【完結済み】異世界でもモテるって、僕すごいかも。

mamaマリナ

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番外編2(side転移会仲間)

side 南 健二(ミー君)

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 あの日、僕はしおん君の写真集2冊目を注文した本屋で受け取り、足早に横断歩道を渡っていた。目の前が眩しくなったと思ったら、召喚されていた。
 
 何人も召喚されたみたいで、キョロキョロとしているとその中に、しおん君がいた。帽子を被っていたが直ぐに分かった。だって、オーラが違う。匂いも良い匂いだし帽子では、隠しきれない輝きがあった。召喚された驚きより、生しおん君に驚いた。

 僕は、この国によって勝手に召喚されたことが本当にムカついていた。だって、しおんくんグッズが日本に取り残されたままになってしまったからだ。リュックには、買ったばかりの写真集とノベリティグッズ数点と生写真のファイルしか持っていないことが本当に悲しくて、この国に腹が立っていた。

 でも、この国に召喚されたことによりしおん君と友達になることができ、ともに生活出来たことは、ほんとに嬉しかった。バリネコだから、男だらけは嬉しかったし、今考えると召喚されて良かったかもと思っている。

 しおん君ファンのハル君としおん君と僕の共同生活はほんとに楽しくて、結婚して数年たつのに色褪せない思い出だ。しおん君ファンとしてだけでなく、友達として、召喚仲間としての絆がそこにあると思う。



 「ママーママー」
 「パパ、ママは?」

 「多分、あの部屋じゃないかな?」

 「「またあの部屋」」
 
 「宝物(しおん君コレクション)がいっぱいの部屋だからね」

 「ママは、ほんとに、しおんさんが好きだよね」
 「ほんとー、パパたちより好きなんじゃないの?」

 「あー、痛いとこ突かないで」
 「そんなことないぞ、パパたちのことも好きだぞ」
 「そうだ、この筋肉とかしおんさんにはないからな」

 「でも、ママがしおんさん好きなのわかるよね」
 「うん。だって、きれいで可愛いもん」

 「そうだな。でも、パパたちは、ミーが一番好きだ」
 「けんじが一番可愛い」
 「そうそう。けんじが一番好きだ」


「ちょっと、そこのお二人さん、健二って言わないでくれる。僕が健二って名前嫌だって言ったよね」

「いや、だってミーって猫みたいだろ?」

「ほら、けんじも可愛いぞ」

「どうせネコだから気にしない」

「二人はしばらく色々禁止ね」

「ミー、俺はいいよね」

「そうだね、デイヴは二人とは違って言わなかったしね」

「ミー、そんなひどい」
「そうだ。筋肉好きだろ?」

「僕、筋肉好きだけど脳筋は好きじゃないから」

「「うっうっ、ミーもう言わないから」」

「ダメ、この会話を結婚してから何回もしたよね。覚えない男はいらないよ」

「捨てないでくれ」
「好きだ、ミー」

「このパパ二人みたいには、ならないでね」

「「うん」」

「じゃあ、この脳筋は無視して、みんなでおやつ食べようね」

「はーい、ママ」
「今日のおやつは?」
「今日のおやつは、ミーのホットケーキがいいなあ」

「いいよ。みんなで作ろう。」

「「ミー無視しないで」」



 僕は、最初この国に腹が立っていたが、今は、この国の生活にけっこう満足している。日本ではただのファンだった僕が、しおん君と友達になれ、今では、ママ友だ。ママになってもしおん君は、きれいで可愛い。日本のしおん君ファンに、この世界でもしおん君ファンが増えていることを伝えられないのが悲しいけどね。
 日本では考えられない魔法があり、マッチョな旦那3人もでき、可愛い子どもも生まれ、召喚も悪くなかったかもと今は思っている。
 
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