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Chapter.89
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誕生日の前日、いつもは支度する時間になってもひぃながゆっくりしているのに気付き、
「あれ? 今日仕事は?」
攷斗が不思議そうに聞いた。
「ごめん、言ってなかったね。今日はちょっと遅いの」
「そうなんだ。じゃあ俺のが先に出るのかな?」
「うん。久しぶりにお見送りします」
「ありがとう」
「帰りは?」
「たぶん、いつもと同じくらいに帰ってこれると思う」
「なんかあったら連絡ちょうだいね」
「ありがとう」
攷斗が出社の支度をして、家を出るのを見送ってから、
「さて」
攷斗に内緒で明日の夕食用の下準備を進める。
とはいえ、すでに決めたメニューのうち、完成まで進められるのはケーキくらいだ。
時間指定で発注した材料が無事届いたので出来る限りの下処理をし、当日調理する食材も一緒に冷蔵庫へ入れた。中を見てもパッとわからないように布巾で覆う。
(あとはプレゼント……)
ネットで探してみたがピンとくるものがなく、仕方ないのでデパートで現物を見ながら決めることにした。
ある程度アタリをつけていた店へ出向くため、外出の支度をして家を出る。平日の昼間に買い物に行くのは久しぶりで、ちょっとワクワクしてしまう。
(夏物の新作とかついでに見ようかな~)
なんて思いながら自宅最寄り駅に晴雨兼用傘をさして向かう。
電車で十数分程度移動すると、目的地である都内でも有数の大型ターミナル駅に到着した。
平日の昼下がり。夏休みまでもまだ遠く、人通りが少ないので移動も楽だ。
立ち並ぶデパートをいくつか回り、ネットで目星をつけたショップを転々とする。
(うーん、やっぱりアレかな~)
いくつかのジャンルのものを見て、ひぃなはもう一度高級文具店に足を運んだ。
「あれ? 今日仕事は?」
攷斗が不思議そうに聞いた。
「ごめん、言ってなかったね。今日はちょっと遅いの」
「そうなんだ。じゃあ俺のが先に出るのかな?」
「うん。久しぶりにお見送りします」
「ありがとう」
「帰りは?」
「たぶん、いつもと同じくらいに帰ってこれると思う」
「なんかあったら連絡ちょうだいね」
「ありがとう」
攷斗が出社の支度をして、家を出るのを見送ってから、
「さて」
攷斗に内緒で明日の夕食用の下準備を進める。
とはいえ、すでに決めたメニューのうち、完成まで進められるのはケーキくらいだ。
時間指定で発注した材料が無事届いたので出来る限りの下処理をし、当日調理する食材も一緒に冷蔵庫へ入れた。中を見てもパッとわからないように布巾で覆う。
(あとはプレゼント……)
ネットで探してみたがピンとくるものがなく、仕方ないのでデパートで現物を見ながら決めることにした。
ある程度アタリをつけていた店へ出向くため、外出の支度をして家を出る。平日の昼間に買い物に行くのは久しぶりで、ちょっとワクワクしてしまう。
(夏物の新作とかついでに見ようかな~)
なんて思いながら自宅最寄り駅に晴雨兼用傘をさして向かう。
電車で十数分程度移動すると、目的地である都内でも有数の大型ターミナル駅に到着した。
平日の昼下がり。夏休みまでもまだ遠く、人通りが少ないので移動も楽だ。
立ち並ぶデパートをいくつか回り、ネットで目星をつけたショップを転々とする。
(うーん、やっぱりアレかな~)
いくつかのジャンルのものを見て、ひぃなはもう一度高級文具店に足を運んだ。
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