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13 ゼロとディラン
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「ゼロ、ゼロは手先か器用なんだな。職人みたいってミランダが言っていた。」
「ディランさん。そこまでではないですよ。」
「ゼロは、俺が嫌いか?」
「えっ、そんなことはないです。」
「でも、俺にだけ距離がある。壁がある。俺は、ゼロが好きだから分かる。」
「……ごめんなさい。」
「それは、何のごめんなさい?俺は、ゼロが好きなんだ、初恋だ。運命だと思っている。」
「ディランさん、気のせいですって。俺が怖くないって言ったから、好きになった気がしているだけだ。」
「違う、本当に好きなんだ。」
「俺のどこがいいんだよ、何も知らないくせに。」
「俺は、知らないかもしれないが、ゼロのことなら全部知りたい。」
「無理だ。俺は、底辺を生きて来たんだ。違うんだ」
「前のことなんか関係ない。」
「知らないからそんこと言えんだよ。」
「教えてくれ、何がそんなに違うんだ。」
「しつこいよ。もう行くから。」
「ゼロ、待って。」
ディランさんを振り切り部屋に戻る。知られたら、知られたら、無理だよ。言えないよ。みんなに嫌われ、汚い物をみる目で見られるんだ。伯爵家のみんなは優しいから、哀れみ同情するだろう。そして、腫れ物扱いされるんだ。
ディランさんのこと嫌いじゃない。好みのタイプなんだから、毎日話しかけてくれ、好きなんだ、気付いてくるってあんな目で見られたら、こっちだってその気になりそうだよ。でも、俺は、無理なんだ。教えずに付き合えるならそうしたい、でも、出来ない。今でさえ、みんな優しくて辛い。もし隠して付き合えても、体を売って生活していことが無くなることはない、隠していることがもっと辛くなる。神様、なんで転移だったんだ。
早く早く離れないと。まだ大丈夫。まだ好きじゃない。今なら大丈夫。この世界で物を作って金を稼いで誰にも文句言われないようにしないと。俺が必要とされるような仕事をしなきゃ。迷惑かけたくない。
ゼロは、何を抱えているだ。何に傷ついているのだろうか。あんな表情やあんなことを言わせてしまった。俺じゃあダメなんだろうか。ゼロのことが知りたい。どんなことを抱えていてもゼロがゼロでいてくれる限り俺は、愛したい。
俺は、何も経験もしていない、わからない。傷つくことに恐れて、今まで何もしてこなかった。だけど、ゼロだけは、ゼロだけには、逃げたくない。嫌がられても向かっていく。本気でゼロが好きだ。
「ディランさん。そこまでではないですよ。」
「ゼロは、俺が嫌いか?」
「えっ、そんなことはないです。」
「でも、俺にだけ距離がある。壁がある。俺は、ゼロが好きだから分かる。」
「……ごめんなさい。」
「それは、何のごめんなさい?俺は、ゼロが好きなんだ、初恋だ。運命だと思っている。」
「ディランさん、気のせいですって。俺が怖くないって言ったから、好きになった気がしているだけだ。」
「違う、本当に好きなんだ。」
「俺のどこがいいんだよ、何も知らないくせに。」
「俺は、知らないかもしれないが、ゼロのことなら全部知りたい。」
「無理だ。俺は、底辺を生きて来たんだ。違うんだ」
「前のことなんか関係ない。」
「知らないからそんこと言えんだよ。」
「教えてくれ、何がそんなに違うんだ。」
「しつこいよ。もう行くから。」
「ゼロ、待って。」
ディランさんを振り切り部屋に戻る。知られたら、知られたら、無理だよ。言えないよ。みんなに嫌われ、汚い物をみる目で見られるんだ。伯爵家のみんなは優しいから、哀れみ同情するだろう。そして、腫れ物扱いされるんだ。
ディランさんのこと嫌いじゃない。好みのタイプなんだから、毎日話しかけてくれ、好きなんだ、気付いてくるってあんな目で見られたら、こっちだってその気になりそうだよ。でも、俺は、無理なんだ。教えずに付き合えるならそうしたい、でも、出来ない。今でさえ、みんな優しくて辛い。もし隠して付き合えても、体を売って生活していことが無くなることはない、隠していることがもっと辛くなる。神様、なんで転移だったんだ。
早く早く離れないと。まだ大丈夫。まだ好きじゃない。今なら大丈夫。この世界で物を作って金を稼いで誰にも文句言われないようにしないと。俺が必要とされるような仕事をしなきゃ。迷惑かけたくない。
ゼロは、何を抱えているだ。何に傷ついているのだろうか。あんな表情やあんなことを言わせてしまった。俺じゃあダメなんだろうか。ゼロのことが知りたい。どんなことを抱えていてもゼロがゼロでいてくれる限り俺は、愛したい。
俺は、何も経験もしていない、わからない。傷つくことに恐れて、今まで何もしてこなかった。だけど、ゼロだけは、ゼロだけには、逃げたくない。嫌がられても向かっていく。本気でゼロが好きだ。
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