聖黒の魔王

灰色キャット

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第1章・底辺領土の少女魔王

31・魔王様、二国の王と会談する

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 ケットシーとフェンルウのおかげでアールガルム・ケルトシルの代表と話し合いをもてるようになった。
 全陣営の魔王が私の館に集合してるから、そのまま私の館で会談を開くことになった。
 ……よくよく考えたらここにはオーガルもいるし、魔王率高いな。

「お嬢様! 準備出来ました!」
「お茶菓子は?」
「はい! お嬢様の大好きなクロシュガルを――」
「それは私がケットシーに無理言って買ってきてもらったやつ! 多めにお金渡してやっと買ってきてもらったんだから、他のやつにして」
「ええ、でもすぐには――」
「貴女が自腹で買ってきてくれるならいいわよ」
「はい! すぐ他のお菓子に取り替えてきます!」
「わかればよろしい」

 ビシィッと姿勢を正して外に出ていくリュリュシカにため息が出そうになる。
 これ以上私の安らぎを奪わないで欲しい。

 あのお菓子がディトリアで買えるようになればこんな苦労しなくて済むんだけどなぁ。
 最上級の砂糖を初めとした上質な素材で作り上げられた甘味……いずれここにも流通させてみせる。

「ティファさまー、ケルトシルの方がいらっしゃいました」
「ご苦労さま。部屋に通しておいてくれる?」
「かしこまりました!」

 ぱたぱたと元気よく入っては出ていくアシュルを見送りながら私も立ち上がって応接室の方に足を運ぶ。
 今回はジークロンドと初めて話したときよりは幾分落ち着いた会話になれば……いいんだけど。

 いくら操られていたとはいえ、ジークロンドとフェーシャは一悶着合ってお互いの国がぎくしゃくしてる。
 それもこの話し合いで解決すればいうことはない。それはあっちの考え方次第だけどね。






 ――






 応接室にはケルトシル側にフェーシャとカッフェー。アールガルム側にジークロンドと、今回だけフェンルウがついている。
 現在はリーティアス側に席を置いているフェンルウだけど、フェーシャと認識があり、場が荒れた時に収める事ができる人物といえば彼の契約スライムであるこの子しかいないだろう。

「お久しぶりですにゃー。この度はうちの魔王様を助けていただき、本当にありがとうございますにゃー」
「別にいいわ。その分の借りは返してもらうことになってるんだから」
「にゃはは。加減はしてほしいですにゃー」

 カッフェーは相変わらず眠そうな顔をしてるけど、尻尾がピーンと伸びていてどことなく嬉しそうな雰囲気を纏っている。
 元フェーシャの教育係を務めたこともあったらしいし、久しぶりにあったフェーシャが以前のような性格に戻ったのが嬉しい様子だ。
 ただ今国に帰ってくるのは相当まずいみたいで、もうしばらくはこちら側にいて、ほとぼりが冷めるのを待つのだとか。

「えーっと、それでは皆さん揃ったみたいっすし、リーティアス・アールガルム・ケルトシルの三国会談を始めたいと思うっす。進行役は自分、フェンルウが務めるっす。よろしくお願いするっす」

 三国の代表が向かい合うような形で席に付き、進行役の元で話を進めていこうした時、カッフェーがいきなり手を上げてきた。

「その前に、こちらとしてはアールガルム側に謝罪をしたいですにゃー。おかしくなっていたとはいえ、我が国の王がそちらの魔王を侮辱したのは事実。これに対してちゃんとケリを付けなければ話し合いすら出来ないと思うにゃー」
「ボクの記憶がなかったとはいえ、ボクの今まで所業、本当に申し訳なかったと思いますニャ。謝るというだけでは許されないこととは思いますニャ。ですが、これから国交を持とう際に、ボクのしでかしたことを適当に済ませてしまう訳にはいきませんニャ」

 猫人族の今までにない丁寧な言葉づかいに、私はもちろんジークロンドとフェンルウも「こいつ、本当は偽物なんじゃないか?」みたいな胡散臭いものを見る目になってしまう。
 ジークロンドがこっちを見てるけど、私の方を見られても困る。

「う、うむ……。確かにヌシがワシに対し吐き捨てた言葉の数々、普通であれば到底許せるものではないだろう。しかしヌシもまた、エルガルムの裏に潜んでおった者共に踊らされた人形の一つ。そう考えるのであれば、あの時の怒りは水に流そう。これから良い関係を気づけばよいのだ」

 ジークロンド、いいこと言うなぁ。
 フェーシャもそうなんだけど会談での侮蔑の件、事情を知っていたとしても許すという選択は、国を背負う王としては中々できないものだ。

「ありがとうございますにゃー。ジークロンド王の言葉に、ぼくらケルトシルは救われた気分ですにゃー。ぼくたち、これからも共に歩んでいければ、と思いますにゃー」
「うむ」

 カッフェーがなにか感謝してるけど、その眠そうな顔でそう言われても全く説得力がないっていうか、違和感しかないっていうか。
 もうちょっとシャキッとしてほしい。

「それじゃ、お互いの溝が埋まったということで、改めて話し合いをしようと思うっす。……大丈夫っすよね?」
「問題ない」
「大丈夫ですニャ」

 確認を取るように私達を眺め、咳払いを一つ。

「えーっとっすね。まずアールガルム側の方からこの会談で提示したいことがあるそうっす」

 フェンルウの言葉にジークロンド王がおもむろに立ち上がり、相当真面目な表情で周りを見ていて、ちょっとしたおふざけも許されない程の緊張感で場が満ちている気がした。

「この度アールガルムはリーティアスの同盟を結ぶことを正式に決定した。ワシの独断ではなく、重役たちとも話し合った結果だ」
「ケルトシルも同じ結論に達しましたにゃー。商業などの経済面や軍事面でも互いに支え合える関係でいたいですにゃー」
「同盟、ねぇ……」

 悪い話じゃない。というか本来は最終的にこの結論に至ることがこの会談の目的なんだけど……ちょっと話の進み方が急すぎる。
 この二人は……というかこの二国は何を考えていきなりそんな話を持ち出したのだろう? 私としては互いが意見を言い合って、もっと場が成熟してから切り出すものだと思っていた。
 以前にもケルトシルからそう打診があったけど、今と昔では結構違う。普通ならこんな状況になっても結ぼうだなんて、考えないし、結ぶにしてもこちらが不利になるように仕向けるのが普通だろう。

「双方がその方針で進んでくれるのはありがたいけど……具体的にどうするのかしら?」
「こちらとしてはリーティアス国の立て直しの為に出来る限りの助力をすると約束しよう」
「ぼくたちもですにゃー。最善を尽くせればと思いますにゃー」
「…それって、貴方達にはどんなメリットがあるのよ。こういってはなんだけど、食料・家・治安とやらないといけないことがいくらでもあるし、相当負担かかると思うんだけど」
「そうだな。普通に考えるのであればこういう申し出はそちらが提案し、こちらが有利に交渉していくのが本来の形だろう」

 ジークロンド王の言う通りだ。国の主としては、あまりにこちらに利益のある話し…疑わざるを得ないだろう。

「何を考えてこんな同盟を提案したのか……そこのところ、はっきり聞かせてもらいたいわね」
「そうですにゃー…ぼくとしてはフェーシャ王を救って頂いたというだけでもティファリス女王は信頼に出来る人物だと思いますにゃー」

 その頭を揺らすような…船を漕ぐような仕草はちょっとやめてほしいんだけどなぁ。寝そうになってるのを適当に話してるようにしか見えない。
 真面目な話のときくらい、目を開けろとまでは言わないけど、もう少し背筋を伸ばして欲しい。

「ティファリス女王にはいざという時の抑止力になって欲しいんですにゃー」
「抑止力? つまり貴方達の後ろ盾になれってことかしら?」
「その通りですにゃー。ぼくたちは今回の件で身をもって思い知りましたにゃー。フェーシャ王を操っていたエルフの男……多分ぼくたちはこれからもその男が所属してる国の脅威にさらされるはずですにゃー」

 カッフェーの言葉を継ぐようにうんうん頷きながらフェーシャが肯定する。

「あの日、パーティーに参加してくれた猫人たちを調べたところ、そんなエルフなんて来なかったと皆が口を揃えて言ってたニャ。だけどボクは確かに見たんだニャ。
 ボクにしか見えなかったエルフ……上位魔王の手の者であることは間違いないニャ」

 誰もエルフを見ていなかった……。
 それはつまりエルフがわざとフェーシャにだけ見えるように仕向けたということか。

「残念だけど、ボクには上位魔王と戦えるほどの実力はないですニャ。それどころか、その配下の思しき者にすらこのように遅れを取る始末ですニャ」
「フェーシャ……」

 うつむきがちに目を伏せたフェーシャの言葉の端には、確かな悔しさ、無念さがにじみ出ている。

「ボクは、国をこれ以上危険に晒すわけにもいかないニャ。ケルトシルはボクの父が母が、一生懸命守り通した国だニャ。ボクの代で途絶えさせるなんてゴメンだニャ。
 国民たちに、これ以上迷惑をかけたくないニャ」

 頭を上げたフェーシャの顔には決意を宿した『男の顔』があった。恥も外聞もないただ自分の国を守る為に命を掛ける者のソレになってる。
 これがフェーシャ本来の性格なんだろうな。どこか自由というか素直なところと、王として民を守る為に泥をすする決断が出来るところ。私は嫌いじゃない。

「……自分が言うのもなんっすけど、あのフェーシャ王からそういう言葉が出るなんて、自分の正気を疑いそうになるっすね」

 ちょっと、そこで呟いちゃダメだろう。思っててもそういうこと言う場じゃないと思うのよ私は。
 フェンルウの一言で、場の真剣な空気が一気に霧散してしまった。こんな妙に白けた状況、どうしてくれるんだ。

「フェンルウ……今ここで言うものではないと思うぞ……」
「ぼくもそう思いますにゃー」
「これはちょっと擁護出来ないわね」

 せっかく私とジークロンド王が言わないように気を使ってたのに、この空気はもう容易く元に戻らないだろう。

「も、申し訳ないっす」
「い、いや、フェンルウは悪くないニャ。ボクが酷いこと言ってたのは事実ニャ。そう言われてもしょうがないニャ」
「ふぅ……はいはい、そこら辺りでやめましょう」

 パンパンと軽く手を叩いて長くなりそうな流れを止める。
 暗い雰囲気になりそうだったし、ここは一度休憩を挟んだ方が良い。

「ちょうど頃合いということで、一旦中断しましょう」

 私の言葉にここにいる全員が頷いたことで、三国会談は場をリセットすることになった。
 そういう意味では、フェンルウは良い働きをしたのかもしれない。

 だけどこれからは少し反省して、場の空気が読めるようになって欲しいものだ。
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