0(ゼロ)同士の恋愛  ほんとは愛されたい。【完結】

mamaマリナ

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27 ディランの悩み

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 昨日もゼロとデートをした。初デートから1ヵ月は経過した。だが、手を繋ぐことしか出来ない。手を繋ぐだけで本当に満足なんだが、キ キスもしたいと欲が出てきてしまった。アランに色々教えてもらっているし、ゼロもあれについて聞いていたから、いつかはと思っているが、いつのタイミングでキスに進めていいのかわからない。一般的に、最後までというのは婚約者同士やかなり付き合いの長い者たちかそういうお店だという認識なんだが、その間がわからない。

 つい唇を見てしまう。あの小さな可愛い唇が動く度にドキドキし、一緒にご飯を食べる時にチラッと見える舌が赤くて、下半身がグッとなりそうになる。なりそうになるだけで、かろうじてなってはいない。たまに危ないこともあるが。

 キスはどのタイミングでしたら良いのだろうか?いきなりして嫌われないだろうか?ぐちゃぐちゃと考えているうちに毎回デートが終わってしまう。俺はなんてへたれ何だろう。いや、1ヵ月では、早いのかもしれないし。



「はぁー、どうしたら」

「ディランどうしたんだ?何か困り事でもあるのか?」

 しまった、仕事中だった。でも、隊長なら経験豊富そうだし。聞いてみようか、でも、みんなが当たり前に経験していることを聞くなんて…。いや、聞こう、恥を捨てよう。

「隊長。あのー、隊長のファーストキスはいつですか?」

「俺のか?かなり前だからなぁ。17ぐらいか?」

「えっそんなに早かったんですか?」

「遅い方だぞ。あぁ、そういうことか。あの美人さんと付き合いだしたんだったよな。街で噂になってるよな」

「いや、はい、そうです。付き合って1ヵ月です」

「それでキスに悩んでいるのか?お前まだなのか?」

「はい。恥ずかしながら、ファーストキスさえまだのため、どのタイミングでキスをして良いのかも」

「あー、キスはけっこう気軽にする奴が多いぞ。貴族だから、まあ、最後まではなかなかしないが、キスぐらいなら会ったその日とかもあるぞ」

「へっ えっ、エーッ。うそ」

「マジだ。目が合って見つめ合う時があったらさりげなくだ。まぁ、不意打ちもいいがな」

「そんな高度なこと出来ません」

「とりあえず、なんか良い雰囲気の場所に行って、ふと無言になり見つめ合ったらする」

「俺、で、できますかねぇ?」

「やるしかないだろうが。キスしたいんだろう。美人さんの可愛い唇が欲しいだろう。たぶん柔らかいぞ」

「うっ、はい。頑張ります」

「はぁーデカイ図体して情けない。魔獣の時は、先頭に立つ癖に」

「それとこれは違います」

「まぁ検討を祈る」

「キスしたら嫌われませんか?」

「あのなー、嫌いな奴にされたら嫌われるが、お前と付き合っているんだろ。お前のことが好きなら大丈夫だ」

「そうですか。心配で」

「お前が不安になるのも分かるが、相手はお前のことが好きなんだからそういう態度でずっといると嫌われるぞ。自信が無さすぎるのは、イヤって」 

「うっ、痛いです」

「まあ、頑張れよ。男気みせろ」

「はい」
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