89 / 306
第四章 悪逆の道化師
曲がり角の狙撃手
しおりを挟む
アーカムは考える。
(人狼が相手の時は……)
かつての師匠の講義を思いだす。
「吸血鬼と違って比較的、再生能力の低い厄災さ。私の感覚からすると、それなりに戦いやすいイメージはあるねぇ」
「なるほど。雑魚と」
「そこまで言ってないさ。その分、他の生物から命を吸い取って身体を癒したり、腹を満たしたりする者だから余計にタチは悪いんだけどねぇ」
「クズじゃないですか」
「厄災は皆、クズばかりさ。人狼の吸魂領域《きゅうこんりょういき》の射程は個体差が激しいが、おおよそ20mくらいと思っておけばいい。この領域に足を踏み入れると、だいたい数十秒であの世へ逝ける」
「嬉しくないんですけど。それ無敵すぎませんか?」
「そうでもない。狩人は長いこと人狼と戦って来たんだ。攻略手段はおおむね確立しているさ。まあ、その分、狩人を知る人狼は対策をしてくるけどねぇ」
「手段……そんなものがあるんですか?」
「思い出すんだよ、アーカム、狩人には怪物たちを退ける武器があったはずだ」
「アルドレア様、ネズミが!」
エレントバッハの声に回想から引き戻されるアーカム。
見れば、足元にネズミにいた。
「ネズミがいるなんておかしいと思いませんか!」
「……おかしいですかね?」
そう言ったあとに、アーカムの直感がネズミを叩き潰すことを推奨して来た。
ゆえにアーカムは本能のままにネズミを思いきり蹴り飛ばし、壁に叩きつける。
「あ、アルドレア様?」
「おかしいです。ネズミがいるなんて」
「で、ですよね!」
直感が告げてくる。
「エレントバッハさん、どうやら僕たちは敵に見つかったようです」
「え?」
────
──フローレンスの視点
「ああ、見つけたのね」
微笑むフローレンス。
「デスタ、お願いしますね」
「ゥ! ゥゥ! フロー、レンス、ウゥ、ゥ!」
フローレンスが杖の先端でデスタの首筋を優しく撫でる。
すると、黒い模様が浮き出て、蛇ように皮膚の下を這いずって蠢いた。
デスタの人体変態が始まった。
ガキガキ、ゴギゴギ、骨格が変形していき、筋肉の体積が増していく。
肌を焼くほどの熱い蒸気とともに、身体の各部位から豊かな剛毛と、鋭い牙と、尖った爪が生えてくる。
変身が終わった。
そこにはもう線の細い青年はいない。
いるのは身長3mの筋骨隆々の獣だ。
背中が酷く曲がっていて、口からは獰猛な唸り声が絶えず漏れていて、とても不気味である。
フローレンスはデスタの背中の毛に掴まる。
デスタが猛スピードで駆けだした。
曲がり角をいくつか経て、眷属がアーカムたちを見つけた元へ、たどり着く。
「おかしいですね。ここにいるはずですけれど」
壁に血の模様を描くネズミの遺体。
肉塊から復活して、再び動きはじめ、フローレンスの体に戻って来て、腕の肉の一部となった。
「もう一度、探しますか──」
そう言いかけた瞬間。
曲がり角をナニかが高速で曲がってくる。
ソレは空気を斬り裂き、狙い違わずにフローレンスの身体を弾き飛ばした。
ちいさな身体がゴロゴロと。
ふかふかの絨毯のうえを転がっていく。
(い、痛いっ! なんて、容赦がないの……っ。これはエレンの魔術じゃない、あのボロ雑巾のですね……というか、魔術師だったの、あのボロ雑巾……)
フラフラと立ちあがり、フローレンスは脱却した肩をハメ直す。
(今、曲がり角を曲がって飛んできたように見えましたけど──)
2発目。
フローレンスは目を見開く。
本当に曲がり角を曲がって、風の玉が飛んできていた。
フローレンスは飛び込むようにして、慌てて絨毯に伏せた。
風が頭上を通りすぎていき、背後の壁に穴を空ける。
穴は数センチの深さに達していた。
(さっきより高威力……食らったら良くて骨折、悪くて即死ですね……)
「信じられませんが、あのボロ雑巾の実力を改める必要があるようですね」
(撃っているのはおそらく《ウィンダ》。私も使えるから分かります。ですが、コントロールが異次元の領域ですね。3mの幅しかない曲がり角を通すなんて、正気とは思えませんね。1発目の威力が弱かったのは、おそらく自信がなかったから。つまり、調整用の初撃。二撃目は感覚を掴んだ証拠。恐ろしいセンスですね……おそらく、三撃目が二撃目より威力で劣ることはない。いえ、むしろ威力を上げてくる可能性のほうが高い……)
フローレンスの想像通り、三撃目は二撃目よりも速く、鋭く、それでもって形状も玉ではなく、小さな槍のようになっていた。
殺意の高すぎる攻撃だ。
これで運が良くても致命傷確定コースだ。
「デスタ!」
「ゥゥ!」
人狼デスタは手で風槍を叩き落とす。
(見えてないのにどうやってこんな正確に)
「っ、あれは!」
フローレンスは廊下の曲がり角の近くに光るものを見つけた。
ふかふかの赤い絨毯のうえ、壁に立てかけるようにして置いてある。
それは歪な形をしている。
光沢があり、表面には曲がり角の向こう側の景色が見えた。
(あれです! あの反射する金属を使ってこちらの位置を見ているのですね!)
だとすれば、曲がり角の向こうにボロ雑巾とエレントバッハはいる。
そう確信して、フローレンスはデスタの背に捕まり、反射する金属へ突貫させると、イライラの感情のままに叩き潰させた。
そして、角の向こうに潜んでいる嫌らしい戦術家を八つ裂きにしてやろうとし──
(え?)
いなかった。
曲がり角の向こう側。
ボロ雑巾はいなかった。
代わりにあったのは、床に置かれたもう一枚の反射板。
それを見た瞬間、フローレンスの頭に疾風が突き刺さり穴が空いた。
────
「アルドレア様どうですか?」
「感触はありました。次は当てます」
アーカムは左手に銀食器を叩き潰して作った手鏡をもって、右手のコトルアの杖で狙いをつける。
曲がり角を3つ経由しての狙撃だ。
それぞれの角には、チャップリンがケーキを食べていた机からくすねてきた銀食器を潰してつくった鏡を置いて来てある。
それによって、風の玉を3つの曲がり角の先へ撃ち込む離れ業が可能になっているのだ。
(厄災と正面切って戦うのはハッキリいって自信ないし、普通に嫌だ。だから、悪いけどあの可愛いお嬢様の脳みそぶちまけることに全集中の呼吸を使わせてもらいますよっと)
「ここ」
放たれる二撃目。
(避けられたんだけど)
「ここ」
(うわ、人狼にははたき落とされた。見えてんじゃん、やばいって。見えるなら先に言ってよ、話違うじゃん)
曲がり角を曲がって来た。
「当てました」
アーカムは顔色ひとつ変えずに告げる。
エレントバッハはアーカムの肩にから身を乗りだし、彼の手元の鏡に見た。
恐ろしい獣の背中から、フローレンスが落下する。
血がたくさん出ている。当たった個所を考えれば即死だ。
「アルドレア様……流石です……」
(本当にこの人何者なんだろう……)
エレントバッハはアーカムへの尊敬を募らせると同時に、神業を連発しすぎて、すこし恐くなりはじめるのだった。
(人狼が相手の時は……)
かつての師匠の講義を思いだす。
「吸血鬼と違って比較的、再生能力の低い厄災さ。私の感覚からすると、それなりに戦いやすいイメージはあるねぇ」
「なるほど。雑魚と」
「そこまで言ってないさ。その分、他の生物から命を吸い取って身体を癒したり、腹を満たしたりする者だから余計にタチは悪いんだけどねぇ」
「クズじゃないですか」
「厄災は皆、クズばかりさ。人狼の吸魂領域《きゅうこんりょういき》の射程は個体差が激しいが、おおよそ20mくらいと思っておけばいい。この領域に足を踏み入れると、だいたい数十秒であの世へ逝ける」
「嬉しくないんですけど。それ無敵すぎませんか?」
「そうでもない。狩人は長いこと人狼と戦って来たんだ。攻略手段はおおむね確立しているさ。まあ、その分、狩人を知る人狼は対策をしてくるけどねぇ」
「手段……そんなものがあるんですか?」
「思い出すんだよ、アーカム、狩人には怪物たちを退ける武器があったはずだ」
「アルドレア様、ネズミが!」
エレントバッハの声に回想から引き戻されるアーカム。
見れば、足元にネズミにいた。
「ネズミがいるなんておかしいと思いませんか!」
「……おかしいですかね?」
そう言ったあとに、アーカムの直感がネズミを叩き潰すことを推奨して来た。
ゆえにアーカムは本能のままにネズミを思いきり蹴り飛ばし、壁に叩きつける。
「あ、アルドレア様?」
「おかしいです。ネズミがいるなんて」
「で、ですよね!」
直感が告げてくる。
「エレントバッハさん、どうやら僕たちは敵に見つかったようです」
「え?」
────
──フローレンスの視点
「ああ、見つけたのね」
微笑むフローレンス。
「デスタ、お願いしますね」
「ゥ! ゥゥ! フロー、レンス、ウゥ、ゥ!」
フローレンスが杖の先端でデスタの首筋を優しく撫でる。
すると、黒い模様が浮き出て、蛇ように皮膚の下を這いずって蠢いた。
デスタの人体変態が始まった。
ガキガキ、ゴギゴギ、骨格が変形していき、筋肉の体積が増していく。
肌を焼くほどの熱い蒸気とともに、身体の各部位から豊かな剛毛と、鋭い牙と、尖った爪が生えてくる。
変身が終わった。
そこにはもう線の細い青年はいない。
いるのは身長3mの筋骨隆々の獣だ。
背中が酷く曲がっていて、口からは獰猛な唸り声が絶えず漏れていて、とても不気味である。
フローレンスはデスタの背中の毛に掴まる。
デスタが猛スピードで駆けだした。
曲がり角をいくつか経て、眷属がアーカムたちを見つけた元へ、たどり着く。
「おかしいですね。ここにいるはずですけれど」
壁に血の模様を描くネズミの遺体。
肉塊から復活して、再び動きはじめ、フローレンスの体に戻って来て、腕の肉の一部となった。
「もう一度、探しますか──」
そう言いかけた瞬間。
曲がり角をナニかが高速で曲がってくる。
ソレは空気を斬り裂き、狙い違わずにフローレンスの身体を弾き飛ばした。
ちいさな身体がゴロゴロと。
ふかふかの絨毯のうえを転がっていく。
(い、痛いっ! なんて、容赦がないの……っ。これはエレンの魔術じゃない、あのボロ雑巾のですね……というか、魔術師だったの、あのボロ雑巾……)
フラフラと立ちあがり、フローレンスは脱却した肩をハメ直す。
(今、曲がり角を曲がって飛んできたように見えましたけど──)
2発目。
フローレンスは目を見開く。
本当に曲がり角を曲がって、風の玉が飛んできていた。
フローレンスは飛び込むようにして、慌てて絨毯に伏せた。
風が頭上を通りすぎていき、背後の壁に穴を空ける。
穴は数センチの深さに達していた。
(さっきより高威力……食らったら良くて骨折、悪くて即死ですね……)
「信じられませんが、あのボロ雑巾の実力を改める必要があるようですね」
(撃っているのはおそらく《ウィンダ》。私も使えるから分かります。ですが、コントロールが異次元の領域ですね。3mの幅しかない曲がり角を通すなんて、正気とは思えませんね。1発目の威力が弱かったのは、おそらく自信がなかったから。つまり、調整用の初撃。二撃目は感覚を掴んだ証拠。恐ろしいセンスですね……おそらく、三撃目が二撃目より威力で劣ることはない。いえ、むしろ威力を上げてくる可能性のほうが高い……)
フローレンスの想像通り、三撃目は二撃目よりも速く、鋭く、それでもって形状も玉ではなく、小さな槍のようになっていた。
殺意の高すぎる攻撃だ。
これで運が良くても致命傷確定コースだ。
「デスタ!」
「ゥゥ!」
人狼デスタは手で風槍を叩き落とす。
(見えてないのにどうやってこんな正確に)
「っ、あれは!」
フローレンスは廊下の曲がり角の近くに光るものを見つけた。
ふかふかの赤い絨毯のうえ、壁に立てかけるようにして置いてある。
それは歪な形をしている。
光沢があり、表面には曲がり角の向こう側の景色が見えた。
(あれです! あの反射する金属を使ってこちらの位置を見ているのですね!)
だとすれば、曲がり角の向こうにボロ雑巾とエレントバッハはいる。
そう確信して、フローレンスはデスタの背に捕まり、反射する金属へ突貫させると、イライラの感情のままに叩き潰させた。
そして、角の向こうに潜んでいる嫌らしい戦術家を八つ裂きにしてやろうとし──
(え?)
いなかった。
曲がり角の向こう側。
ボロ雑巾はいなかった。
代わりにあったのは、床に置かれたもう一枚の反射板。
それを見た瞬間、フローレンスの頭に疾風が突き刺さり穴が空いた。
────
「アルドレア様どうですか?」
「感触はありました。次は当てます」
アーカムは左手に銀食器を叩き潰して作った手鏡をもって、右手のコトルアの杖で狙いをつける。
曲がり角を3つ経由しての狙撃だ。
それぞれの角には、チャップリンがケーキを食べていた机からくすねてきた銀食器を潰してつくった鏡を置いて来てある。
それによって、風の玉を3つの曲がり角の先へ撃ち込む離れ業が可能になっているのだ。
(厄災と正面切って戦うのはハッキリいって自信ないし、普通に嫌だ。だから、悪いけどあの可愛いお嬢様の脳みそぶちまけることに全集中の呼吸を使わせてもらいますよっと)
「ここ」
放たれる二撃目。
(避けられたんだけど)
「ここ」
(うわ、人狼にははたき落とされた。見えてんじゃん、やばいって。見えるなら先に言ってよ、話違うじゃん)
曲がり角を曲がって来た。
「当てました」
アーカムは顔色ひとつ変えずに告げる。
エレントバッハはアーカムの肩にから身を乗りだし、彼の手元の鏡に見た。
恐ろしい獣の背中から、フローレンスが落下する。
血がたくさん出ている。当たった個所を考えれば即死だ。
「アルドレア様……流石です……」
(本当にこの人何者なんだろう……)
エレントバッハはアーカムへの尊敬を募らせると同時に、神業を連発しすぎて、すこし恐くなりはじめるのだった。
0
お気に入りに追加
588
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
何でリアルな中世ヨーロッパを舞台にしないかですって? そんなのトイレ事情に決まってるでしょーが!!
京衛武百十
ファンタジー
異世界で何で魔法がやたら発展してるのか、よく分かったわよ。
戦争の為?。違う違う、トイレよトイレ!。魔法があるから、地球の中世ヨーロッパみたいなトイレ事情にならずに済んだらしいのよ。
で、偶然現地で見付けた微生物とそれを操る魔法によって、私、宿角花梨(すくすみかりん)は、立身出世を計ることになったのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
黒いモヤの見える【癒し手】
ロシキ
ファンタジー
平民のアリアは、いつからか黒いモヤモヤが見えるようになっていた。
その黒いモヤモヤは疲れていたり、怪我をしていたら出ているものだと理解していた。
しかし、黒いモヤモヤが初めて人以外から出ているのを見て、無意識に動いてしまったせいで、アリアは辺境伯家の長男であるエクスに魔法使いとして才能を見出された。
※
別視点(〜)=主人公以外の視点で進行
20話までは1日2話(13時50分と19時30分)投稿、21話以降は1日1話(19時30分)投稿
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~
はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。
俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。
ある日の昼休み……高校で事は起こった。
俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。
しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。
……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる