【完結済み】異世界でもモテるって、僕すごいかも。

召還仲間

　「えっと、とりあえず、自己紹介でもしないか」

　「俺は、佐々木洋輔　28歳。会社員をしていた。ヨースケと呼んでくれ。」スーツのお兄さんが言った。

　順番にみんな名前を言っていく。ヨースケさんに、ミー君、たかし君、ハル君、あっ君、ゆう君、しろうさん。ミー君とハル君は、僕より少し上かなあ、みんな20代なんだ。最後に僕の番。

　「西条紫音　18歳大学生です。しおんって呼んで下さい」帽子を取って挨拶したら、みんな目が丸になってる。

　「うそー」「しおん君だ」「本物？？」

　僕のこと知っていてくれてうれしい。

　「モデルもやってます照」

　「こんなところで知り合うなんて」

　ミー君とハル君がそばにきて、握手して欲しいって。僕のファンらしい。うれしいなあ。

　「拉致されて、帰れないらしいし、子どもが生ませるのが目的だから、みんな協力しよ」
　26歳しろうさんが言った。

　「うん、みんなで相談しよ。しおん君が絶対危ないと思う」
　「実物凄すぎる、きれい、肌ツルツル。」
　「とりあえず、しおん君が一番若いから、騙されないように気をつけて。」　　　
　「尊い、写真集サインして欲しい。」

　「僕は、大丈夫だよ。」　
　みんな、心配しすぎだよね。　

　「大丈夫じゃないよ、俺、ゲイで受けだけど、しおん君だったら、抱けるね」
　ヨースケさんぶっちゃけないで。

　「俺も」あっ君まで同意しないで下さい。

　「えっと、こんなこと聞いてもいいのかわからないけど、僕は、バイなんですが、皆さんは？」
　
　「しおん君、バイなんだ。僕は、ゲイだよ。たぶん、この感じだと、みんな受けなんじゃないかなあ？」
　ゆう君が言って何となく理解した。受けの人が召還されたんだ。

　みんなと少し仲良くなれてうれしく思っていると、ドアが開き、お茶の準備が出来たみたいで、焼き菓子の甘い香りがした。


　「お待たせしました。」

　「何も変な薬とか入れてません。この通り。パクり」
　そこまでしなくてもと思ったけれど、ちょっと安心。

　「このお菓子は、数百年前に召還された、フランス人が伝えてくれたお菓子です」
　そんなに前にも召還していたんだ。

　「前にも召還したことがあるんですね。」
　しろうさんも同じこと思ったみたい。

　「はい、滅亡の危機にのみ召還しています。あなた方には、申し訳ないことだと思いますが、私たちの最後の手段なのです。」

　「勝手なことは、承知しています。どうか、助けてもらいたいのです。」
　先ほどより、必死な姿に情けをかけたくなるが、こちらも人生が変わってしまったんだから、そう簡単には、頷けない｡