神様は僕に笑ってくれない

一片澪

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13.だって、そんなのはずるいと思うんだ

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今日は最悪だった。
よりによってなんで週一回の出社日にこんな雨に当たるんだろう……。しかも風も強かったから傘があんまり役に立たなくて結局びしょびしょになったし。
李壱の勧めでここに引っ越して来て本当に良かった。
もしここじゃなかったらもっと歩かなきゃいけなかったんだな、と恭一は傘を畳んで階段を上がる。

今どきの人はエレベーターに慣れていて階段は不人気らしいけど恭一は全然気にしないしデメリットだと思ったことも無い。それどころか日頃の運動不足解消に丁度いいとすら思っている。

……あ、でも日常的に買い物でたくさん荷物がある人とかは大変なのかな? でもそれも恭一には関係ない話だ。
数か月前にリフォームが終わった「翡翠」の三階部分に住んでいるのは恭一だけ。
なんでも奥の部分は倉庫として使うから最初から誰かに貸すつもりは無かったけど、全部を倉庫にするのはスペース的に勿体なくて迷ったと李壱は言っていた。

前に住んでいたマンションも悪くは無かったけど、隣に住んでいたサラリーマン風の男の人の後に入った大学生がちょっと非常識で友達を呼んで騒いだり夜遅くでも大きな音楽を流したりと実にマイペースな生活ぶりだったから誰にも言わなかったけど引っ越しを検討していた恭一に李壱の提案はとっても有難かった。

――それに、近くに居られるし。

防犯性の高いしっかりとしたドアを開けて、閉まると同時にロックが掛かる。
濡れてしまった靴を脱いで恭一は爪先歩きでバスルームに直行して濡れた服を脱ぎ、誰にも見られていないのを良いことにパンツ一丁でそれまで着ていたインナーを持って濡れるというより湿らせてしまった床を拭きに戻る。
ここは、李壱の大事な翡翠の一部だ。だから自分も大事にしたい。

「よし、綺麗になった」

今日は退社時間の遅さと雨のせいで翡翠の営業時間内に行けないことは連絡してあるからお風呂に入って食事を摂って後は寝るだけにしてから李壱のお家にお邪魔させてもらって、一緒に海外ドラマを見る約束だ。ハッキリ言って今日をすっごく楽しみにしていた。

恭一は自分が李壱に甘えていることをちゃんと自覚している。そして……はっきりと名前の付けられない好意を持っていることも。
多感な年頃に色々あったから恋愛というものはやっぱりよく分からない。

でも李壱と一緒にいるのはとても楽しいし楽だし何より自然だ。李壱と言う存在は「友達」というには大き過ぎるけど「兄」と呼ぶのはおこがましいし、やっぱり恭一にとって「家族」という区切りに誰かを入れるのはまだ怖い。
上手く言えないけれど、恭一の中でジャンル分けが出来ない位李壱は生活の中にしっかりと存在している。その居心地の良さの源を考えた時、李壱が経験豊富な大人で誰が相手でも距離を適切に保ってくれているから快適なんだと漠然と思っていた。

しかし何故かある日突然「李壱に恋人が出来たらこの生活が変わってしまう」と思った時、ハッキリ自分は「嫌だ」と思った。
嫌だと思って……首を捻った。

この気持ちはなんだろう?
仲良しのお兄さんを誰かに盗られてしまうのが嫌だという子供染みた独占欲だろうか?
成人している大人なのに、自分の正確な気持ちすら把握出来ない現実に直面して今まで対人関係の経験を避けて来たツケが出たなと反省する。
こんな話が出来る友人は……まあいない事も無いけれど恭一の場合友人と会社の同僚がほぼニアリーイコールだから後々のことを考えると曖昧な感情を話すのは憚られる。

自分は同性愛者なのだろうか?
ちょっと真面目に考えたけれど、別に男性が好きとか通勤時にイケメンを探してしまうとか逞しい男性を見てムラッと来た経験は一度も無い。抱きたいとか抱かれたい以前に触りたいと思ったことすら無い。
かといって可愛い女の子とどうにかなりたいか……と言われても、それも無い。
大学時代は普通に近くに女の子が居たけれど「彼女が欲しい!」なんて思ったことは無いし、話していて緊張するとかも無かった。

良くも悪くも誰に対してもフラットに当たり障りの無い生活を心掛けていたんだな、と今なら思う。
恭一は性的にも淡白で、一応健康だからたまに自分で処理することもあるけれどそれだって睡魔の方が強ければ後回しにしてどうしても! という時に一度ささっと抜けば終わる。
だから納期間際の修羅場の中で「あーヤりてぇ。この際贅沢は言わねぇ女ならなんでも良い」と会社で話している同僚たちの気持ちはさっぱり分からない。

女の子に恋をして、男らしくリードしてデートして、キス? セックス?……んー、イメージすら満足に出来ない。だって女の子って意外と強いんだよ。
にこにこしてても鋭く減点法で男を見定めて、後で女子たちで集まって「アレは無し」「分かるマジ無理」とか真顔で話してるんだ。見た事あるから知ってる。……あれは、普通に怖かった。

視点を変えて考えてみよう。
無いとは思うけれど、積極的でとっても物好きな女の子が自分のことを好きになってくれたと仮定する。
その子のことを……好きになれるかな? 李壱と一緒にドラマを見たり、何気なく一緒にいる憩いの時間を減らすもしくは無くしてその女の子を最優先に出来る? ――多分、無理。

楽しませてあげなきゃとか、場を持たせなきゃとか気持ちに応えなきゃとかなって窒息すると思う。
それに好意から手料理とか作ってくれても自分は食べられない。
折角作ってくれても絶対吐いてしまう。これはもう心と身体が完全に乖離しているからどう頑張っても無理なんだ。
その心苦しさや遅かれ早かれ駄目になると確定している未来の為に頑張る意義を恭一は見出せないと分かり切っている。

李壱は恭一のことをどう思っているんだろう?
ある日偶然拾った健康不良児を見捨てておけないから面倒見てくれているだけなのだろうか? でも、それにしてはいっぱい時間を割いてくれてると思うんだ。
結構前に翡翠夜の部で知り合った安条さんと本田さんからこんなことを聞かれた。

「李壱って普段何してるの?」
「アイツ家に居る時どんな感じなんだよ?」

って。それに恭一は笑った。
自分なんかよりも何年も前から知り合いのお二人の方がずうっとよく知っていると思いますって。
事実を事実のまま返しただけなのに、二人ともすごく微妙な顔をしていた理由は今でもよくわからない。

李壱は……なんて言うか、ずっと李壱だ。
朝起きて部屋着のままヘアバンドでキッチンに立っていてもカッコいいし、欠伸をしながら新聞を読んでいてもカッコいい。
だから当然身嗜みを整えて外出モードに切り替わればもっとカッコいいんだ。

でも別に常に意識してカッコつけてるわけではない。
普段は見ない色んなジャンルの映画を見て新しい好みを探そう! ってなった時に取り敢えずホラー映画も見た。
恭一は心霊系が本気で無理だったがスプラッターは余裕だった。
逆に李壱は心霊系は超余裕でスプラッターが死ぬほど無理だった。

「待って待って無理無理無理! 待って無理! 気持ち悪い!!」
「何でですか? 見てくださいよあの生首、雑過ぎてちょっと面白いじゃないですか」
「何? アナタなんなの?! 待ってあの血飛沫誰が片付けるの!? まさか賃貸じゃないでしょうねぇ?!」
「事故物件でも自己物件でも賃貸でも映画だから大丈夫ですよ」
「誰も今上手いこと言えなんて言ってないわ!」

なんて李壱がポテトチップスの袋を抱える恭一にしがみ付きながら話したスプラッター映画の次は昨年一番の大ヒットと言われる心霊モノだった。

「あー!!! 嫌だ、なんでそっちに行くの?! 絶対お化けいるのになんでわざわざ行くの?!」
「それがフラグってやつよ。素通りされちゃ何も起こらないわ。尺が持たないもの」
「なんでそんなに余裕なんですか?! お化けを怒らせて画面から出て来たらどうしてくれるんですか!?」
「出て来たところで別に何もしてこないでしょ。生きてる人間が一番残酷で怖いのよ」

余裕でグラスを傾ける李壱の背中に半分隠れて恭一が恐る恐る画面を見る。怖いけど見ないわけにはいかないあの心理一体何なんだろう。

「今絶対あそこを開けたら居るんですよ! 絶対にばーんって出るんだ!」
「えー? 一度敢えて空振りでほっとさせて振り向いたら目の前にいるパターンじゃないかしら」
「あああ!!!! 本当にそうだー!!!!!」
「ちょっと恭ちゃん、叫んでも良いから耳元だけは許して」

そんなくだらない会話も普通に出来る。取り繕う必要が無いから楽なんだろうな……そして、李壱も素を見せてくれていると感じられるから一緒にいて心苦しくないんだと思う。

「深夜の禁忌タイムよー」

外で見る時は完全無欠の余裕綽々李壱! だけどそんなことを言いながら鍋のままのラーメンを食べる姿を見ても恭一は全然幻滅しない。
だって別に良い。むしろ、良い。
情けない姿を見せているのは自分だけじゃないし、心を開いてだらしない面を見せているのも自分だけじゃないから楽なんだ。
気の置けない関係というものは……もしかしたらこういうことを指すんだな、と恭一は納得した。

でも……と心が戻る。
インターネット先生に「恋」を尋ねると出て来る答えはちょっと違う。
何と言うか、相手に良い面ばかりを見せて頑張り過ぎて疲れちゃう! 嫌われたくなくて何でも我慢しちゃう! みたいな乙女の嘆きがたくさん出て来るのだ。
じゃあ恭一が李壱に抱いている感情は色恋ではなく親愛に属するのだろうか?

あの大きな手が誰かを撫でるのは嫌だな、と素直に思うこの感情は……なんなのだろう。
あの大きな手で撫でてくれたら良いなと思うのは兄のような存在に対する甘えなのだろうか?

「……もうキスしてくれないのかな」

あの時は軽く流せたキスを最近何度も思い出す。もう一度してくれたら、何か分かるかも知れない。
でも、もう一度することでこの心地いい距離感の関係が崩れるなら我慢出来る。
時折どうしても唇を目で追ってしまうけど、バレない様に頑張れると思う。


「――難しいな」


でも、他の誰かで試して感情を判断するという選択肢は最初からそもそも存在しないことだけは確定しているんだ。



***



お風呂から上がってちゃんと食事を摂って時間を潰していると李壱から「お待たせ」とメッセージが届いたので恭一はスマホと鍵だけ持ってサンダルで階段を下りた。
インターフォンを押すと数秒も待つことなくドアが開いて笑顔の李壱がいつものように招き入れてくれる。

「はい、お帰りー」
「お、邪魔します」

この言葉もずるいのではないか? ちょっと迷って返すと李壱は特に気にするでもなく家の中に戻って行った。
仕事終わりにシャワーを浴びてさっぱりしたいつもの部屋着姿。そのオフの姿を当たり前のように見せて貰えることがちょっぴり嬉しい。

「何飲むー?」
「お茶ください」
「はーい」

すっかり流れが定番化しているので李壱がお茶とかお菓子を準備してくれている間に恭一はいつものソファに座った。
お気に入りのクッションをいつもの位置に据えて体勢を整えているといつものトレーに定番セットを並べて持って来て、テーブルに並べた後李壱が隣に座る。

「あ、ドラマの前にちょっと話があるんだけど」
「なんですか?」

ちらりと上げた視線でどうしても一瞬唇を見てしまい、慌てて目を合わせると李壱はにこりと笑って顔を近付けて来て


――ちゅ


と軽いまるで掠め取る様なキスをして、何事も無かったかのようにまた普通に話し出した。

「後で妙に耳に入って揉めるのは嫌だから先に言うけどね、今日おじい様がいらしてたわよ」
「……え?」

ちょっと待って。
たった二つだけだったけど、情報量が大きい。多いじゃなくて、大きい。
なんで今キスしたの?
え? 祖父? なんで祖父?

「なんで……」
「仕事の関係でこちらにいらしたからついでに挨拶に来てくださったんですって」
「いや、そうじゃなくて」
「?」

大きく目を見開いた恭一の言葉に李壱はごく普通に小首を傾げた。
なんでそんなに驚いているの? と穏やかな表情が何よりも雄弁に語っている。

「最近よく私の唇を見てくれるから、キスして良いんだと思ったんだけど……違ったかしら? 嫌だった?」
「嫌……とかじゃ、なくて」
「そう、良かった。じゃあ続きかけるわね~」

ご機嫌そうにリモコンに手を伸ばした李壱の手を恭一は無意識に握った。
ちょっと待って! の大渋滞だ。


「ちょ、ちょっと待ってください!」


思わず恭一にしては大き目の声が出たが李壱は至って普通のテンションで、混乱している恭一にいつも通りの顔で言う。

「なあに? もう一回?」


――そうじゃなくて。
えっと、嫌とかじゃなくて、そこじゃなくて。ちょっと二つで良いから整理したい疑問があって。

今はそこを強く主張しなきゃいけないのにあの色素の薄い瞳に至近距離で見詰められると思考能力が極めて鈍くなることを恭一は身を以て知る。

「もう一回?」

すぐ手前まで来て止まったままの状態での問いに、恭一はまたしても無意識の内に頷いていた。

このキスは、ずるいと思うんだ。
いっそその大きな手で後頭部をがっちり拘束してくれればまだ心の中で言い訳が出来るのに、ただ顔を傾けて優しくしっとりと重ねられると理屈より本能で理解させられてしまう。



――ああ僕は、これがずうっと欲しかったんだな。って。
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