0(ゼロ)同士の恋愛  ほんとは愛されたい。【完結】

mamaマリナ

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8 壁があります

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「ゼロ」

「ディランさんどうしたんですか?」

「あの、これ、お菓子美味しいから食べて」

「ありがとうございます。」

 あっ、行ってしまった。眠っていた時は、あんなに話せたのに、触れることも出来たのに。はあー。

「ディラン、情けないわねぇ。」

「そうよ、ディランお兄様。一緒に食べようとか言わないと。」

「もっと押さないと」

「分かっているが、分かっていても出来ないんだ」

「まぁ、壁があるわよね。」

「壁?私にはないわよ。仲良く話してくれるし。見て、このコサージュ。ゼロが作ってくれたの。」

「あら、すごいわね。」

「ドレス汚してしまって、捨てるしかないって言ったら、ドレスでコサージュと髪飾り作ってくれたの。」
 
「ゼロは、手先が器用ね。」

「ミランダより先にお嫁に行きそうね。」

「ダメだ、絶対ダメだ、」

「だめなら、何とかしなきゃ。」

「そうよ、格好いいってそれなりに思われているんだから。」

「でも、かっこいいと好きは、違うわ、お母様」

「それは、言わないの。」


 ゼロは、私に壁がある。気がついているからだ。俺がゼロを好きだと。だから、一線を引かれている。もし、俺が好きだと伝えたら、ゼロは、出て行ってしまうかも知れない。だから、怖くて伝えられない。それでなくても、恋愛経験0の俺は、気の聞いセリフや告白も出来ない。はあー、どうしたらよいのか?

「ミランダ、どうすれば良いと思う?」

「えっ、私に聞くの?」

「兄上は、許嫁がいて当たり前のように幼い頃から思い合っていたし。ミランダは、どんなことされたらうれしいのか?」

「はあー、そこから。」

「ディランに協力してあげて。」

「まぁ、仕方ないかぁ」

「ゼロにどんな人が好きか聞いてみるね。もしかしたら、ゼロは、受け入れる方ではないかもしれないし。」

「そうなのか?そうだから、壁があるのか?」

「違うと思うわよ。でも、それなりの覚悟や広い心の持ち主でなければ、私のかわいいもう一人の息子ゼロをお嫁に行かせられないわよ。」

「うん。私のかわいいもう一人のお兄様は、そんな弱気なやつにあげられないわ。」

「ヒントは、落ち人よ。」

「落ち人のことを知れば何か分かるのか?」

「さぁ、まぁ、頑張ってね。私もゼロにコサージュ作って貰おうかしら。うふふ。」

「お兄様頑張って」

 落ち人についてか。なら奴に聞いて見るか。
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