0(ゼロ)同士の恋愛  ほんとは愛されたい。【完結】

mamaマリナ

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52 旅の最終日 【完結】

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 今日が旅行の最終日だ。ディランさんにプロポーズされ愛を確かめあった。新婚旅行さながらの甘い日々だった。
 人に愛される喜びをディランさんは教えてくれた。そして人を愛する喜びもディランさんから学んだ。俺を愛してくれる人がいるなんて日本では考えられなかった。俺はなんのために生まれてきたのか分からない日々を送っていたが、こっちにきてやっと分かった気がする。俺の運命はこっちにあったんだと。

 帰りたくない訳ではないが、このベッドから出たら二人の旅行は終わってしまい帰らないと行けない。そう思うとベッドから出たくなくなる。帰りたくないな。でも、ミランちゃんやみんなに報告しなければ。

 やっと、みんなに心配されたり愛されることを素直に受けとれるようになったと思う。うん。帰ろう。

「ディランさん、まだ帰りたくないけど帰ろか」

「そうだな。レイを独り占めしたいが仕方ない」

 ディランさんが独占欲を見せてくれることが嬉しい。ディランさんは自分に自信がないみたいで嫉妬深いと言うがそんなことはない。たぶん俺の方が嫉妬深くて醜い感情がある。
 ディランさんは他人には愛されることはなかったかもしれないが家族には愛されている。何かあっても家族さえいれば乗り越えられることも多い。家族の愛を知っているから。
 俺は違う。愛と言うものをこの世界で知った。知ってしまった。だから、この幸せは何としても離さない。心の奥底で欲していた愛が今ここに存在している。ディランさんごめんな、愛を知らないものが愛をしるってことは麻薬のようなものなんだ。もう求めずにはいられない。ディランさん愛してる。愛してる。俺に愛を教えたことを後悔しないでくれよ。そんなことを考えながら帰りの準備を始めた。


「ディランさん愛してる。ずっとずっと一緒にいて欲しい」

「レイ、俺も愛してる。来世のその先もずっと一緒だ。離さない。レイに他に好きな奴が出来たら俺は、生きていけない」

 ディランさんが執着を見せてくれる言葉だけで俺は、心が震える。嬉しい。もっと執着して欲しい。束縛して欲しい。でもそれは言わない。みんな知ってるはず、男は追い掛けたい本能がある。すべて委ねて甘えるとよそに目が行くのだ。だから、あえて囲われ過ぎないようにする。働くのはそのためだ。隙があって取られそうだと思わせた方が嫉妬や執着が沸くのだ。
 
「ありがとう。俺なんか好きになるのはそんなにいないよ。見た目だけがこの世界で好かれているだけだ」

「もう、レイはわかってない。俺は心配だ。どんどん嫉妬深くなる」

「そんなところも好きだよ」

「知らんからな、俺の愛は重いぞ」

「クスクス」

 俺の愛はもっとだぞ。ディランさん。言葉に出さないけどね。あぁー幸せだ。俺を愛してるくれ必要だと言ってくれる。俺は、この世界で生きて行けそうだ。神様、ありがとう。俺はここで愛し愛される日々を送れそうです。



 
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