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Chapter.61
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「へぇ~」
と、紫輝以外の四人が声をそろえる。
「あれ? オレ鹿乃江さんにも話してなかったでしたっけ?」
「はい。初めて聞きました」
「つぐみのさん、紫輝から連絡来たとき、どう思いました?」
「ビックリしました。最初、どこから通知音が鳴ってるのかわからなくて」
当時を思い返して話す鹿乃江の言葉に、四人が不思議そうな顔を見せた。
「あ、えっと……知らないうちにバッグの中に入ったみたいで、前原さんのスマホ。だから、どこから通知音がしてるのかわからなくて」
「えっ、拾ったんじゃないんですか?」驚いたのは紫輝だ。
「はい。多分、ぶつかりそうになったとき、開けてたバッグの中に偶然入っちゃったんですよね。それに気付かずに持って帰ってしまって……」
「だから落とした音しなかったんだ」
思い返して紫輝が納得した。
そういえば、と最初のメッセの“何故かバッグに入ってしまって”という一文を思い出す。ぶつかりそうになったとき、とっさにホールドアップしたから、そのとき手放してしまったのだろう。
メッセで読んだときはさほど気にしていなかったが、それはそれですごい確率ではないかと今更ながらに思う。
「えー、じゃあすぐ気付いてたら、ふたり付き合ってなかったかもってこと?」右嶋が問う。
「そうですね。すぐ気付いてたら、その場で渡すか警察に届けるかしてたので」
「えーでも、ケーサツ行けば誰が拾ってくれたかわかるんでしょ? 紫輝くんならそこから連絡先突き止めてたりしてたんじゃない?」
「もちろん」佐々木の予想に何故か自信満々に答える紫輝に、メンバーが若干引く。
「あー……届出人情報は開示しないようにしてたと思うので、多分…」
と鹿乃江が言ったところで、またメンバーの顔に疑問符が浮かぶ。
「あっ……」職業柄の知識だということに気付き「誰が届けたかを教えるかどうか、届けた人が選べるようになってるんです。なので」補足した。
「へー!」
「じゃあ偶然が重なって出会えたんだねー」
運命だ、運命だとメンバーが口々に言う。
なんだか少し気恥ずかしい。
「でもオレたぶん、その場で渡されてたとしても連絡先聞いてましたよ」
「さすがに初対面の人には教えないかな……」
「じゃあメッセのID聞いてた」
「覚えてない……そもそもID検索できる設定にしてない……」
「え、じゃあマジでヤバかったってこと?」
「ヤバかった……のかな?」
紫輝の言う“ヤバい”の意味が微妙に汲み取れなくて、疑問混じりの受け答えになってしまう。
「いやぁ! これはマジ運命っすね!」
最終的に紫輝がメンバーに同調して、嬉しそうにくしゃっと笑った。
(若さがまぶしい!)
いつか久我山と三人で食事に行ったときのことを思い出す。
と、紫輝以外の四人が声をそろえる。
「あれ? オレ鹿乃江さんにも話してなかったでしたっけ?」
「はい。初めて聞きました」
「つぐみのさん、紫輝から連絡来たとき、どう思いました?」
「ビックリしました。最初、どこから通知音が鳴ってるのかわからなくて」
当時を思い返して話す鹿乃江の言葉に、四人が不思議そうな顔を見せた。
「あ、えっと……知らないうちにバッグの中に入ったみたいで、前原さんのスマホ。だから、どこから通知音がしてるのかわからなくて」
「えっ、拾ったんじゃないんですか?」驚いたのは紫輝だ。
「はい。多分、ぶつかりそうになったとき、開けてたバッグの中に偶然入っちゃったんですよね。それに気付かずに持って帰ってしまって……」
「だから落とした音しなかったんだ」
思い返して紫輝が納得した。
そういえば、と最初のメッセの“何故かバッグに入ってしまって”という一文を思い出す。ぶつかりそうになったとき、とっさにホールドアップしたから、そのとき手放してしまったのだろう。
メッセで読んだときはさほど気にしていなかったが、それはそれですごい確率ではないかと今更ながらに思う。
「えー、じゃあすぐ気付いてたら、ふたり付き合ってなかったかもってこと?」右嶋が問う。
「そうですね。すぐ気付いてたら、その場で渡すか警察に届けるかしてたので」
「えーでも、ケーサツ行けば誰が拾ってくれたかわかるんでしょ? 紫輝くんならそこから連絡先突き止めてたりしてたんじゃない?」
「もちろん」佐々木の予想に何故か自信満々に答える紫輝に、メンバーが若干引く。
「あー……届出人情報は開示しないようにしてたと思うので、多分…」
と鹿乃江が言ったところで、またメンバーの顔に疑問符が浮かぶ。
「あっ……」職業柄の知識だということに気付き「誰が届けたかを教えるかどうか、届けた人が選べるようになってるんです。なので」補足した。
「へー!」
「じゃあ偶然が重なって出会えたんだねー」
運命だ、運命だとメンバーが口々に言う。
なんだか少し気恥ずかしい。
「でもオレたぶん、その場で渡されてたとしても連絡先聞いてましたよ」
「さすがに初対面の人には教えないかな……」
「じゃあメッセのID聞いてた」
「覚えてない……そもそもID検索できる設定にしてない……」
「え、じゃあマジでヤバかったってこと?」
「ヤバかった……のかな?」
紫輝の言う“ヤバい”の意味が微妙に汲み取れなくて、疑問混じりの受け答えになってしまう。
「いやぁ! これはマジ運命っすね!」
最終的に紫輝がメンバーに同調して、嬉しそうにくしゃっと笑った。
(若さがまぶしい!)
いつか久我山と三人で食事に行ったときのことを思い出す。
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