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24、お客様第一号が決まりません

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 初出勤?と言うか初見世の日となった。が、俺は、部屋でボーッとしてる。何故なら、俺のお客様第一号が決まらないからだ。みんな、何人かこの人ならって人の名前あげているんだが一人に絞れないらしい。
 俺は、今日のためになんか色々きれいにしたりとかシュミレーションとかそれなりに頑張っていたのにさ。なんか拍子抜けって感じ。そりゃぁ、好きで男に媚び売りたいなんて思わないけど、仕事ならきちんとやるべきだろ。借金もあるから仕事しないとまずい訳でサクサクと仕事として割り切ってしたいのにこんな感じで力抜けたわ。

「すみませんね、かえでさん」

「まぁいいけどね。いつ決まりそう?」

「そうですね、数日にはと言いたいです」

「あっー面倒だよ。俺が決めるわ。ほら、お客様候補の名前書いて混ぜてくれたら俺が決めるわ。」

 くじだくじ。もう決まらない時はくじ引きだ。俺は、もう誰だっていいんだから。

「はっはい、準備してきます」


 数分待っていると、オーナーとナリーイさんが部屋にきた。紙もってるし、理解してもらえたな。

「かえでが決めるのか?」

「そうそう。くじ引きだよ。それなら公平だ。まぁ運だね。俺が選んだんだから光栄だろ」

 なんてちょっと偉そうに言ってみた。なんせ処女に10億だぜ。まぁ、今日、処女喪失って訳じゃないけど、初見世だからな。それなりに価値あるだろ。

「そうだな。選ばれし幸運な奴は誰になるだろうな」

「でも、選んだとしてもそいつが俺を買いたいって言わないかもよ」

「そんなことはないですよ。もう、皆様にはお話をしてあります。皆様大変喜んでいます。早く会いたいとおっしゃっていますよ」

「あっ、へぇー」

 まじですか、話すだけなのにな。人間ってだけでいいんか。なんかそれはそれで微妙だな。とりあえず、この中から一枚選びますかね。

「じゃあ、これにする」

「はい。じゃあ見ますね。私まで緊張します」

 ナリーイさんもオーナーとなんかソワソワしてる。獣人って耳やしっぽで分かるから面白いな。

「では、かえでさん、お客様のお名前読んで下さい」

「ジェイド・アンダイン様」

「決まりましたね」
「決まったな」

 ジェイド様かぁ。なんかカッコいい名前だな。

「ねぇ、どんな人?何歳?」

「簡単に説明しますね。ジェイド様は公爵家の四男で、犬獣人です。ご年齢は、28歳で独身でオーナー達と同級生です。オーナーの推薦ですね」

「ジェイドかぁ、まぁ、確かに俺が推薦したがなんかやだな。かえでのお客様はやっぱり俺がなる」

「そんなこと言っているから決められなかったんじゃないですか」

 ナリーイさん目がつり上がった。そういうことか決まらなかった理由。納得。

「オーナー、ジェイド様はどんな人?」

「パッと見は、高飛車で冷たい奴に見えるけど、根はかなり真面目だし良い奴だ」

 ふーん。と言うか、オーナーって28歳だったんだ。30超えていると思った。支配人も店長も28歳。獣人の年齢ってわかんないな。ナリーイさんって何歳何だろう?年齢不詳だ。まじまじとナリーイさんを見た。

「かえでさん大丈夫ですか?」

「あっ大丈夫です。今日、ジェイド様って来店しますか?」

「これから連絡しますがたぶん来ますよ」

「了解です」

 よっし、頑張るかな。
 
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