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4/7『placebo fighter』
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えい、やあ、とお! と戦いながらプリン体を減らす研究が進んでいる。
診察台に横たわる被験者のすぐそばには、被験者の体内を映すモニター。超ミクロ型ドローンが体内を飛んで、無線で映像を飛ばしている。
画面上部にはステータスゲージが表示され、左部では戦士がファイティングポーズをとり、進行方向からやってくる球状や円柱状の浮遊物に対峙している。
戦士は誰に操作されるでもなく、自発的にそれらの浮遊物(敵)を攻撃し、消滅させていく。背景は被験者の体内、内臓の実写だ。
可視化された体内の悪玉菌や過剰に摂取されたプリン体は【敵】とみなされ、それらを戦士がキックやパンチで消していくとスコア化された体調に変化が生じる。もちろんスコアはおおよそであって、体力値にも個人差がある。
戦士の体力ゲージは充電ゲージと連動していて、悪玉菌やプリン体にぶつかると一定数のゲージを消耗してしまう。
たまに飛んでくる【味方】の善玉菌や栄養素はいわゆる“オプション”で、獲得すると戦士の周囲を衛星のように回る。
オプションは戦士が倒しそびれた【敵】に当たり、消滅させる。戦士の体力とは関係なくオートメーションで動くから、獲得すると有利になる。
戦士が戦い終わると勝敗結果が画面に表示され、通信が切れる。超ミクロ型ドローンは器官を通って口から体外へ。戦士は溶解したのち、被験者の身体に吸収される。
効果は通常の薬品と同様だが、目に見えて悪玉菌が減っていくことで検査結果に違いが出るのだとか。いわゆる“プラシーボ効果”のようだ。
難点は、戦士を飲み込むとき、喉にちょっとひっかかること。
そのほかにも『戦い終えた戦士が溶けてなくなるのは残酷ではないか』などの声があり、商品化されるまでには改良が必須。
実用化にはまだ遠いが、ユニークな発明として世界中の注目を集めている。
診察台に横たわる被験者のすぐそばには、被験者の体内を映すモニター。超ミクロ型ドローンが体内を飛んで、無線で映像を飛ばしている。
画面上部にはステータスゲージが表示され、左部では戦士がファイティングポーズをとり、進行方向からやってくる球状や円柱状の浮遊物に対峙している。
戦士は誰に操作されるでもなく、自発的にそれらの浮遊物(敵)を攻撃し、消滅させていく。背景は被験者の体内、内臓の実写だ。
可視化された体内の悪玉菌や過剰に摂取されたプリン体は【敵】とみなされ、それらを戦士がキックやパンチで消していくとスコア化された体調に変化が生じる。もちろんスコアはおおよそであって、体力値にも個人差がある。
戦士の体力ゲージは充電ゲージと連動していて、悪玉菌やプリン体にぶつかると一定数のゲージを消耗してしまう。
たまに飛んでくる【味方】の善玉菌や栄養素はいわゆる“オプション”で、獲得すると戦士の周囲を衛星のように回る。
オプションは戦士が倒しそびれた【敵】に当たり、消滅させる。戦士の体力とは関係なくオートメーションで動くから、獲得すると有利になる。
戦士が戦い終わると勝敗結果が画面に表示され、通信が切れる。超ミクロ型ドローンは器官を通って口から体外へ。戦士は溶解したのち、被験者の身体に吸収される。
効果は通常の薬品と同様だが、目に見えて悪玉菌が減っていくことで検査結果に違いが出るのだとか。いわゆる“プラシーボ効果”のようだ。
難点は、戦士を飲み込むとき、喉にちょっとひっかかること。
そのほかにも『戦い終えた戦士が溶けてなくなるのは残酷ではないか』などの声があり、商品化されるまでには改良が必須。
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