日々の欠片

小海音かなた

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6/15『まいにちをくらす』

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 固形が苦手だけど液体なら平気、もしくはその逆で、液体は苦手だけど固形なら平気、って食べ物が誰にでもあるんだと思ってた。
 私の場合は生姜。ガリとか紅ショウガとかは苦手だけど、ジンジャーエールは好きで良く飲む。
 苦手といっても食べられなくはないから、お弁当に入ってたりしたら食べる。けっこう無理やり食べる。
 身体には悪くないけど、精神的にはあまり良くないような。
 ほかに苦手なのは柚子と山椒。薬味系が苦手なのかな? 自分でも共通点がよくわからない。
 柚子も山椒も生姜も好きな人が多いらしく、たいがいのお惣菜に添付されているポン酢には柚子風味が付いているし、麻婆豆腐は山椒が入った四川風のものが多いし、“温まるスープ”にはたいがい生姜が入ってる。
 美味しそうと思ってもそれらの風味によって伸びた手が止まる。
 食べたら美味しいのかもしれない。食わず嫌いなのかもしれない。それでも、食べて「うぅっ」ってなるのが嫌で、手が出せない。
 味のバリエーションの楽しみが減るってだけで、必要な栄養素が取れない、というわけじゃないからまぁいいんだけど……克服の機会がないんだよなー。
 と考えながら、今日もスーパーのお惣菜コーナーで添付の調味料を確認する。あぁ、この豚しゃぶサラダに付いてるポン酢も柚子風味付きだ。
 こういうことでしょんぼりできるくらい、私の身の回りが平和ってことだよね。いいことだ、うん。
 食事の選択肢が狭まるのを寂しく思えるのも、食べたら苦手な風味がして悲しくなるのも、全部平和のおかげ。そんなこと言ってられないような状況にならないよう、今日も頑張って生きて行こ。
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