225 / 337
第8章・エルフ族達との騒乱
205・魔王様、今後の事を考える
しおりを挟む
――リーティアス・ティファリス視点――
アシュルをパーラスタに使者として送り、その数日後――。
彼女は特に酷いことはされずにこのリーティアスへと戻ってきた。
いや、いきなり襲われた上に『隷属の腕輪』を着けられたっていうのは酷いことをされたと言えるんだろうけど……。
アシュルにはそんなもの効かないし、適当にあしらわれるだけで終わったそうだからあまり問題もなかったと言えるだろう。
それよりも問題なのはフェリベル王の対応だろう。
明らかに時間稼ぎを狙っているのだけれど……彼が指示してやらせたという確かな証拠もないし、彼は嘘でも対応してくれると言った。
これで開き直って好戦的になってくれればまだこちら側にもやりようがあるんだけど、こうもこっちの提示した条件に真面目に応じられては、どうしようもできない。
こういう風な展開になるかも知れない……。
そう思っていたからこそ無理な軍編成はしなかったのだけれど、それでも一番恐ろしいであろう強力な武器という情報だけの『極光の一閃』には備えておく必要はある。
それだけの準備をしながら、機会を伺って侵攻できるだけの理由を用意する必要がある。
……だからこそアシュルを使者へとして送った意味もあったというものだ。
現在、『アクアディヴィジョン』でアシュルはパーラスタの城内を監視している。
これでフラフを見つけることが出来れば、即座に引き渡しの要求へと移れるし、色々とやりようもあるというものだ。
今は彼女は『アクアディヴィジョン』で生み出した自らの分身を動かしているせいでロクに魔導を使うことも出来ないけど、今はフラフを見つけることこそがなによりも最優先だ。
だからこそ、彼女には通常の仕事は全て休ませ、パーラスタの事情を探る事に全力を尽くさせている。
今も私の隣で一生懸命様子を伺ってくれている。
「アシュル、どう?」
「うーん……特に何もありませんね。
こっちも必要最低限の魔力しか送ってませんから見つかるような派手な真似もすることも出来ませんし……ちょっと送る魔力を増やして透明化に更に力を入れようと思います」
「頼むわね」
私がぽん、とアシュルと頭に手をのせて、よしよしと撫でると、すごく嬉しそうに目を細めてくれる。
全く、本当に可愛いやつだ。私のなでなでも思わず力が入るというもの。
「お任せください! 必ずフラフは見つけてみせます!」
より一層やる気を見せてくれたアシュルに笑いかけ、そのまま視線は私の隣。
隣の方には最近物凄く頑張ってくれてるフレイアールがすやすやと眠っている。
この子は本当に仕事を任せることが増えてしまったからね。
甘えたいと思ってくれたときぐらい出来るだけこの子の要望には答えてあげなくてはならないだろう。
なにしろワイバーンの非じゃない速度で空を飛ぶ――いや、駆けるものだからかなり助かっているのだ。
行きたい時に最短で向かってくれるこの子は成長してからというもの、重要な用事がある度にその体を空へと舞い上げ、連れて行ってくれるのだ。
まあ、だから私の隣で眠りたいとか、一緒に美味しいもの食べたいとか……そんなささやか過ぎる願いくらい叶えてやりたくなるというのも親心というもの。
成竜状態のこの子は凛々しくて格好いいが、小竜状態で無防備な今のこの子は本当に可愛い。
思わず頭を撫でると嬉しそうに鳴いて……なんだか猫みたいなことしてるなぁ……なんて思いながら、私は政務に努めていくのだった。
――
それから月がかわり、9の月ファオラ・8日。
祭りも終わって国での準備を終わったセツキが再びリーティアスに訪れてくれた。
というかこの鬼、何かにつけてここに来ているような気がする。
……まあ、今回は私が呼んだんだからそんな事を言ってはいけないんだろうけど。
今は応接室で私とセツキ。
それと後ろに控えるようにアシュルとカザキリが待機している。
ちなみに、ベリルちゃんは別の場所で待機……というかパーラスタで教えてもらえなかったことに関してお勉強中だ。
なにしろベリルちゃんはフェリベル王の片割れ。
セツキがそれを知ったら面と向かって文句を言うことはないだろうけど、相当怒りをその胸の中に貯め込むことになるだろう。
不必要に関係を拗らせる必要がない以上、ベリルちゃんには極力セツキやカザキリの前には出ないようにしてもらうつもりだ。
……もっとも、セツキがディトリアの町をうろつくようなことになれば普通にベリルちゃんの情報を入手することは出来るし、こっちが積極的に会わせないってだけなんだけどね。
「祭りの時以来だな」
おおう、私が呼んだ理由が理由だけに、今回は相当大真面目な顔をしている。
あまり真剣な表情をしているものだから、私の方も思わず顔を引き締めてしまう。
「そうね。
まさか私がそっちに行ってすぐに貴方をこっちに呼び寄せることになるとは思わなかったけどね」
「あの時と今とじゃ色々状況が変わってきたってこった。
で、盗まれた歴代魔王たちの情報について……で良かったんだったな」
「ええ。
本当は私がそっちに行きたかったんだけど……」
そこまで言うと、こちらの事情を知っているセツキはにやりと笑いながらゆっくりと首を振り、こちらの事情は察していると言わんばかりだった。
「フェリベル王と一悶着あるんだろう?
なら、極力自分の国から出るべきじゃない。特に地域ごと治めてるお前はな。
俺の方は特になんともねぇし、構わねぇよ」
「そう言ってくれたら嬉しいわ。
それで、鬼族の魔王のことなんだけれど……」
「ああ、ちょっと待った」
早速話を聞こうとした私に向かって、セツキは手で制するような仕草を取ってきた。
その後、彼から感じられるのは妙な緊張感。
「ティファリス。
お前、俺に隠してること、あるよな?」
「……隠してること? それは……」
セツキの表情、仕草。
それは彼が私の事に関する重大な何かを知っている……そういうことか。
全く、私がわざわざ気を回して隠したはずなのに、これでは全ての考えが台無しもいいところじゃないか。
「ベリルちゃんの事?」
「ああ。そのエルフの王の片割れのことだ」
「よく知ってるわね」
「アストゥに聞いた。
リーティアスでの会議後、真っ先に俺に手紙をよこしてくれたぞ」
アストゥめ……余計なことを。
思わずため息をもらした私だったけど、それで事態が好転するはずもなく、気まずくなってそっぽを向いてふてくされたような声を出してしまった。
「別に隠していたわけじゃないわ。
ただ……言いづらかっただけよ」
「それで言及されるまで黙ってたのは、隠してたって取られても仕方ないぞ?」
はぁー、とため息をつきながら頭を掻いてるセツキの言葉にはぐうの音も出ず、何も言うことは出来ない。
それから何を言われるかと戦々恐々だったが、彼が次にした発言は……私にとっては意外なものだった。
「……あまり俺のことを甘く見るなよ。
確かに、エルフ族は俺は嫌いだ。よくもあんなことをしてくれたと怒りもする。
だけどな、なんにも知らないやつにそんなもんをぶつけるほど、落ちぶれちゃいねぇんだよ」
怖いほどに鋭い視線。
燃え上がるほどの怒りをその目に宿して、まっすぐ私を射抜いてくる。
……なるほど。
私はどうやら酷い勘違いをしていたようだ。
自分の尺度でセツキの事を勝手に図って、私の考えを彼に押し付けてしまっていた。
「良かれと思ってやったんだけど……ごめんなさい」
「……ふぅ、わかればいい。
そのベリルってのと直接会う気はないし、そこの配慮は感謝しておくぞ。
怒りをぶつける気はないが、気分が良いもんじゃないからな」
セツキはそれで納得してくれたようで、その後、私に様々な事を教えてくれた。
歴代魔王の特徴、力。その詳細まで。
そして私はそれを自身の考えを整理しながら出来るだけ正確に文書へと記し、南西地域の魔王たちに伝達する。
こうして、私はフェリベル王の……パーラスタとの戦いに向けて準備を進めていくのであった。
アシュルをパーラスタに使者として送り、その数日後――。
彼女は特に酷いことはされずにこのリーティアスへと戻ってきた。
いや、いきなり襲われた上に『隷属の腕輪』を着けられたっていうのは酷いことをされたと言えるんだろうけど……。
アシュルにはそんなもの効かないし、適当にあしらわれるだけで終わったそうだからあまり問題もなかったと言えるだろう。
それよりも問題なのはフェリベル王の対応だろう。
明らかに時間稼ぎを狙っているのだけれど……彼が指示してやらせたという確かな証拠もないし、彼は嘘でも対応してくれると言った。
これで開き直って好戦的になってくれればまだこちら側にもやりようがあるんだけど、こうもこっちの提示した条件に真面目に応じられては、どうしようもできない。
こういう風な展開になるかも知れない……。
そう思っていたからこそ無理な軍編成はしなかったのだけれど、それでも一番恐ろしいであろう強力な武器という情報だけの『極光の一閃』には備えておく必要はある。
それだけの準備をしながら、機会を伺って侵攻できるだけの理由を用意する必要がある。
……だからこそアシュルを使者へとして送った意味もあったというものだ。
現在、『アクアディヴィジョン』でアシュルはパーラスタの城内を監視している。
これでフラフを見つけることが出来れば、即座に引き渡しの要求へと移れるし、色々とやりようもあるというものだ。
今は彼女は『アクアディヴィジョン』で生み出した自らの分身を動かしているせいでロクに魔導を使うことも出来ないけど、今はフラフを見つけることこそがなによりも最優先だ。
だからこそ、彼女には通常の仕事は全て休ませ、パーラスタの事情を探る事に全力を尽くさせている。
今も私の隣で一生懸命様子を伺ってくれている。
「アシュル、どう?」
「うーん……特に何もありませんね。
こっちも必要最低限の魔力しか送ってませんから見つかるような派手な真似もすることも出来ませんし……ちょっと送る魔力を増やして透明化に更に力を入れようと思います」
「頼むわね」
私がぽん、とアシュルと頭に手をのせて、よしよしと撫でると、すごく嬉しそうに目を細めてくれる。
全く、本当に可愛いやつだ。私のなでなでも思わず力が入るというもの。
「お任せください! 必ずフラフは見つけてみせます!」
より一層やる気を見せてくれたアシュルに笑いかけ、そのまま視線は私の隣。
隣の方には最近物凄く頑張ってくれてるフレイアールがすやすやと眠っている。
この子は本当に仕事を任せることが増えてしまったからね。
甘えたいと思ってくれたときぐらい出来るだけこの子の要望には答えてあげなくてはならないだろう。
なにしろワイバーンの非じゃない速度で空を飛ぶ――いや、駆けるものだからかなり助かっているのだ。
行きたい時に最短で向かってくれるこの子は成長してからというもの、重要な用事がある度にその体を空へと舞い上げ、連れて行ってくれるのだ。
まあ、だから私の隣で眠りたいとか、一緒に美味しいもの食べたいとか……そんなささやか過ぎる願いくらい叶えてやりたくなるというのも親心というもの。
成竜状態のこの子は凛々しくて格好いいが、小竜状態で無防備な今のこの子は本当に可愛い。
思わず頭を撫でると嬉しそうに鳴いて……なんだか猫みたいなことしてるなぁ……なんて思いながら、私は政務に努めていくのだった。
――
それから月がかわり、9の月ファオラ・8日。
祭りも終わって国での準備を終わったセツキが再びリーティアスに訪れてくれた。
というかこの鬼、何かにつけてここに来ているような気がする。
……まあ、今回は私が呼んだんだからそんな事を言ってはいけないんだろうけど。
今は応接室で私とセツキ。
それと後ろに控えるようにアシュルとカザキリが待機している。
ちなみに、ベリルちゃんは別の場所で待機……というかパーラスタで教えてもらえなかったことに関してお勉強中だ。
なにしろベリルちゃんはフェリベル王の片割れ。
セツキがそれを知ったら面と向かって文句を言うことはないだろうけど、相当怒りをその胸の中に貯め込むことになるだろう。
不必要に関係を拗らせる必要がない以上、ベリルちゃんには極力セツキやカザキリの前には出ないようにしてもらうつもりだ。
……もっとも、セツキがディトリアの町をうろつくようなことになれば普通にベリルちゃんの情報を入手することは出来るし、こっちが積極的に会わせないってだけなんだけどね。
「祭りの時以来だな」
おおう、私が呼んだ理由が理由だけに、今回は相当大真面目な顔をしている。
あまり真剣な表情をしているものだから、私の方も思わず顔を引き締めてしまう。
「そうね。
まさか私がそっちに行ってすぐに貴方をこっちに呼び寄せることになるとは思わなかったけどね」
「あの時と今とじゃ色々状況が変わってきたってこった。
で、盗まれた歴代魔王たちの情報について……で良かったんだったな」
「ええ。
本当は私がそっちに行きたかったんだけど……」
そこまで言うと、こちらの事情を知っているセツキはにやりと笑いながらゆっくりと首を振り、こちらの事情は察していると言わんばかりだった。
「フェリベル王と一悶着あるんだろう?
なら、極力自分の国から出るべきじゃない。特に地域ごと治めてるお前はな。
俺の方は特になんともねぇし、構わねぇよ」
「そう言ってくれたら嬉しいわ。
それで、鬼族の魔王のことなんだけれど……」
「ああ、ちょっと待った」
早速話を聞こうとした私に向かって、セツキは手で制するような仕草を取ってきた。
その後、彼から感じられるのは妙な緊張感。
「ティファリス。
お前、俺に隠してること、あるよな?」
「……隠してること? それは……」
セツキの表情、仕草。
それは彼が私の事に関する重大な何かを知っている……そういうことか。
全く、私がわざわざ気を回して隠したはずなのに、これでは全ての考えが台無しもいいところじゃないか。
「ベリルちゃんの事?」
「ああ。そのエルフの王の片割れのことだ」
「よく知ってるわね」
「アストゥに聞いた。
リーティアスでの会議後、真っ先に俺に手紙をよこしてくれたぞ」
アストゥめ……余計なことを。
思わずため息をもらした私だったけど、それで事態が好転するはずもなく、気まずくなってそっぽを向いてふてくされたような声を出してしまった。
「別に隠していたわけじゃないわ。
ただ……言いづらかっただけよ」
「それで言及されるまで黙ってたのは、隠してたって取られても仕方ないぞ?」
はぁー、とため息をつきながら頭を掻いてるセツキの言葉にはぐうの音も出ず、何も言うことは出来ない。
それから何を言われるかと戦々恐々だったが、彼が次にした発言は……私にとっては意外なものだった。
「……あまり俺のことを甘く見るなよ。
確かに、エルフ族は俺は嫌いだ。よくもあんなことをしてくれたと怒りもする。
だけどな、なんにも知らないやつにそんなもんをぶつけるほど、落ちぶれちゃいねぇんだよ」
怖いほどに鋭い視線。
燃え上がるほどの怒りをその目に宿して、まっすぐ私を射抜いてくる。
……なるほど。
私はどうやら酷い勘違いをしていたようだ。
自分の尺度でセツキの事を勝手に図って、私の考えを彼に押し付けてしまっていた。
「良かれと思ってやったんだけど……ごめんなさい」
「……ふぅ、わかればいい。
そのベリルってのと直接会う気はないし、そこの配慮は感謝しておくぞ。
怒りをぶつける気はないが、気分が良いもんじゃないからな」
セツキはそれで納得してくれたようで、その後、私に様々な事を教えてくれた。
歴代魔王の特徴、力。その詳細まで。
そして私はそれを自身の考えを整理しながら出来るだけ正確に文書へと記し、南西地域の魔王たちに伝達する。
こうして、私はフェリベル王の……パーラスタとの戦いに向けて準備を進めていくのであった。
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使う事でスキルを強化、更に新スキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった…
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…
※小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。
チート生産魔法使いによる復讐譚 ~国に散々尽くしてきたのに処分されました。今後は敵対国で存分に腕を振るいます~
クロン
ファンタジー
俺は異世界の一般兵であるリーズという少年に転生した。
だが元々の身体の持ち主の心が生きていたので、俺はずっと彼の視点から世界を見続けることしかできなかった。
リーズは俺の転生特典である生産魔術【クラフター】のチートを持っていて、かつ聖人のような人間だった。
だが……その性格を逆手にとられて、同僚や上司に散々利用された。
あげく罠にはめられて精神が壊れて死んでしまった。
そして身体の所有権が俺に移る。
リーズをはめた者たちは盗んだ手柄で昇進し、そいつらのせいで帝国は暴虐非道で最低な存在となった。
よくも俺と一心同体だったリーズをやってくれたな。
お前たちがリーズを絞って得た繁栄は全部ぶっ壊してやるよ。
お前らが歯牙にもかけないような小国の配下になって、クラフターの力を存分に使わせてもらう!
味方の物資を万全にして、更にドーピングや全兵士にプレートアーマーの配布など……。
絶望的な国力差をチート生産魔術で全てを覆すのだ!
そして俺を利用した奴らに復讐を遂げる!
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
さようなら、私の初恋。あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
異世界転移は草原スタート?!~転移先が勇者はお城で。俺は草原~
ノエ丸
ファンタジー
「ステータスオープン!」シーン「——出ねぇ!」地面に両手を叩きつけ、四つん這いの体制で叫ぶ。「クソゲーやんけ!?」
――イキナリ異世界へと飛ばされた一般的な高校ソラ。
眩い光の中で、彼が最初に目にしたモノ。それは異世界を作り出した創造神――。
ではなくただの広い草原だった――。
生活魔法と云うチートスキル(異世界人は全員持っている)すら持っていない地球人の彼はクソゲーと嘆きながらも、現地人より即座に魔法を授かる事となった。そして始まる冒険者としての日々。
怖いもの知らずのタンクガールに、最高ランクの女冒険者。果てはバーサーカー聖職者と癖のある仲間達と共に異世界を駆け抜け、時にはヒーラーに群がられながらも日々を生きていく。
悪役令嬢クリスティーナの冒険
神泉灯
ファンタジー
HJネット小説大賞2018 一次選考通過。
第2回ファミ通文庫大賞 中間選考通過。
侯爵令嬢クリスティーナは十四歳の誕生日に、両親から王子との婚約が決まったと告げられたその時、頭にとんでもない激痛が走り、前世の日本での記憶を思い出した。
そして、その記憶と今世の状況に、愕然とする。
この世界は、前世で一度だけプレイしたことのあるファンタジー乙女ゲーム、ドキラブ学園の世界だった。
しかもクリスティーナはヒロインではなく、攻略対象との恋路を邪魔する悪役令嬢。
このままゲーム通りに進むと、破滅の未来が待っている。
修道院送り。国外追放。投獄。最悪、処刑。
彼女は破滅の未来を回避するために、頭をフル回転させ、対策を練った。
結果。ダメだった。
謂れの無い罪で糾弾され、婚約破棄され、断罪され、王国の処刑場、竜の谷に落とされたクリスティーナは、なんとか墜落死は免れたものの、今度は竜の群れに襲われて絶体絶命。
その時、颯爽と現れ助けてくれた青年ラーズは、ゲームクリア後に登場するオマケキャラ。
彼はとある剣を探していると言うのだけど、それは続編ドキラブ学園2に登場する武器。
しかしドキラブ学園2の物語が始まるのは、婚約破棄から一年後のはず。
続編ゲームがまだ始まっていない今の時期に、なぜラーズは一人で剣を探しているのか?
ラーズはクリスティーナが剣の所在地を知っていることに気付き、剣まで案内してくれれば、代わりに護衛をするという取引を持ちかける。
クリスティーナはそれを承諾し、彼女たちの剣を求める冒険の旅が始まった。
処刑から始まる悪役令嬢の冒険物語。
ヒロインの悪辣さにムナクソ悪くなると思います。苦手な方はご注意を。最後はちゃんとざまぁされます。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる