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第四節 魔人の国・探求編
第63幕 森を行く男
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これはグレリアがセイル達と再会し、ダティオの宿屋で話す前の出来事。
およそ一年と少し前の話である――。
――◇――
森の奥へと駆け出してしばらく経ったんだが、未だに俺を追跡する気配が止まない。
幸い見えない攻撃は止まったのだけれど、これじゃあ一向に振り切れないでセイル達と合流することが出来ない。
さてどうしようか……と考えていると、俺はふとあることを思い出した。
「ああ、そうだ……魔方陣を使えばいいじゃないか」
そう、今は森の奥深く。
更に相手は恐らく俺の気配のみで探しているのだろう。
少なくとも見える範囲には人の影すらいない。
なら、多少魔方陣を使って敵をまくことぐらい造作もないというわけだ。
そうとわかった俺は早速足の方に魔方陣を構築し、一気に加速する。
肉体強化の魔方陣。常時発動型で、使ってる間は常に身体を強化してくれる。
これによって爆発的な加速を得た俺は、一気に追跡者を振り切った。
流石にこの速度には付いてこれなかったようで、しばらく走り続けたが……これが一番悪かった。
久しぶりに使った魔方陣は想像以上の力を発揮してくれた。
なんだろうか……久しく感じていなかったこの疾走感。
まるで自身が完全に風と一体化した――いや、それ以上の高揚感。
全ての楔から解き放たれた俺はどこまでも走って……森を突き抜けたのは良かったが、完全に見知らぬ土地に出てしまったのだった。
――
森から抜け出して草原をのんびりと歩く俺だったが、状況は相当不味いだろう。
お金は一応持ってきている。司が投げて寄越してくれた剣もあるし、いざとなったら売れるだろう。
問題なのは食料。保存食すらもはやない現状では、ロクな食事も出来ない。
既に五日ほど経過しているわけだし、これ以上、俺も色々と我慢できそうにない。
ここに頭を悩ませることになる。
最悪、もう一度魔方陣で身体を強化して、どこか村が見つかるまで走るしかないだろう。
そんな事を考えながら、のんきに歩いていると……そんな考えは杞憂だと言わんばかりに遠くに町が見えてきた。
なんだろうか、どこか懐かしさを感じる町に感じる。
前に一度、この光景を見たことがあるような……不思議な気持ちだ。
そんな感覚を胸に秘めながら先を進んでいくと、そこには門があり、門番が二人立っているようだった。
「ん? 見かけない顔だな。お前、名前は?」
不審な人物を見るような目つきで俺の方を見ている。
じろじろと不躾な視線に晒されながら、自分の名を告げることにした。
「グレリア・エルデ。ここには初めてきた」
「グレリア……!?」
驚きの表情を向けてくる門番だったが、次の瞬間にはその顔を怒りの色に染めてしまった。
「なんの冗談だ? グレリア様と同じ名前などと……」
「不敬だぞ!」
「不敬も何も、本名なんだが……」
それだけ言いかけたとき、俺はある出来事を思い出した。
ルエンジャの学園にいた頃、白銀の髪をした少女と一戦交えたことがある。
その時も彼女は俺の名前対して激しい怒りを覚えていた。
ということは……彼らはアンヒュルということになる。
「まだ言うか!」
「お前……まさかヒュルマか……?」
疑いの目をこっちに向けてくる門番だったが、これ以上変な疑惑を向けられる前にそれだけは解決しておいたほうが良いだろう。
そう思った俺は腕に魔方陣をまとわりつかせ、身体強化の魔方陣を発動させる。
「何言ってるんだ。ヒュルマが魔方陣を嫌っているのは知ってるだろう?
これが俺が違うっていう何よりの証明になるだろう」
「……そうか。確かにお前は我らが魔人の同胞。
脆弱なヒュルマの魔術ではそのようなことはできないからな」
まだ不審そうな顔をしている門番だったが、俺が魔方陣を使うことでとりあえずは信用したようだ。
というより、なんだか急に優しげ……というより生暖かい目で俺の方を見てきた。
それはまるで、悪いことをした子供を諭すような顔つきだ。
「だが、グレリア様の名前を気軽に使うのは良くない。
あの方は伝説の御方。いずれ復活し、我ら魔人の大地にあまねく光を与えてくれし存在なのだから」
「その通りだ。大方田舎の方でグレリア様の申し子とでも呼ばれて育ったんだろう。
だが、ここではそれは通用しない。よく覚えておけよ?」
「あ、ああ……わかった。ありがとう」
とりあえず礼を言うと、門番の二人は納得したように頷いて門を開けてくれた。
なるほど。
どうやら彼らは俺がどこかの田舎で持て囃されてきたのだと勘違いしてくれたようだ。
それはそれでありがたいが、微妙に複雑な気分になってしまった……。
今回はなんとか取り繕うことに成功はしたが……ここから先、グレリアを名乗るのはあまり良くないだろう。
正直産まれたときから使っているこの名を今更変えるなんてあまり気分じゃないのだが……こうも一々突っかかってこられては面倒くさい。
仕方ない。
昔の俺の名前――グレリア・ファルトから取って、グレファとでも名乗るようにしておこう。
それにしてもここはどこなのだろうか?
魔人……と門番達は言っていたけど、恐らくアンヒュルのことだろう。
ということはここはアンヒュルの領土の中……ということになる。
あまりの全力疾走で随分と遠くまで来たように思うが、むしろこれは絶好のチャンスなのかもしれない。
人側から見たアンヒュルを知った。
ならば次は魔人から見たヒュルマについて知る必要がある……そういうことなのだろうと思った。
エセルカやセイルのことは心配だが……アンヒュルの地に入っている以上、下手に色々うろつくよりは、情報収集したほうが良いだろう。
そう決めた俺は、この世界のことを知る一歩。
新たな真実を得るための探求の一歩を今、踏み出した。
およそ一年と少し前の話である――。
――◇――
森の奥へと駆け出してしばらく経ったんだが、未だに俺を追跡する気配が止まない。
幸い見えない攻撃は止まったのだけれど、これじゃあ一向に振り切れないでセイル達と合流することが出来ない。
さてどうしようか……と考えていると、俺はふとあることを思い出した。
「ああ、そうだ……魔方陣を使えばいいじゃないか」
そう、今は森の奥深く。
更に相手は恐らく俺の気配のみで探しているのだろう。
少なくとも見える範囲には人の影すらいない。
なら、多少魔方陣を使って敵をまくことぐらい造作もないというわけだ。
そうとわかった俺は早速足の方に魔方陣を構築し、一気に加速する。
肉体強化の魔方陣。常時発動型で、使ってる間は常に身体を強化してくれる。
これによって爆発的な加速を得た俺は、一気に追跡者を振り切った。
流石にこの速度には付いてこれなかったようで、しばらく走り続けたが……これが一番悪かった。
久しぶりに使った魔方陣は想像以上の力を発揮してくれた。
なんだろうか……久しく感じていなかったこの疾走感。
まるで自身が完全に風と一体化した――いや、それ以上の高揚感。
全ての楔から解き放たれた俺はどこまでも走って……森を突き抜けたのは良かったが、完全に見知らぬ土地に出てしまったのだった。
――
森から抜け出して草原をのんびりと歩く俺だったが、状況は相当不味いだろう。
お金は一応持ってきている。司が投げて寄越してくれた剣もあるし、いざとなったら売れるだろう。
問題なのは食料。保存食すらもはやない現状では、ロクな食事も出来ない。
既に五日ほど経過しているわけだし、これ以上、俺も色々と我慢できそうにない。
ここに頭を悩ませることになる。
最悪、もう一度魔方陣で身体を強化して、どこか村が見つかるまで走るしかないだろう。
そんな事を考えながら、のんきに歩いていると……そんな考えは杞憂だと言わんばかりに遠くに町が見えてきた。
なんだろうか、どこか懐かしさを感じる町に感じる。
前に一度、この光景を見たことがあるような……不思議な気持ちだ。
そんな感覚を胸に秘めながら先を進んでいくと、そこには門があり、門番が二人立っているようだった。
「ん? 見かけない顔だな。お前、名前は?」
不審な人物を見るような目つきで俺の方を見ている。
じろじろと不躾な視線に晒されながら、自分の名を告げることにした。
「グレリア・エルデ。ここには初めてきた」
「グレリア……!?」
驚きの表情を向けてくる門番だったが、次の瞬間にはその顔を怒りの色に染めてしまった。
「なんの冗談だ? グレリア様と同じ名前などと……」
「不敬だぞ!」
「不敬も何も、本名なんだが……」
それだけ言いかけたとき、俺はある出来事を思い出した。
ルエンジャの学園にいた頃、白銀の髪をした少女と一戦交えたことがある。
その時も彼女は俺の名前対して激しい怒りを覚えていた。
ということは……彼らはアンヒュルということになる。
「まだ言うか!」
「お前……まさかヒュルマか……?」
疑いの目をこっちに向けてくる門番だったが、これ以上変な疑惑を向けられる前にそれだけは解決しておいたほうが良いだろう。
そう思った俺は腕に魔方陣をまとわりつかせ、身体強化の魔方陣を発動させる。
「何言ってるんだ。ヒュルマが魔方陣を嫌っているのは知ってるだろう?
これが俺が違うっていう何よりの証明になるだろう」
「……そうか。確かにお前は我らが魔人の同胞。
脆弱なヒュルマの魔術ではそのようなことはできないからな」
まだ不審そうな顔をしている門番だったが、俺が魔方陣を使うことでとりあえずは信用したようだ。
というより、なんだか急に優しげ……というより生暖かい目で俺の方を見てきた。
それはまるで、悪いことをした子供を諭すような顔つきだ。
「だが、グレリア様の名前を気軽に使うのは良くない。
あの方は伝説の御方。いずれ復活し、我ら魔人の大地にあまねく光を与えてくれし存在なのだから」
「その通りだ。大方田舎の方でグレリア様の申し子とでも呼ばれて育ったんだろう。
だが、ここではそれは通用しない。よく覚えておけよ?」
「あ、ああ……わかった。ありがとう」
とりあえず礼を言うと、門番の二人は納得したように頷いて門を開けてくれた。
なるほど。
どうやら彼らは俺がどこかの田舎で持て囃されてきたのだと勘違いしてくれたようだ。
それはそれでありがたいが、微妙に複雑な気分になってしまった……。
今回はなんとか取り繕うことに成功はしたが……ここから先、グレリアを名乗るのはあまり良くないだろう。
正直産まれたときから使っているこの名を今更変えるなんてあまり気分じゃないのだが……こうも一々突っかかってこられては面倒くさい。
仕方ない。
昔の俺の名前――グレリア・ファルトから取って、グレファとでも名乗るようにしておこう。
それにしてもここはどこなのだろうか?
魔人……と門番達は言っていたけど、恐らくアンヒュルのことだろう。
ということはここはアンヒュルの領土の中……ということになる。
あまりの全力疾走で随分と遠くまで来たように思うが、むしろこれは絶好のチャンスなのかもしれない。
人側から見たアンヒュルを知った。
ならば次は魔人から見たヒュルマについて知る必要がある……そういうことなのだろうと思った。
エセルカやセイルのことは心配だが……アンヒュルの地に入っている以上、下手に色々うろつくよりは、情報収集したほうが良いだろう。
そう決めた俺は、この世界のことを知る一歩。
新たな真実を得るための探求の一歩を今、踏み出した。
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