0(ゼロ)同士の恋愛  ほんとは愛されたい。【完結】

mamaマリナ

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35 仲直りのキスがファーストキス

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 ディランさんが爆弾発言をした。勃起してしまうんだ。ってそれってそういう目で俺を見てくれてるってことだよね。他の人とも経験がある俺が気持ち悪いって嫌悪してる訳じゃないよね。

 今、童貞って言ったよね。俺で抜いているって言ってたよね。俺のこと好き過ぎるって言ったよね?

「好き過ぎるってほんと?」

 俺は、久しぶりにディランさんの顔を見て言った。

「ほんとだ。好きなんだ。好き過ぎて嫌われたくなくて、見るだけで欲情している獣みたいな俺を見られたくなくて避けてしまった」

 良かった。嫌われたんじゃなかった。分かるとポロポロと涙が出てきた。辛かった。好きなのに嫌われたと思ったから。

「ゼ、ゼロ」

 ディランさんが慌てている。クスクス泣きながら笑えてくる。俺は、やっぱりこの人が好きだ。お互いに嫌われたくなくて、嫌われたと思って。何やっているんだほんと。

「ディランさん、俺もディランさんのこと好き過ぎて、嫌われたと思って辛かった」

「すまん。俺が情けないばかりに」

 ディランさんにそういう経験がないのはなんとなく分かっていたのに俺もバカだ。こんなに格好いいのにこの世界では嫌われてしまうんだもんな。俺がグイグイいかないダメなんだよな。俺は、それなり経験あるし色恋の駆け引きで体売っていたんだから、俺がんばる。

「ディランさんのせいで辛かった。慰めて」

「えっ、」

「抱きしめて」

「えっ」

「俺に触れるの嫌か?」

「嫌じゃない、触れたい」

「じゃあ、して」

 ディランさんが近くまで来てくれゆっくりと抱きしめてくれる。恐る恐る抱きしめてくれるディランさんがほんとに愛おしい。つい、胸板にスリスリと頬をすり付け抱き返すとビクっとディランさんが震えた。そして、お腹の辺りに硬いモノが触れるのが分かった。ディランさんがスッと腰を遠さけるが俺は許さず、俺がギュッと引っ付いた。

「ゼ ゼロ あの悪いけど、分かると思うけど」

「分かってやってる。俺は、俺に欲情してくれてるのが嬉しい。だから隠さないで」

「いいのか?こんなに直ぐに反応してしまうんだぞ」

「いい。嬉しい。男なら仕方ない。反応されない方が悲しい」

 ディランの胸の中からディランさんを見上げると少し困った顔をしながらでも嬉しそうな顔が見えて俺は、胸がいっぱいになった。

「ディランさん、お願いがあるんだけど」

「何?」

「仲直りのしるしにキスして」

「えっ」

「キス嫌なのか?俺はしたい。俺も男だから性欲あるしエロいこと考える」

 この世界で俺は、きれいらしい。性欲なんてなさそうに見えるのかもしれない。もうすれ違わないように言わないと。

「ディランさん好きなんだ。キスして欲しい」

「俺も好きだ、ゼロ。キスしたい。上手く出来なかったらすまん。初めてだ」

「うん。嬉しいキスして」

 ディランさんの顔がゆっくり近づいてきて、優しいキスをした。唇が離れては、また触れる。そんなキスを何回もした。
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