０(ゼロ)同士の恋愛 ほんとは愛されたい。【完結】

40 旅行に行ってきます

　旅行なんて初めて経験だ。修学旅行さえもお金がなくて行くことがなかったからだ。俺は、ドキドキしてなかなか眠れず朝を向かえてしまった。

「レイ、大丈夫か？」

「うん。ドキドキして寝れなかったけど、すごく楽しみだ」

「移動中に寝ていいから」

　ディランさんがそう言ってたくれたが、ディランさんこそ寝不足って顔をしていた。この頃、仕事が忙しいのかいつも遅くに帰ってきていた。

「ありがとう。ディランさんもこの頃忙しそうだっから、ディランさんも馬車で寝て下さいね」

　二人で馬車に乗り込みシマジ領まで5泊6日の旅行となった。昨日までミランちゃんと旅行の準備をし、ドキドキして寝れなかったため、俺は、すぐに馬車の中で寝てしまった。久しぶりにゆっくりディランさんと話せると思ったのにほぼ寝ているうち宿に到着してしまった。
　ディランさんにエスコートされて降りるとてもきれいなホテルの前だった。多分、高級ホテルだ。

「ディ　ディランさん、ここって」

「今日から2日はここのホテル」

「えっちょっと高級過ぎる気が」

「気に入らなかった？」

「きれい過ぎてビックリしてる。こんな良いホテルでいいのかなあ？」

「俺も分からないけど、色んな人に聞いて、ここがオススメだと言われて予約したけど嫌なら他に探そう」

「違う違う、気後れしてるだけ。あまりにも俺とかけ離れているから。なんな見られている気がするし」

「そんなことない。俺の方が似合わないがレイはこの雰囲気とあっている。みんな、レイがきれいだから見ているんだ。そして連れが俺だから、驚いているだけだ」

　ディランさんの方が雰囲気にあっている気がするが、それは、日本での感覚でこの世界では違うんだよな。俺は、ディランさんの高い身長や筋肉質の体型、黒髪が好きだ。こんな視線をディランさんが気にしないようにしなければ。
　
「ディランさんありがとう。こんなすごいところ。でもドキドキするから腕組んでもいい？エスコートしてくれる？」

「あぁ。行こうか」


　フロントでもディランさんを見てぎょっとする顔の奴等がいて本当に失礼だと思う。こんなに格好よくて優しいのに。俺は、つい、ディランさんがすごく良い男なんだと言いたくなったが、ここは高級ホテルだからぐっと我慢してた。でも、そんな奴等に聞こえるようにディランさんに甘えた声で言った。

「ディランさんすごいね。ディランさん格好良すぎ。ディランさんは、体が大きいだけじゃなくて心も大きくて大好き。ディランさんは色々なところが大きくて、俺、メロメロだよ。早く部屋に行きたい。二人になりたい。」

「レ　レイ。行こうか」

「うん」

　フロントの奴等や俺達を見ていた奴等をフンって顔して見てから、ディランさんに微笑みかけた。ディランさんは、耳が赤くなっていたが、俺の意図に気が付いたようで、腰を抱いて部屋までエスコートしてくれた。

「レイ、ビックリした。あんなところでいきなり言うから」

「だって、ムカつかたから。俺の好きな人を侮辱するような視線は腹立つ。ほんとにディランさん格好いいのに」

　まだ腹が立っていたが、部屋に入ったら一気にどこかに行ってしまった。