403 / 415
第二十三節・最終決戦
第384幕 勇者と呼ばれた者の意地
しおりを挟む
ヘルガの銃の攻撃はいつも以上に冴え渡っていた。以前から俺の死角を突くように攻撃してきたけれど、今はそれを時間差でやってのけていた。それだけじゃない。広範囲の面の攻撃を得意していたが、ナイフと銃を織り交ぜた攻撃を次々と繰り出してくる。
「くっ……腕を上げたな。ヘルガ」
「貴方にはわからないでしょうね! 私が……どれだけ……!」
怒りを滲ませながらも、冷静さは保った攻撃だ。死角から飛んできた銃弾を防いでいる間に、ヘルガは俺の懐に飛び込んできて、ナイフを振るってくる。挙句、空振りをしたと判断したと同時に『空間』の魔方陣を展開して、刃だけで俺の首筋を狙ってきた。
「ちっ……」
「グレリア! 今度こそ……今度こそ、仕留めてやる!!」
「ふ、ふふっ……流石、シアロルの――いや、最後の勇者だ」
「私はね、その呼び方が一番嫌いなのよ。『勇者』なんて、私たちが祭り上げただけの操り人形。傀儡の称号なんて……虫唾が走る!」
吐き捨てるように言っているヘルガの猛攻は一切緩めない。彼女の勇者に対する嫌悪。俺に対する憎悪がひしひしと伝わってくる。それが……俺の血を騒がせる。ロンギルス皇帝は除いて、ヘルガは最強の敵だ。認めよう。だからこそ、俺も……中途半端な終わらせ方はしない。
『古』『炎』『散』の起動式を構築した。解き放たれた炎は銃弾を焼き尽くしてまっすぐヘルガに向かっていく。
「新しい起動式……!」
「強くなったのはお前だけじゃないってわけだ」
「化け物め……!」
「生憎、お前たちには言われたくないな!」
最早『空間』の魔方陣でいくら銃を呼び出しても効果は薄い。俺も面に対する攻撃が出来る以上、張り合えるのだからな。
最初の一撃でヘルガにもそれは十分に伝わっているようで、動きを封じる以外で広範囲の攻撃はしてくる事はなかった。剣とナイフを交える度、互いの魔方陣でぶつかりごとに、ヘルガは成長していっている。より洗練され、より高度な戦術を組み込んでくる。
「これも通じないなら!」
自分の攻撃が防がれたとわかった途端、今度は頭上で複数の魔方陣を時間差で……俺を追い詰めるように銃を呼び出してきた。それを回避していくと、同時に何かあると身構える。俺の頭上になにやら爆弾のようなものが投げ込まれ、それを反射的に斬りつけると……爆風ではなく、煙が周囲に広がっていく。
「これは……煙幕か!」
視界が遮られた程度で俺が怯むと思っているのか……! 恐らく、次は銃弾が遠くから飛んでくるはずだ。それを警戒していると、その予想は大体当たっていた。複数の銃撃とナイフが飛んできて、俺は迷わず『神』『防御』の魔方陣で防いでいく。
「甘いな。前にも似たような攻撃をしてきただろうに」
『防御』の魔方陣を解いて、懐に飛び込んでくるであろうヘルガを迎え撃つ準備をしていると、目の前から何かが飛んできた。それは、さっきと同じ形の手榴弾のようだ。大方、晴れかけてきた煙幕をもう一度張ろうと思ったのだろう。無駄なことを……!
先程と同じように斬り落として、また同じような展開を見越して身構えていると――そこから白い光が漏れ出てきた。まさか――
――ドオォォォォン!!
激しい爆発音とともに身を焼かれるような痛みを感じる。全身に回るこの感覚は……久しぶりだ……!
「ごほ、ごほっ、くそっ……見誤ったか……!」
自分の判断の甘さに、思わず舌打ちが出そうになる。ヘルガは研鑽を積んでいた。今もまた、更に強さに磨きをかけている。彼女の成長を完全に見誤っていた。
「ヘルガ!」
姿の見えない彼女の名を呼ぶけれど、飛んできたのは弾の雨。それを防ぎ、避け、掻い潜ってヘルガを探すのだけれど、全く見えない。その瞬間、背筋がぞくりとする程の冷たさを感じた。
「……そこかぁっ!」
半ば直感でバルブランを背後に振ると、鈍い金属音が響き渡る。そのまま後ろを振り向くと――苦々しい顔をしたヘルガが目に入った。
宙に浮いていた彼女は、そのまま足を振り回し、蹴りこんでくる。バルブランはナイフを防ぐので精一杯で余裕はない。
――不味い。
咄嗟に剣を持っていない方の腕で蹴りこみを防いだが、予想以上の力を感じて、踏ん張ったところで少し後退してしまう。『身体強化』をどれほど重ねたらこれだけの攻撃を繰り出せるだろうか……。
彼女の重い一撃が骨にまで響くほどだ。
そのままの勢いで『炎』『弾』の魔方陣を発動させ、追撃を仕掛けてきたことには驚きを禁じ得なかった。
彼女は自分の原初の起動式に誇りを持っていた。それこそ『空間』の魔方陣を自在に操り、様々な銃火器で火力を叩き出してきたはずだ。彼女が今まで他の魔方陣を使用したことなんてみたことなかった。
「負けない……! 絶対に……負けない!」
先程の戦術を全て投げ捨てたように雷、炎、水と様々な魔方陣を織り交ぜながら、時折『空間』で俺の近くまで飛んできて一撃を加えようとするほどだ。ここにきて一気に多彩な攻撃を仕掛けてくるようになったな……! 予想外の攻撃の数々に少しずつ圧されていく。久しぶりの苦境。この世界に転生してからここまで追い込まれたのは初めてじゃないだろうか? ……面白い。不思議と笑みが強くなってきて、身体にこもる力が強くなる。少しずつ昔の感覚を取り戻していくような気分を味わいながら、俺とヘルガの戦いは続いて行った。
「くっ……腕を上げたな。ヘルガ」
「貴方にはわからないでしょうね! 私が……どれだけ……!」
怒りを滲ませながらも、冷静さは保った攻撃だ。死角から飛んできた銃弾を防いでいる間に、ヘルガは俺の懐に飛び込んできて、ナイフを振るってくる。挙句、空振りをしたと判断したと同時に『空間』の魔方陣を展開して、刃だけで俺の首筋を狙ってきた。
「ちっ……」
「グレリア! 今度こそ……今度こそ、仕留めてやる!!」
「ふ、ふふっ……流石、シアロルの――いや、最後の勇者だ」
「私はね、その呼び方が一番嫌いなのよ。『勇者』なんて、私たちが祭り上げただけの操り人形。傀儡の称号なんて……虫唾が走る!」
吐き捨てるように言っているヘルガの猛攻は一切緩めない。彼女の勇者に対する嫌悪。俺に対する憎悪がひしひしと伝わってくる。それが……俺の血を騒がせる。ロンギルス皇帝は除いて、ヘルガは最強の敵だ。認めよう。だからこそ、俺も……中途半端な終わらせ方はしない。
『古』『炎』『散』の起動式を構築した。解き放たれた炎は銃弾を焼き尽くしてまっすぐヘルガに向かっていく。
「新しい起動式……!」
「強くなったのはお前だけじゃないってわけだ」
「化け物め……!」
「生憎、お前たちには言われたくないな!」
最早『空間』の魔方陣でいくら銃を呼び出しても効果は薄い。俺も面に対する攻撃が出来る以上、張り合えるのだからな。
最初の一撃でヘルガにもそれは十分に伝わっているようで、動きを封じる以外で広範囲の攻撃はしてくる事はなかった。剣とナイフを交える度、互いの魔方陣でぶつかりごとに、ヘルガは成長していっている。より洗練され、より高度な戦術を組み込んでくる。
「これも通じないなら!」
自分の攻撃が防がれたとわかった途端、今度は頭上で複数の魔方陣を時間差で……俺を追い詰めるように銃を呼び出してきた。それを回避していくと、同時に何かあると身構える。俺の頭上になにやら爆弾のようなものが投げ込まれ、それを反射的に斬りつけると……爆風ではなく、煙が周囲に広がっていく。
「これは……煙幕か!」
視界が遮られた程度で俺が怯むと思っているのか……! 恐らく、次は銃弾が遠くから飛んでくるはずだ。それを警戒していると、その予想は大体当たっていた。複数の銃撃とナイフが飛んできて、俺は迷わず『神』『防御』の魔方陣で防いでいく。
「甘いな。前にも似たような攻撃をしてきただろうに」
『防御』の魔方陣を解いて、懐に飛び込んでくるであろうヘルガを迎え撃つ準備をしていると、目の前から何かが飛んできた。それは、さっきと同じ形の手榴弾のようだ。大方、晴れかけてきた煙幕をもう一度張ろうと思ったのだろう。無駄なことを……!
先程と同じように斬り落として、また同じような展開を見越して身構えていると――そこから白い光が漏れ出てきた。まさか――
――ドオォォォォン!!
激しい爆発音とともに身を焼かれるような痛みを感じる。全身に回るこの感覚は……久しぶりだ……!
「ごほ、ごほっ、くそっ……見誤ったか……!」
自分の判断の甘さに、思わず舌打ちが出そうになる。ヘルガは研鑽を積んでいた。今もまた、更に強さに磨きをかけている。彼女の成長を完全に見誤っていた。
「ヘルガ!」
姿の見えない彼女の名を呼ぶけれど、飛んできたのは弾の雨。それを防ぎ、避け、掻い潜ってヘルガを探すのだけれど、全く見えない。その瞬間、背筋がぞくりとする程の冷たさを感じた。
「……そこかぁっ!」
半ば直感でバルブランを背後に振ると、鈍い金属音が響き渡る。そのまま後ろを振り向くと――苦々しい顔をしたヘルガが目に入った。
宙に浮いていた彼女は、そのまま足を振り回し、蹴りこんでくる。バルブランはナイフを防ぐので精一杯で余裕はない。
――不味い。
咄嗟に剣を持っていない方の腕で蹴りこみを防いだが、予想以上の力を感じて、踏ん張ったところで少し後退してしまう。『身体強化』をどれほど重ねたらこれだけの攻撃を繰り出せるだろうか……。
彼女の重い一撃が骨にまで響くほどだ。
そのままの勢いで『炎』『弾』の魔方陣を発動させ、追撃を仕掛けてきたことには驚きを禁じ得なかった。
彼女は自分の原初の起動式に誇りを持っていた。それこそ『空間』の魔方陣を自在に操り、様々な銃火器で火力を叩き出してきたはずだ。彼女が今まで他の魔方陣を使用したことなんてみたことなかった。
「負けない……! 絶対に……負けない!」
先程の戦術を全て投げ捨てたように雷、炎、水と様々な魔方陣を織り交ぜながら、時折『空間』で俺の近くまで飛んできて一撃を加えようとするほどだ。ここにきて一気に多彩な攻撃を仕掛けてくるようになったな……! 予想外の攻撃の数々に少しずつ圧されていく。久しぶりの苦境。この世界に転生してからここまで追い込まれたのは初めてじゃないだろうか? ……面白い。不思議と笑みが強くなってきて、身体にこもる力が強くなる。少しずつ昔の感覚を取り戻していくような気分を味わいながら、俺とヘルガの戦いは続いて行った。
0
お気に入りに追加
212
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる