日々の欠片

小海音かなた

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4/11『朝ご飯を食べるから』

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 なんだかいつもより早く目が覚めた。
 休日だし二度寝してもよかったんだけど、折角だしこのまま起きる。
 眠っていただけなのにちょっとお腹が空いてるから、と冷蔵庫の中を確認。うーん、特にこれといった食材がない。
 買い物行くのも面倒だなー。
 ……ちょっと一狩り行ってくるか。
 思い立ったが動き時。ベッドサイドのゴーグルを取って装着し横たわる。
 瞼を開けると、自室とは違う天井の装飾が見えた。無事ログインできたようだ。
 ベッドから起き上がり、装備を固めていざ出陣。
 ドアを開けると目の前にオープンワールドが広がる。
 動物好きすぎて狩猟するのが苦手だから、ステータス『ラッキー』で見つけた金脈へ足を運ぶ。
 更にラッキーなことにこの金脈、最初に見つけたプレイヤーに所有権が与えられる土地だったから、金が尽きるまで独占できて掘り放題。
 現実世界と同じで金には相場があるから、高いときに必要な分だけ掘ってゲーム内通貨と交換。そのお金でゲーム内スーパーに行き、ゲーム内で食材を買う。
 ちなみにこのスーパーもプレイヤーが作って運営してて、置いてある食材もプレイヤーたちが狩ったり栽培したりして卸してるもの。店内には実際に人が操作している【PC】店員と、プログラミングで動いている【NPC】店員がいる。
 配送にはリアルマネーが必要だけど、家の外に出ないで買い物ができるから非常に便利。
 今日は和食が食べたかったから、家にある調味料以外の食材を購入した。
 仮想空間内の自宅に戻って装備を外し、ベッドにイン。そうすれば正常にログアウトして現実世界に戻ってこられる。
 ゴーグルを外してしばらく待っていると、窓の外でチャイムが鳴った。
「はいはい」
 寝室の窓を開け、ベランダに着陸した無人配達機を確認。
 機体内からさっき購入した食材を取り出して、完了の合図を送る。
 配達機が『ピポ♪』と鳴って、流暢な人間語で『ありがとうございました』と言い残し飛び立った。また配達業者の基地に戻るのだ。
 金脈を見つけてなかったらなにかしらの仕事をして資金を稼がなければならなかったから、自分でステータスを割り振れるゲームは『ラッキー』に極振りするのが一番。
 一人で金を掘るのは若干疲れるけど、現実世界で動くよりは遥かにラクだ。 
 ログイン先で作った料理を送ってもらってもいいんだけど、やっぱりリアルで作るのとはちょっと違うんだよなー。
 早速、玉ねぎの味噌汁と卵焼きとほうれん草のおひたしを作る。ご飯を炊くのはちょっと面倒だし残っちゃうから、ここはレトルトご飯で我慢。とはいえ炊くのと同じくらい美味しい商品がたくさん開発されたから、不満に感じることはない。
「でーきた。いっただっきまーす」
 お腹が減ると簡単なご飯でも旨い!
 でもやっぱり採掘は色々しんどいから、あとでリアルスーパーに買い物に行こっと。
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