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第1章・底辺領土の少女魔王
12・お嬢様、食堂に驚く
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いざお昼にしようと思ったのはいいけど、どこに入ろうか……せっかくだから美味しいところで食べたいな。
なんて考えながらしばらくぶらぶらと様子を見ながら人の動きを見ていると、どうやら『人狼亭』と呼ばれる結構大きな食堂が人の出入りが激しいみたいだった。
後から知ったことなんだけど、結構昔からある人気店で、早い・安い・超美味い! の三拍子で有名なところらしく、人狼族が満足出来る食堂がなかったことを嘆いたご主人がどんな種族であろうとお腹いっぱい食べられる店を開きたいと願って作られた場所がこの『人狼亭』の所以なのだとか。
そういうことを知らずに入った私達は、外からではわからなかった人の多さと、賑わいの中に漂う熱気に当てられて、思わず目を見張った。
「いらっしゃーい! 開いてる席に座ってくれー!」
そこは大衆食堂さながらといった感じの店で、その中はかなり人狼の比率が高いけど、色んな種族の人が卓を囲っていた。
「ティファさまー、こっちですよー」
謁見の間での態度はなんだったんだと言わんばかりにアシュルは奥のテーブル席でぶんぶん手を振ってる。
「はしゃいじゃって……しょうがない子ねぇ」
子どもみたいなその様子を見ながら思わず苦笑いしつつ、向かい合うように席につくと、アシュルは楽しげに笑っている。
「ええっと、メニュー表は…」
「はい、こちらにありますよ!」
「ありがとう」
さて、とメニュー表はどんな感じかなっと開いてみると、牛…レッカーカウって魔物だったか。
それを使った料理が多い。
というか……
「見事なまでにレッカーカウね」
「この魔物はアールガルムが力を入れてる家畜らしいですからね。
身体が大きくて繁殖力も高く、食べられない部分がないから量を食べる人狼に好まれてるらしいですよ」
「っていっても力入れすぎだと思うのだけれど」
レッカーカウの肉を焼いてスパイスレタスとかいう葉物の野菜で包んでからパンに挟んだものとか、分厚い肉を燃えるようにあっつい鉄板でやいたのとか……しかもどれも量が多い。
内蔵を炒めたものに至っては、山かというほど盛ってるテーブルさえある。
これが人狼式ってわけか……よく見れば人狼以外が食事してるテーブルじゃ、一つの料理を二~三人で分け合ってる。
いかにあの種族の食欲旺盛なのかがわかる光景だ。
「人狼の食欲にはびっくりね……」
私の口じゃとても入り切らないほどの大きな肉が刺さってる串を、人狼がうまそうにかぶりついてる。
焼き立てで肉汁がじゅうじゅうと音を立ててるそれはなかなか魅力的に映るけど、ちょっとあの量は食べきれないかな。
さて、それも含めて改めてメニュー表を見直してみると、さすがに人狼亭。他の種族用の表記はどこにも見当たらない。これは全部人狼族が食べることを想定して作られていることは間違いないだろう。
なにを選んでも全部食べきれないし、それなら……
「このカウのミートバーグってのにしましょうか」
「え、ですがこれもかなり量が多いんじゃ…」
「どれも一緒だと思うし、分けて食べましょうよ。
アシュルがいいんだったらだけど」
「ほ、ほほほほ、本当ですか!?」
「迷惑だったらまた別の方法を考えるけど」
「い、いえ! むしろ嬉しいといいますか、大歓迎です!」
最初は少し困惑している様子を見せていたけど、すぐに『むしろそっちのほうがいい!』ばかりに笑顔になってくれた。
本当はアシュルも自分で好きなの食べたいかもしれないけど、今回は私の方をたててもらうとしよう。
「すみませーん!」
「はーい、今参りますよー!」
まるでこれを逃してはならないとばかりにアシュルが手を上げて人を呼ぶと、そこには狼の耳に尻尾をつけた私より背の高い茶色い髪の少女がやってきた。
「へぇ、狼の獣人族って初めて見たわ」
「リーティアスには魔人族以外ほとんどいませんしね」
「それはしょうがないわ。
国としてほとんど機能してないし、落ち目の国に人が来るわけもないしね」
魔人族に動物耳や尻尾がついた彼女たちは獣人族といって、人狼とは違い人種に分類される種族だ。
最もポピュラーな人種の魔人族と獣種のハーフみたいなものらしい。
この二つの種族のハーフであれば、全員獣人族らしいので、覚えるのがすごく楽だなとかちょっとしょうもない感想を持ったことは私だけの内緒だ。
そんな子が可愛らしいウェイトレスの衣装に身を包んでいて、なかなか似合ってる。
「ご注文はお決まりですかー?」
「カウのミートバーグとサラダを一つずつお願い」
「お客様、魔人族の人たちですよね? 量が多いですけど大丈夫ですかー?」
「ええ、この子と二人で分けるから大丈夫よ」
「二人……二人で……えへへ」
「それはいいんですけどー……そちらの方は……?」
「ああ、この子のことは気にしないでちょうだい」
「は、はい」
どう扱えばいいのか困ったような顔でさっきのアクセサリー屋のときと似たような状態に陥ったアシュルを見たウェイトレスに、しばらく放っておけば直るから気にしないでいいと伝えておく。
ちょっと時間はかかるだろうけど、元に戻れば一応空気は読める子だから大丈夫のはず……多分。
注文が終わって、パタパタと走っていった少女を見送ってからまた周りの活気あふれた様子を見てみる。
私達の国もこの戦いが終われば、きっともっと人が行き交うところになる。
そのためにも一日も早くこの馬鹿げた戦争に終止符を打って、私が受け継いだ国を豊かにしていきたい。
ここに転生したときにはそんなこと考えもしなかったけど、一年もいれば愛着も湧くというもんだ。
アシュルが元に戻るまでの間、美味しそうな匂いと、笑顔の絶えない人々の姿を見ながら私はぼんやりと料理を待つことに決めた。
――
「これは……なんといいますか、すごく大きいです」
頼んでいた品がこっちに運ばれた時、その量にびっくりしたのかアシュルが正気に戻っていた。
それは肝心のカウのミートバーグとサラダが、これで人狼一人分? と疑問を持つほどの大きさだったからだ。
味付けしたひき肉を練って焼いた料理なんだけど、なにを参考にしながら作ったのかと思うほどぶ厚く大きいし、野菜の方はこれでもかというほど超盛ってる。
「脂多そうだし、口直ししたくて頼んだんだけど……これ一つでお腹いっぱいになりそうね……」
「こ、ここでじっと見つめても変わりませんし、とりあえず食べましょうよ」
気を取り直して一緒に持ってきてくれた皿やらナイフやらで半分ずつに切り分けようとするけど、これも肉が厚すぎて結構苦戦してようやく、といった感じ。
自分の口サイズまで小さくするのに時間かかったけど、いざ食べてみると予想を遥かに超えて美味しかった。
濃厚なソースに肉汁がぶわーっと広がって口いっぱいにレッカーカウの旨味を感じるし、肉もすごく柔らかい。
ちょっとくどいぐらいだけど、食休めに頼んでおいたサラダの方には酸味の効いたドレッシングがかかっていて、そのしつこい脂をさっぱりさせてくれるからなおさら食が進む。
「最初ふぁ量に驚きまひふぁへど…むぐむぐ。
ふぉんなに美味ひいららいっふぁい食べられまふね! もぐもぐ」
「食べるかしゃべるか、どっちかにしなさいな……」
口いっぱいに頬張りながら精いっぱいに話すアシュルをなだめ、私の方もこの山と例えたほうがいいこの料理たちに挑戦していくために身構え、まるで登山者のような気持ちで肉の山を崩していった。
……サラダの方は量を聞くのを忘れて人狼サイズで二人前用意したということをウェイトレスから知らされたのは、そこからなんとか半分程度まで食べ進めた辺りという後戻りのできないところまで進んだときで
、お詫びにデザートをとか言い出したウェイトレスを慌てて止めに入ったのだった。
私達がさながら戦いと呼べるほどの食事に悪戦苦闘している姿を見てどんな考えでとどめをさしに来たのか……それとも人狼族の血を引いてるから彼女からしたら物足りないと感じていたのか……。
どう感じていたにせよ、今目の前にある料理すら完食できるか怪しい私達にはちょっと無理なことを伝える。
私の言葉にウェイトレスは少し残念そうな顔をしていたけど、結局頼んだ料理のうち一品サービスしてくれるという形で決着がついた。
うっかりで人狼サイズの料理を出すのは他の種族的にどうかとも思ったけど、なんだかんだ言って対応は非常に良くて好感が持てたし、こういうところが人気の秘訣の一つなんだろうなと感じた。
なんて考えながらしばらくぶらぶらと様子を見ながら人の動きを見ていると、どうやら『人狼亭』と呼ばれる結構大きな食堂が人の出入りが激しいみたいだった。
後から知ったことなんだけど、結構昔からある人気店で、早い・安い・超美味い! の三拍子で有名なところらしく、人狼族が満足出来る食堂がなかったことを嘆いたご主人がどんな種族であろうとお腹いっぱい食べられる店を開きたいと願って作られた場所がこの『人狼亭』の所以なのだとか。
そういうことを知らずに入った私達は、外からではわからなかった人の多さと、賑わいの中に漂う熱気に当てられて、思わず目を見張った。
「いらっしゃーい! 開いてる席に座ってくれー!」
そこは大衆食堂さながらといった感じの店で、その中はかなり人狼の比率が高いけど、色んな種族の人が卓を囲っていた。
「ティファさまー、こっちですよー」
謁見の間での態度はなんだったんだと言わんばかりにアシュルは奥のテーブル席でぶんぶん手を振ってる。
「はしゃいじゃって……しょうがない子ねぇ」
子どもみたいなその様子を見ながら思わず苦笑いしつつ、向かい合うように席につくと、アシュルは楽しげに笑っている。
「ええっと、メニュー表は…」
「はい、こちらにありますよ!」
「ありがとう」
さて、とメニュー表はどんな感じかなっと開いてみると、牛…レッカーカウって魔物だったか。
それを使った料理が多い。
というか……
「見事なまでにレッカーカウね」
「この魔物はアールガルムが力を入れてる家畜らしいですからね。
身体が大きくて繁殖力も高く、食べられない部分がないから量を食べる人狼に好まれてるらしいですよ」
「っていっても力入れすぎだと思うのだけれど」
レッカーカウの肉を焼いてスパイスレタスとかいう葉物の野菜で包んでからパンに挟んだものとか、分厚い肉を燃えるようにあっつい鉄板でやいたのとか……しかもどれも量が多い。
内蔵を炒めたものに至っては、山かというほど盛ってるテーブルさえある。
これが人狼式ってわけか……よく見れば人狼以外が食事してるテーブルじゃ、一つの料理を二~三人で分け合ってる。
いかにあの種族の食欲旺盛なのかがわかる光景だ。
「人狼の食欲にはびっくりね……」
私の口じゃとても入り切らないほどの大きな肉が刺さってる串を、人狼がうまそうにかぶりついてる。
焼き立てで肉汁がじゅうじゅうと音を立ててるそれはなかなか魅力的に映るけど、ちょっとあの量は食べきれないかな。
さて、それも含めて改めてメニュー表を見直してみると、さすがに人狼亭。他の種族用の表記はどこにも見当たらない。これは全部人狼族が食べることを想定して作られていることは間違いないだろう。
なにを選んでも全部食べきれないし、それなら……
「このカウのミートバーグってのにしましょうか」
「え、ですがこれもかなり量が多いんじゃ…」
「どれも一緒だと思うし、分けて食べましょうよ。
アシュルがいいんだったらだけど」
「ほ、ほほほほ、本当ですか!?」
「迷惑だったらまた別の方法を考えるけど」
「い、いえ! むしろ嬉しいといいますか、大歓迎です!」
最初は少し困惑している様子を見せていたけど、すぐに『むしろそっちのほうがいい!』ばかりに笑顔になってくれた。
本当はアシュルも自分で好きなの食べたいかもしれないけど、今回は私の方をたててもらうとしよう。
「すみませーん!」
「はーい、今参りますよー!」
まるでこれを逃してはならないとばかりにアシュルが手を上げて人を呼ぶと、そこには狼の耳に尻尾をつけた私より背の高い茶色い髪の少女がやってきた。
「へぇ、狼の獣人族って初めて見たわ」
「リーティアスには魔人族以外ほとんどいませんしね」
「それはしょうがないわ。
国としてほとんど機能してないし、落ち目の国に人が来るわけもないしね」
魔人族に動物耳や尻尾がついた彼女たちは獣人族といって、人狼とは違い人種に分類される種族だ。
最もポピュラーな人種の魔人族と獣種のハーフみたいなものらしい。
この二つの種族のハーフであれば、全員獣人族らしいので、覚えるのがすごく楽だなとかちょっとしょうもない感想を持ったことは私だけの内緒だ。
そんな子が可愛らしいウェイトレスの衣装に身を包んでいて、なかなか似合ってる。
「ご注文はお決まりですかー?」
「カウのミートバーグとサラダを一つずつお願い」
「お客様、魔人族の人たちですよね? 量が多いですけど大丈夫ですかー?」
「ええ、この子と二人で分けるから大丈夫よ」
「二人……二人で……えへへ」
「それはいいんですけどー……そちらの方は……?」
「ああ、この子のことは気にしないでちょうだい」
「は、はい」
どう扱えばいいのか困ったような顔でさっきのアクセサリー屋のときと似たような状態に陥ったアシュルを見たウェイトレスに、しばらく放っておけば直るから気にしないでいいと伝えておく。
ちょっと時間はかかるだろうけど、元に戻れば一応空気は読める子だから大丈夫のはず……多分。
注文が終わって、パタパタと走っていった少女を見送ってからまた周りの活気あふれた様子を見てみる。
私達の国もこの戦いが終われば、きっともっと人が行き交うところになる。
そのためにも一日も早くこの馬鹿げた戦争に終止符を打って、私が受け継いだ国を豊かにしていきたい。
ここに転生したときにはそんなこと考えもしなかったけど、一年もいれば愛着も湧くというもんだ。
アシュルが元に戻るまでの間、美味しそうな匂いと、笑顔の絶えない人々の姿を見ながら私はぼんやりと料理を待つことに決めた。
――
「これは……なんといいますか、すごく大きいです」
頼んでいた品がこっちに運ばれた時、その量にびっくりしたのかアシュルが正気に戻っていた。
それは肝心のカウのミートバーグとサラダが、これで人狼一人分? と疑問を持つほどの大きさだったからだ。
味付けしたひき肉を練って焼いた料理なんだけど、なにを参考にしながら作ったのかと思うほどぶ厚く大きいし、野菜の方はこれでもかというほど超盛ってる。
「脂多そうだし、口直ししたくて頼んだんだけど……これ一つでお腹いっぱいになりそうね……」
「こ、ここでじっと見つめても変わりませんし、とりあえず食べましょうよ」
気を取り直して一緒に持ってきてくれた皿やらナイフやらで半分ずつに切り分けようとするけど、これも肉が厚すぎて結構苦戦してようやく、といった感じ。
自分の口サイズまで小さくするのに時間かかったけど、いざ食べてみると予想を遥かに超えて美味しかった。
濃厚なソースに肉汁がぶわーっと広がって口いっぱいにレッカーカウの旨味を感じるし、肉もすごく柔らかい。
ちょっとくどいぐらいだけど、食休めに頼んでおいたサラダの方には酸味の効いたドレッシングがかかっていて、そのしつこい脂をさっぱりさせてくれるからなおさら食が進む。
「最初ふぁ量に驚きまひふぁへど…むぐむぐ。
ふぉんなに美味ひいららいっふぁい食べられまふね! もぐもぐ」
「食べるかしゃべるか、どっちかにしなさいな……」
口いっぱいに頬張りながら精いっぱいに話すアシュルをなだめ、私の方もこの山と例えたほうがいいこの料理たちに挑戦していくために身構え、まるで登山者のような気持ちで肉の山を崩していった。
……サラダの方は量を聞くのを忘れて人狼サイズで二人前用意したということをウェイトレスから知らされたのは、そこからなんとか半分程度まで食べ進めた辺りという後戻りのできないところまで進んだときで
、お詫びにデザートをとか言い出したウェイトレスを慌てて止めに入ったのだった。
私達がさながら戦いと呼べるほどの食事に悪戦苦闘している姿を見てどんな考えでとどめをさしに来たのか……それとも人狼族の血を引いてるから彼女からしたら物足りないと感じていたのか……。
どう感じていたにせよ、今目の前にある料理すら完食できるか怪しい私達にはちょっと無理なことを伝える。
私の言葉にウェイトレスは少し残念そうな顔をしていたけど、結局頼んだ料理のうち一品サービスしてくれるという形で決着がついた。
うっかりで人狼サイズの料理を出すのは他の種族的にどうかとも思ったけど、なんだかんだ言って対応は非常に良くて好感が持てたし、こういうところが人気の秘訣の一つなんだろうなと感じた。
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