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56、脱バージンのお相手

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 ついにこの日がやってきた。今日、俺は抱かれるらしい。まだ、実感もなく緊張で眠れないなどもなく爆睡できた。俺、ほんとに抱かれるのだろうか。これは、夢の中で長い夢を見ているだけとかそんなオチであって欲しい。

「かえで、そろそろオープンの時間だ。部屋で待機していてくれ」

 オーナーの言葉でやっぱり夢オチなんてないと思いながら部屋にいく。もう、ここまで来たしな。

「服はどうしたらいいんだ?いつものシャツでよいのか?透け透けの下着か?困る。それに、どんな顔で待っていたらいいんだよ。女の子がラブホとかでシャワー浴びた後とか彼氏のシャワー待ちってこんな気持ちなのかもな。こんな気持ち知りたくなかったわ」

 一人ででかい独り言を言いながらいつものシャツに袖を通してベッドに座った。



コンコン

 ノックされた、ついにか。

「はい。どうぞ」


◆◆◆◆


「かえで」

 えっ、なんで。そうなんだ。想像と違った。

「おい、不満なのか?誰だと思っていたんだ?」

 しまった。つい顔に出してしまった。だってそこはないかなぁって思っていたし。

「ごめん、獣人は無理かなぁってオーナーたち言っていたから」

「あぁ、あの話を聞いた時は一瞬絶望したが、俺を誰だと思っているんだ」

「俺様のレオン様」

「そう。俺様だ。あんな若造と一緒にされたくないぞ」

 そうだよな。経験値も違うだろうしな。でも、びっくり、キド様かラーゼン様だと想像してた。

「おい、今、誰を想像していたんだ。キドか?それとも魔王か?」

 するどいなぁ。

「うん」

「俺も話を聞いた時、あぁ、キドになるのかと思ったが、でもそれも無理だろうなぁと思ってた」

「魔王様は?魔王様になると思わなかった?」

「魔王は、ヤバいだろう。バージンを捧げたら、そのまま独り占めしてかえでを放さないだろう。そのまま連れてかれて監禁される可能性が高いからな」

 あぁ、なんか納得。あの人?魔王様は、ほんとの俺様だからな。でも、キド様は?

「キドは、一番の有力候補だったことは本当だ」

 なんでキド様じゃないだ?

「今、なんてキドじゃないかっておもっただろう。傷付くなぁ」

「あっ、ごめん。レオン様がヤダってことはないんだ。不思議で」

「俺の理由は、俺がバージン貰うのが一番良いってオーナーに持ちかけたからだ」

 えっと、どうしてレオン様か一番良いんだ?

「確かにキドが初めの方が安心ってのはわかるが魔王が納得しないだろってなってな」

 よく意味が分からない?納得ってなんだよ?

「まぁ、魔王がかなり本気だから、魔王が納得する相手でかえでに害を与えない相手は俺しかいないだろうってさ」

「なんで、レオン様なら魔王様が納得するんだ?」

「まぁ、それなりの理由がある。俺は、この国の王弟だ。まぁ3番目だけどな」

「王弟って、お兄ちゃんが王様?」

「そうそう、俺は、スペアにもならないから自由気ままに冒険者してるって訳」

「そうなんだ。びっくり。へぇー、王様の弟」

 そっか、ここ王国だしな。確かに王様いるわな。

「魔王は、お忍びでこの国にやって来ているからな。本来なら通達が必要なんだ。でも、ここにしか来ないから目をつぶっている。だから、そういうのとか合わせて考えると俺が一番だと売り込んだ」

 そりゃあ、そうだよな。まぁ、なんか納得。レオン様ならこの国の王弟だから仕方ないってなるかぁ。

「レオン様が王弟ってみんな知っているの?」

「知らないさ。冒険者になってから王弟って素性を明かしたのは初めてだ。みんなは知らない明かしたのはここのオーナー達だけだ」

「ラーラちゃんは?」

「知らないはずだ。ライオン獣人は、案外いるんだよ」

「そうなんだ、でも今回のことでバレるかもね」

「まぁ仕方ない。で、そろそろお話は終わりとしようぜ」
「大丈夫。優しくする、まぁ、俺は大事な獲物は少し虐めちゃうけどな。いっぱい可愛がるから。痛くはしない」

 うっ、そうですよね。そのためにここにいるんですよね。その目がもう俺を獲物として捕らえている。なんかエロいし。

「あっ、うん。お願いします。レオン様になら食べられても良いってなんか思います」

 捕食者と被食者だ。怖いのに怖くないように快楽を感じるように脳内麻薬が出ている感じ。

「あぁ、可愛いなぁ。そういうところ初めからそそっていた。さぁ、楽しもう」
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