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Chapter.49
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「…ゆっくり話がしたいので、場所、変えませんか」
「……はい」
鹿乃江の返答を聞いて、紫輝が上着を着て席を立つ。会計はすでに済ませているようで、キャップを被ってそのまま外へ向かった。少しためらって、数歩離れて後ろに着いていく。
「10分くらい歩くんですけど」
と、人通りの少ない小道を紫輝が慣れた足取りで進んでいく。
「今日はお仕事でしたか」
「はい、すみません。残業になってしまって、来るのが遅くなりました」
「あら。大変な日にすみません」
「あっ、そういう意味じゃなくて」
鹿乃江の言葉にフフッと笑って
「大丈夫です。わかってます」
後ろを歩く鹿乃江を振り返った。
裏路地をしばらく歩くと、急に目の前が開けた。一方通行の細い道の向かいに建っているオートロックのマンションに、紫輝が慣れた動作で入っていく。
(えっ)
鹿乃江の動揺を余所に、紫輝は小さく後ろを確認しながら無言で進んでいく。そのまま、1階に停まっていたエレベーターへ乗り込んだ。
開ボタンを押して鹿乃江が乗るのを待ってから、上階へ移動する。
(えっ、えっ)
ボディバッグから鍵を取り出し、そのままとある一室のドアを開けた。
(えっ、いいの? いや、良くなかったら連れてこないよね!?)
鹿乃江の脳内がせわしなくなっていく。
「どうぞ」
招かれて、玄関へ入る。紫輝がドアを閉めるが、鹿乃江はそのまま立ち尽くしてしまう。
「黙って連れてきてすみません。なにもしない、とは言えないので、ここで話するんでも大丈夫です」
紫輝の声が固くなっていく。
紫輝の言う“話”の内容を、鹿乃江は大体察している。むしろ察しているからこそ、ここまで着いてきた。
鹿乃江だって、もう子供じゃない。
「……おじゃま、します……」
ある意味答えのような行動を、意を決した鹿乃江がとった。靴を脱ぎ、フローリングの廊下にあがると
「防犯として、なんで」
紫輝が前置きをして、玄関ドアをロックしてから廊下へあがる。
家主に連れられて入ったリビングは、モノトーン調の簡素なインテリアでまとめられている。生活感はあまりない。
「昨日までツアーに出てて、なにもなくて…」
紫輝がキャップとバッグをテーブルの脇に置いてキッチンへ移動する。冷蔵庫からペットボトルを取り出し、お茶をコップに注いでからテーブルに置いた。
微かに水面が揺らめく。
「あっ、どうぞ」
思い出したかのように鹿乃江にソファを勧めて、自らも座った。
「ありがとうございます」
鹿乃江の声がかすかに震えている。紫輝から少し離れた隣に座り、バッグを足元に置いた。
マンションの上階にある紫輝の部屋は、外の音も聞こえない。静寂の中、隣り合ってただ座っていることが不思議だった。
緊張を紛らわせたくて、鹿乃江は自分の膝の上で指を組み握ったり放したりを繰り返す。
呼吸音が聞こえそうなほどの沈黙を破ったのは、紫輝だった。
「……鶫野さんは大人だから」
鹿乃江がギクリとする。
「年齢とか、オレの仕事とか、色々考えてくれてるのかなって」
言葉を選びながら、紫輝がゆっくり続けた。
予想とは違った話運びに、鹿乃江は内心安堵する。
「そう、ですね……」
鹿乃江の答えに「ありがとうございます」と紫輝が柔らかく笑った。
「でも、それは鶫野さんだけが抱え込むようなことじゃなくて…その…」
鹿乃江は紫輝の顔を見ることができず、膝の上で組んだ、微かに震える自分の手を見つめていた。
「オレも、一緒に考えて、乗り越えて行きたいというか……」
紫輝が少し腰を浮かせて鹿乃江に近寄る。同時に身体の向きを変えた。
「オレ、一度もちゃんと伝えてないですよね」
紫輝は言葉を切って、深呼吸をした。
「……好きです」
伝えていなかった肝心な言葉。怖くて言えなかった自分の気持ち。
「鹿乃江さんが、好きです」
まっすぐに鹿乃江を見つめながら紫輝が膝の上で拳を握り締め、
「オレと、お付き合いしてください」
言って、頭を下げた。
鹿乃江はうつむいたまま答えない。
「……ダメっすか……?」
頭を下げたままで覗き込んだ鹿乃江の顔が、耳まで赤く染まっていることに気付く。照れたような困ったような顔が、いまにも泣き出しそうだ。
「――!」
抱きしめたい衝動を抑えて、それでも触れずにはいられなくて、肩を持って鹿乃江の体を自分へ向けた。
視線を合わせようとしない鹿乃江にゆっくりと顔を近付ける。拒まれないのを確認してから、右手で鹿乃江の頬に触れ、撫でながら移動させて首筋を軽くおさえた。
間近に迫った端正な顔。
ものすごい速さで動く心臓が、体全体を鼓動させる。
額がくっつく。息がかかりそうで、無意識に呼吸が浅くなる。
「これで、本当に最後にするんで……嫌だったら、押しのけてください」
紫輝が鹿乃江の右手を取ってはだけた上着の隙間から入れ、自分の左胸に当てた。
鼓動が掌に伝わる。自分と同じように強く、速いそれに気付いて、鹿乃江は眉根を寄せた。
「…ずるい…」
思わず漏れた声。指が紫輝の服をつかむ。
その反応に紫輝が苦しそうに顔を歪めて、ゆっくり顔を近付けた。
触れるだけのキス。
離れた唇に、熱が残る。
受け入れられたことを確認するように、二度、三度と続けて軽いキスをした。
顔を離し、熱っぽく潤んだ瞳で見つめ合う。
桜色に染まった鹿乃江の頬を、紫輝が愛おしそうに親指で撫でて目を細めた。
「好き、です」
とろけそうな甘い声でささやき、鹿乃江の顔を両手で優しく包み込んで唇を重ねる。
強く打つ鼓動が指先にまで伝わり、甘くしびれる。我慢していた欲求が弾けたように、長く、深く、強さと角度を変え、会えなかった時間を埋めるように、それはしばらく続いた。
……ようやく離れた唇から小さく息を吐く鹿乃江を、紫輝が抱きしめた。
「鹿乃江さん」
「……はい」
「返事、聞きたいんすけど」
甘えるように鹿乃江の肩に顎を乗せる。鹿乃江は少し考えて
「よろしく、お願いします……」
答えた。
「それだけっすか?」
体を離して、鹿乃江の顔を覗き込む。ゆらゆらと揺れる瞳が、鹿乃江の言葉を待っている。
(うっ……犬……)
口を開いて言葉を探す鹿乃江。
「私も、好き…です…よ?」
目を細めてうんうんと頷き、あとを待つ。
「……不束者ですが…これからも、よろしくお願いします」
小さく頭を下げた。
「こちらこそ」
紫輝も同じように頭を下げて、照れたように二人で笑う。
紫輝の長い指が大事そうに鹿乃江の頭を撫でる。ふと思い立ったように、紫輝が鹿乃江のコートを脱がせた。自分も同じようにしてから身体を引き寄せ、愛おしそうに抱きしめた。
「……はい」
鹿乃江の返答を聞いて、紫輝が上着を着て席を立つ。会計はすでに済ませているようで、キャップを被ってそのまま外へ向かった。少しためらって、数歩離れて後ろに着いていく。
「10分くらい歩くんですけど」
と、人通りの少ない小道を紫輝が慣れた足取りで進んでいく。
「今日はお仕事でしたか」
「はい、すみません。残業になってしまって、来るのが遅くなりました」
「あら。大変な日にすみません」
「あっ、そういう意味じゃなくて」
鹿乃江の言葉にフフッと笑って
「大丈夫です。わかってます」
後ろを歩く鹿乃江を振り返った。
裏路地をしばらく歩くと、急に目の前が開けた。一方通行の細い道の向かいに建っているオートロックのマンションに、紫輝が慣れた動作で入っていく。
(えっ)
鹿乃江の動揺を余所に、紫輝は小さく後ろを確認しながら無言で進んでいく。そのまま、1階に停まっていたエレベーターへ乗り込んだ。
開ボタンを押して鹿乃江が乗るのを待ってから、上階へ移動する。
(えっ、えっ)
ボディバッグから鍵を取り出し、そのままとある一室のドアを開けた。
(えっ、いいの? いや、良くなかったら連れてこないよね!?)
鹿乃江の脳内がせわしなくなっていく。
「どうぞ」
招かれて、玄関へ入る。紫輝がドアを閉めるが、鹿乃江はそのまま立ち尽くしてしまう。
「黙って連れてきてすみません。なにもしない、とは言えないので、ここで話するんでも大丈夫です」
紫輝の声が固くなっていく。
紫輝の言う“話”の内容を、鹿乃江は大体察している。むしろ察しているからこそ、ここまで着いてきた。
鹿乃江だって、もう子供じゃない。
「……おじゃま、します……」
ある意味答えのような行動を、意を決した鹿乃江がとった。靴を脱ぎ、フローリングの廊下にあがると
「防犯として、なんで」
紫輝が前置きをして、玄関ドアをロックしてから廊下へあがる。
家主に連れられて入ったリビングは、モノトーン調の簡素なインテリアでまとめられている。生活感はあまりない。
「昨日までツアーに出てて、なにもなくて…」
紫輝がキャップとバッグをテーブルの脇に置いてキッチンへ移動する。冷蔵庫からペットボトルを取り出し、お茶をコップに注いでからテーブルに置いた。
微かに水面が揺らめく。
「あっ、どうぞ」
思い出したかのように鹿乃江にソファを勧めて、自らも座った。
「ありがとうございます」
鹿乃江の声がかすかに震えている。紫輝から少し離れた隣に座り、バッグを足元に置いた。
マンションの上階にある紫輝の部屋は、外の音も聞こえない。静寂の中、隣り合ってただ座っていることが不思議だった。
緊張を紛らわせたくて、鹿乃江は自分の膝の上で指を組み握ったり放したりを繰り返す。
呼吸音が聞こえそうなほどの沈黙を破ったのは、紫輝だった。
「……鶫野さんは大人だから」
鹿乃江がギクリとする。
「年齢とか、オレの仕事とか、色々考えてくれてるのかなって」
言葉を選びながら、紫輝がゆっくり続けた。
予想とは違った話運びに、鹿乃江は内心安堵する。
「そう、ですね……」
鹿乃江の答えに「ありがとうございます」と紫輝が柔らかく笑った。
「でも、それは鶫野さんだけが抱え込むようなことじゃなくて…その…」
鹿乃江は紫輝の顔を見ることができず、膝の上で組んだ、微かに震える自分の手を見つめていた。
「オレも、一緒に考えて、乗り越えて行きたいというか……」
紫輝が少し腰を浮かせて鹿乃江に近寄る。同時に身体の向きを変えた。
「オレ、一度もちゃんと伝えてないですよね」
紫輝は言葉を切って、深呼吸をした。
「……好きです」
伝えていなかった肝心な言葉。怖くて言えなかった自分の気持ち。
「鹿乃江さんが、好きです」
まっすぐに鹿乃江を見つめながら紫輝が膝の上で拳を握り締め、
「オレと、お付き合いしてください」
言って、頭を下げた。
鹿乃江はうつむいたまま答えない。
「……ダメっすか……?」
頭を下げたままで覗き込んだ鹿乃江の顔が、耳まで赤く染まっていることに気付く。照れたような困ったような顔が、いまにも泣き出しそうだ。
「――!」
抱きしめたい衝動を抑えて、それでも触れずにはいられなくて、肩を持って鹿乃江の体を自分へ向けた。
視線を合わせようとしない鹿乃江にゆっくりと顔を近付ける。拒まれないのを確認してから、右手で鹿乃江の頬に触れ、撫でながら移動させて首筋を軽くおさえた。
間近に迫った端正な顔。
ものすごい速さで動く心臓が、体全体を鼓動させる。
額がくっつく。息がかかりそうで、無意識に呼吸が浅くなる。
「これで、本当に最後にするんで……嫌だったら、押しのけてください」
紫輝が鹿乃江の右手を取ってはだけた上着の隙間から入れ、自分の左胸に当てた。
鼓動が掌に伝わる。自分と同じように強く、速いそれに気付いて、鹿乃江は眉根を寄せた。
「…ずるい…」
思わず漏れた声。指が紫輝の服をつかむ。
その反応に紫輝が苦しそうに顔を歪めて、ゆっくり顔を近付けた。
触れるだけのキス。
離れた唇に、熱が残る。
受け入れられたことを確認するように、二度、三度と続けて軽いキスをした。
顔を離し、熱っぽく潤んだ瞳で見つめ合う。
桜色に染まった鹿乃江の頬を、紫輝が愛おしそうに親指で撫でて目を細めた。
「好き、です」
とろけそうな甘い声でささやき、鹿乃江の顔を両手で優しく包み込んで唇を重ねる。
強く打つ鼓動が指先にまで伝わり、甘くしびれる。我慢していた欲求が弾けたように、長く、深く、強さと角度を変え、会えなかった時間を埋めるように、それはしばらく続いた。
……ようやく離れた唇から小さく息を吐く鹿乃江を、紫輝が抱きしめた。
「鹿乃江さん」
「……はい」
「返事、聞きたいんすけど」
甘えるように鹿乃江の肩に顎を乗せる。鹿乃江は少し考えて
「よろしく、お願いします……」
答えた。
「それだけっすか?」
体を離して、鹿乃江の顔を覗き込む。ゆらゆらと揺れる瞳が、鹿乃江の言葉を待っている。
(うっ……犬……)
口を開いて言葉を探す鹿乃江。
「私も、好き…です…よ?」
目を細めてうんうんと頷き、あとを待つ。
「……不束者ですが…これからも、よろしくお願いします」
小さく頭を下げた。
「こちらこそ」
紫輝も同じように頭を下げて、照れたように二人で笑う。
紫輝の長い指が大事そうに鹿乃江の頭を撫でる。ふと思い立ったように、紫輝が鹿乃江のコートを脱がせた。自分も同じようにしてから身体を引き寄せ、愛おしそうに抱きしめた。
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