した。なんでいつも、新しいことを始めるのってこんなにワクワクするんだろう。
あらかじめちょうどいいサイズに調整してコピーした図案の上に保護シートを置いて、線をなぞって写す。ストーンを乗せたら見えなくなるから、油性ペンでしっかり描く。
その透明シートを土台に貼ればガイドになるし、失敗したり飽きたら剥がして土台を再利用できる。便利ぃ。
ということで、鏡の蓋面に保護シートを貼り付けた。
最初はアレンジなしで写真と同じ色を同じ場所にペトペトと、トレイに出したストーンをひたすら貼る。貼る。貼る。うわあぁ……ドーパミンどばどば出るぅ~。単純作業楽しいぃ……。
時間も忘れて作業していたら、あっという間に二時間経過。そして作品も完成した。
ゴテゴテキラキラでとっても綺麗! 照明に当てて動かしたら更にキラキラ光がとんだ。あぁー、素敵。
誰かに見てもらいたいけど、あいにくの一人暮らしだし、この程度でメッセできるほど仲の良い人もいないしなぁ……。
反応なくてもいいやってSNSで完成品をお披露目したら、コメントがたくさんついた。
なんだ、みんな派手なの好きなんだ。
とても嬉しくて、今度はオリジナルの図案をデザインして、新たに買った土台にペトペトペト……。楽しすぎて毎日一、二時間くらいのデコタイムを捻出。折角だから作品作りの過程を写真や動画で記録した。
デコっている手元のタイムラプス動画も好評で、販売しないんですか? なんてコメントまでもらえるようになった。
うっかりその気になっちゃって、オリジナルの作品を販売する時のブランド名を考えたり販売計画ノートとか作ったりしちゃって……うーん、趣味で作れていればいいかと思ってたけど、リアルに販売したくなってきた。
古本屋でたまたま見つけただけの本が、私の人生をこんなにも動かすなんて。
あぁ、キッラキラのビッカビカ、最高だな!
古本屋でたまたま手に取った本に衝撃を受けた。
なんじゃこりゃ!
こんなビッカビカでキッラキラなものが存在したなんて!
本体より重そうなデコ。
いまじゃ見ることのない“ガラケー”に施された煌びやかなストーンに魅了された。
最近の流行りが【シンプル】で【質素】なものが多いから、それらとのギャップが激しい。
カラー印刷されたページにはデコレーションされた旧式 (その当時は最新式)の携帯電話がたくさん掲載されている。
最初のほうのページに目次と必要な道具の一覧、後方の白黒ページには図案が載っていた。
裏表紙には古本屋の名前が印刷された値札が貼られている。価格は100円。え、買う買う。
似たようなシリーズの本がないかを探して、見つけた数冊をレジに持って行った。その足でハンドメイダーの間では有名なパーツ専門店が立ち並ぶ街へ行った。
今でも他の用途で使われることがあるのか、店内の一画にデコ用資材のコーナーができていた。
デコりたい気持ちが先行して買いにきちゃったけど、なにをデコるかまで決めてなかったや。
いま持ってるスマホでもいいけど、最初は練習に小さいものから始めたいなと思っていたら、ラインストーンや接着剤の他に、デコるための土台が売られていた。
指輪にネックレス、ピルケースやヘアアクセなんかが金銀銅と揃ってる。
ちょっと広めだけどデコりやすそうだな、という理由で、蓋が閉まるタイプの小さい手鏡をチョイスした。さっき買った本に載ってた図案を参考に、必要な色のストーンなどを買う。
感動したのは、数十年前に発行された本に載っている品番がまだ現役だってこと。店員さんに聞いたら根強い人気があるらしく、定番色はずっと定番のまま、販売され続けてるんだって。来て良かった~。
小さいショップ紙袋に入れて貰って受け取る。パツパツでずっしりした密度を感じてテンションがあがる。
足早に帰宅して、手洗いうがいをサクッと済ませて開封した。なんでいつも、新しいことを始めるのってこんなにワクワクするんだろう。
あらかじめちょうどいいサイズに調整してコピーした図案の上に保護シートを置いて、線をなぞって写す。ストーンを乗せたら見えなくなるから、油性ペンでしっかり描く。
その透明シートを土台に貼ればガイドになるし、失敗したり飽きたら剥がして土台を再利用できる。便利ぃ。
ということで、鏡の蓋面に保護シートを貼り付けた。
最初はアレンジなしで写真と同じ色を同じ場所にペトペトと、トレイに出したストーンをひたすら貼る。貼る。貼る。うわあぁ……ドーパミンどばどば出るぅ~。単純作業楽しいぃ……。
時間も忘れて作業していたら、あっという間に二時間経過。そして作品も完成した。
ゴテゴテキラキラでとっても綺麗! 照明に当てて動かしたら更にキラキラ光がとんだ。あぁー、素敵。
誰かに見てもらいたいけど、あいにくの一人暮らしだし、この程度でメッセできるほど仲の良い人もいないしなぁ……。
反応なくてもいいやってSNSで完成品をお披露目したら、コメントがたくさんついた。
なんだ、みんな派手なの好きなんだ。
とても嬉しくて、今度はオリジナルの図案をデザインして、新たに買った土台にペトペトペト……。楽しすぎて毎日一、二時間くらいのデコタイムを捻出。折角だから作品作りの過程を写真や動画で記録した。
デコっている手元のタイムラプス動画も好評で、販売しないんですか? なんてコメントまでもらえるようになった。
うっかりその気になっちゃって、オリジナルの作品を販売する時のブランド名を考えたり販売計画ノートとか作ったりしちゃって……うーん、趣味で作れていればいいかと思ってたけど、リアルに販売したくなってきた。
古本屋でたまたま見つけただけの本が、私の人生をこんなにも動かすなんて。
あぁ、キッラキラのビッカビカ、最高だな!
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/light_novel.png?id=7e51c3283133586a6f12)
サンタの願いと贈り物
紅茶風味
ライト文芸
十六歳の淳平と、四歳の葵、歳の離れた兄弟が、ある日サンタクロースと名乗る人物に出会う。穢れのない彼女によって少しずつ変わっていく二人は、やがて大きな事件に巻き込まれていく。
前編(淳平編)と後編(葵編)の二部構成です。
◆関連作品:『スターマインを咲かせて』
高三になった葵の恋の物語。葵編のラスト一話のみ、スターマインと時期が被っています。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる