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第六節 リアラルト訓練学校編
第107幕 討伐試験
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シエラと同室だった件をきっかけに始まった決闘……そして俺を師匠だと慕うようになったレグルと、おにいちゃんと慕うミシェラ……。
そして俺によく話しかけるようになってきたルットと共に勉学に励む日々はあっという間に過ぎていき……季節が移り変わっていくそんなある日の事だ。
「おにいちゃんおはよー!」
「ああ、おはようミシェラ」
いつもどおり隣の席に座っているミシェラと挨拶をかわす。
元気よく片手を上げて笑顔で微笑む彼は、相変わらず(男だけれど)少女だ。
「みなさん、おはようございまーす」
しばらくミシェラとの雑談に付き合っていると、アウラン先生が扉を明けてのんびりとした様子で教壇に向かっていった。
相変わらずの様子の先生はおっとりとした様子で笑顔を浮かべていた。
「えっとですね……知っている方もいるでしょうが、近々進級のための試験を行う予定になってます。
内容は魔物の討伐試験。G・A・B級の中から二人ずつ……六人一組で行いますから、用紙に記入して先生に提出してくださいねー。
詳しい日程は明日の放課後、寮の掲示板に張り出す予定なので、必ず見てくださいね」
「「「「はーい!」」」」
「はい、それでは朝のホームルームを始めますよー」
生徒の元気な声を受けて頷いたアウラン先生は出席を取り始めた。
それにしても……討伐試験、か。
初めて聞くが一体どんな魔物を討伐するんだろうか?
詳しいことを聞きたいが知っているのは恐らく先輩ぐらいのものだろう。
上の学年に知り合いは――ああ、いや、いた。
彼との関係は良好だし、少し前なら答えてはくれなかっただろうが、今なら快く教えてくれるだろう。
――
「で、僕のところにきたわけかい?」
ミシェラと共に向かったのはG級2の教室。
試験の内容を知っている人物――つまりルットの元に俺たちはやってきた。
「ルット先輩、教えてくれる?」
「……そうだねぇ、他の後輩も聞いてるだろうし、僕でわかる範囲内だったら答えてあげるよ」
少し考えるような顔で俺たちを見つめていたが、笑顔で頷いて答えてくれた。
「まずこの試験はね、様々な経験を積ませるために行われてる面もあるんだって。
連携したりとかの戦闘経験や物事を広い視野で見られるようにってね。
もちろん個人の強さで突破するのもいるみたいだけど……本来の目的は戦力の底上げ。
強い者の戦いを見て弱い者が学べるようにっていう機会を設けてるってわけさ」
なるほど。俺たちG級の生徒にももちろん強弱はあるし、訓練以外での戦いは見たことがあっても、本格的な戦闘となれば見たことがない者も多いだろう。
実戦経験に勝るものはないって聞くしな。
「その討伐目標ってのは決まってるのか?」
「いいや、それについては毎回違う魔物が対象になってるね。僕のときはホーンウルフっていう一本角を生やした狼型の魔物だったな。
その前はレッドグリズリーとかいう赤い熊の魔物だったはずだ」
なるほど、どっちも戦闘訓練を積んだ兵士たちが複数人いれば討伐することも出来る程度の魔物たちだ。
それくらいなら俺一人でも余裕がある……って俺基準で考えたら駄目か。
少なくともルットくらいの能力があればなんとかなる程度の魔物だろう。
「その二匹だったら僕も戦ったことあるから大丈夫だね!」
生徒一人で戦ったことがある時点で結構問題発言のような気がするが、それはまあ、ミシェラだから……ということで納得するしかないだろう。
「ミシェラとグレファは多分もっと強い魔物を例外的に提示されると思うぞ」
笑顔のミシェラに対し、首を振ってルットはそれをしてきた。
俺の方も多分その通りだと思っている。
「えー? なんで?」
「それはお前と組むのが俺しかいないからだろう。
ミシェラは俺が来るまで一番強かっただろうし、今は俺……G級1のトップ二人が組むってことは他の連中と同じじゃ不公平感が出るだろう」
少なくとも表面上は公平に扱わなくてはならない。
俺たち二人と組んだA級B級が楽をして進級試験をクリアした……なんて噂になったら不平不満が間違いなく噴出する。
逆に俺たち二人と組んだら運がなかったとか……学校側からしたらそっちの方が何かと都合がいいのだろう。
それで余裕だったとしても、明らかに強い魔物を討伐したとなれば文句を言うやつも少ないだろう。
「そういうことだ。ミシェラはグレファ以外と組まないだろうし、ね」
「だっておにいちゃんが一番だしね!」
俺だってミシェラが一人だけ寂しい思いをしている姿を見るのは嫌だ。
それでも彼は普通に笑っていそうだが、それでもそんなのは見ていられないからな。
俺とミシェラ、A級ならシエラも一緒になるだろうし、そうなればレグルも俺の弟子として着いてくることは間違いないだろう。
問題はB級……ここから二人のメンバーを見つけるのは厄介そうだ。
楽に昇級することを目当てにしている連中が集まりにくい理由が出来たことはいいが、下手をしたらB級抜きで……という進言をしなければならないだろう。
流石に試験もなしに不合格にすることはないだろうしな。
とりあえずシエラとレグルに当てがあるか聞いてみるか。
そして俺によく話しかけるようになってきたルットと共に勉学に励む日々はあっという間に過ぎていき……季節が移り変わっていくそんなある日の事だ。
「おにいちゃんおはよー!」
「ああ、おはようミシェラ」
いつもどおり隣の席に座っているミシェラと挨拶をかわす。
元気よく片手を上げて笑顔で微笑む彼は、相変わらず(男だけれど)少女だ。
「みなさん、おはようございまーす」
しばらくミシェラとの雑談に付き合っていると、アウラン先生が扉を明けてのんびりとした様子で教壇に向かっていった。
相変わらずの様子の先生はおっとりとした様子で笑顔を浮かべていた。
「えっとですね……知っている方もいるでしょうが、近々進級のための試験を行う予定になってます。
内容は魔物の討伐試験。G・A・B級の中から二人ずつ……六人一組で行いますから、用紙に記入して先生に提出してくださいねー。
詳しい日程は明日の放課後、寮の掲示板に張り出す予定なので、必ず見てくださいね」
「「「「はーい!」」」」
「はい、それでは朝のホームルームを始めますよー」
生徒の元気な声を受けて頷いたアウラン先生は出席を取り始めた。
それにしても……討伐試験、か。
初めて聞くが一体どんな魔物を討伐するんだろうか?
詳しいことを聞きたいが知っているのは恐らく先輩ぐらいのものだろう。
上の学年に知り合いは――ああ、いや、いた。
彼との関係は良好だし、少し前なら答えてはくれなかっただろうが、今なら快く教えてくれるだろう。
――
「で、僕のところにきたわけかい?」
ミシェラと共に向かったのはG級2の教室。
試験の内容を知っている人物――つまりルットの元に俺たちはやってきた。
「ルット先輩、教えてくれる?」
「……そうだねぇ、他の後輩も聞いてるだろうし、僕でわかる範囲内だったら答えてあげるよ」
少し考えるような顔で俺たちを見つめていたが、笑顔で頷いて答えてくれた。
「まずこの試験はね、様々な経験を積ませるために行われてる面もあるんだって。
連携したりとかの戦闘経験や物事を広い視野で見られるようにってね。
もちろん個人の強さで突破するのもいるみたいだけど……本来の目的は戦力の底上げ。
強い者の戦いを見て弱い者が学べるようにっていう機会を設けてるってわけさ」
なるほど。俺たちG級の生徒にももちろん強弱はあるし、訓練以外での戦いは見たことがあっても、本格的な戦闘となれば見たことがない者も多いだろう。
実戦経験に勝るものはないって聞くしな。
「その討伐目標ってのは決まってるのか?」
「いいや、それについては毎回違う魔物が対象になってるね。僕のときはホーンウルフっていう一本角を生やした狼型の魔物だったな。
その前はレッドグリズリーとかいう赤い熊の魔物だったはずだ」
なるほど、どっちも戦闘訓練を積んだ兵士たちが複数人いれば討伐することも出来る程度の魔物たちだ。
それくらいなら俺一人でも余裕がある……って俺基準で考えたら駄目か。
少なくともルットくらいの能力があればなんとかなる程度の魔物だろう。
「その二匹だったら僕も戦ったことあるから大丈夫だね!」
生徒一人で戦ったことがある時点で結構問題発言のような気がするが、それはまあ、ミシェラだから……ということで納得するしかないだろう。
「ミシェラとグレファは多分もっと強い魔物を例外的に提示されると思うぞ」
笑顔のミシェラに対し、首を振ってルットはそれをしてきた。
俺の方も多分その通りだと思っている。
「えー? なんで?」
「それはお前と組むのが俺しかいないからだろう。
ミシェラは俺が来るまで一番強かっただろうし、今は俺……G級1のトップ二人が組むってことは他の連中と同じじゃ不公平感が出るだろう」
少なくとも表面上は公平に扱わなくてはならない。
俺たち二人と組んだA級B級が楽をして進級試験をクリアした……なんて噂になったら不平不満が間違いなく噴出する。
逆に俺たち二人と組んだら運がなかったとか……学校側からしたらそっちの方が何かと都合がいいのだろう。
それで余裕だったとしても、明らかに強い魔物を討伐したとなれば文句を言うやつも少ないだろう。
「そういうことだ。ミシェラはグレファ以外と組まないだろうし、ね」
「だっておにいちゃんが一番だしね!」
俺だってミシェラが一人だけ寂しい思いをしている姿を見るのは嫌だ。
それでも彼は普通に笑っていそうだが、それでもそんなのは見ていられないからな。
俺とミシェラ、A級ならシエラも一緒になるだろうし、そうなればレグルも俺の弟子として着いてくることは間違いないだろう。
問題はB級……ここから二人のメンバーを見つけるのは厄介そうだ。
楽に昇級することを目当てにしている連中が集まりにくい理由が出来たことはいいが、下手をしたらB級抜きで……という進言をしなければならないだろう。
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