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Chapter.120
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「棚井さーん」
「はい」
休暇明け、久しぶりに参加する朝礼で堀河がひぃなの名前を呼んだ。
「ご挨拶、よろしくね」
いつかのそれとは違う、晴れやかな笑顔でひぃなが皆の前に立つ。
「おはようございます。お久しぶりです。時森あらため、棚井です。長期休暇をいただきまして、ありがとうございました。棚井でも時森でも、呼びやすいほうで呼んでいただければ幸いです。これからも、ご指導ご鞭撻のほど、お願いいたします」
ひぃなの挨拶が終わるや否や、湖池が腕を頭の上に上げ、大きく拍手した。
それに続き、全社員もひぃなに拍手を送る。
「あ、もう、そのくらいで……」
予想以上の盛り上がりに恐縮したひぃなが両手を広げて止めようとするが、喝采がすぐにやむことはなかった。
ひぃなはバッグから仕事用のキーケースを取り出し、オフィスの一角にある鍵付きのロッカー前へ移動した。開錠して、【従業者名簿:事務部門】と書かれたファイルを取り出す。ファイリングされたクリアポケットの中から自分の従業者名簿のページを開いて、従業者名簿と住民票を取り出した。
新たに取得した住民票と、新たに作成した【棚井】姓の従業者名簿をファイルし直す。
「……よしっ」
旧姓の書かれた書類をシュレッダーにかけ、棚にファイルを戻した。
腕を上げて、伸びをする。
(今日もがんばろー)
頭の中で自分に檄を飛ばして、事務部内の自席に向かった。
end
「はい」
休暇明け、久しぶりに参加する朝礼で堀河がひぃなの名前を呼んだ。
「ご挨拶、よろしくね」
いつかのそれとは違う、晴れやかな笑顔でひぃなが皆の前に立つ。
「おはようございます。お久しぶりです。時森あらため、棚井です。長期休暇をいただきまして、ありがとうございました。棚井でも時森でも、呼びやすいほうで呼んでいただければ幸いです。これからも、ご指導ご鞭撻のほど、お願いいたします」
ひぃなの挨拶が終わるや否や、湖池が腕を頭の上に上げ、大きく拍手した。
それに続き、全社員もひぃなに拍手を送る。
「あ、もう、そのくらいで……」
予想以上の盛り上がりに恐縮したひぃなが両手を広げて止めようとするが、喝采がすぐにやむことはなかった。
ひぃなはバッグから仕事用のキーケースを取り出し、オフィスの一角にある鍵付きのロッカー前へ移動した。開錠して、【従業者名簿:事務部門】と書かれたファイルを取り出す。ファイリングされたクリアポケットの中から自分の従業者名簿のページを開いて、従業者名簿と住民票を取り出した。
新たに取得した住民票と、新たに作成した【棚井】姓の従業者名簿をファイルし直す。
「……よしっ」
旧姓の書かれた書類をシュレッダーにかけ、棚にファイルを戻した。
腕を上げて、伸びをする。
(今日もがんばろー)
頭の中で自分に檄を飛ばして、事務部内の自席に向かった。
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