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04.――見ていてくださいね。
しおりを挟むそこから私の誘惑大作戦が始まった。
しかし如何せん今までそう言った事と無縁の人生だったので方法が分からないし、年齢も年齢なのであまりイタイ事もしたくない。
だからとっても些細な事なんだけれど、今まではコンプレックスでもある大きな胸(今思えばこれがダメ男ホイホイだった)を隠す為にだぼっとした服を選んでいたがそれを止めてみた。
ユニ〇ロで普通の割とぴったりめのハイネックのセーターを買って、いつもの無難なスカートと合わせて帰宅した義父を迎え入れた時義父は明らかに驚いた顔をしたのである。おお! 微かな手ごたえ!
「お帰りなさいませ」
「あ、……ああ、ただいま」
だがしかし相手は良識ある紳士。
敢えて胸から視線を外していつもと同じような感じで家の中に入って行く。
でも、でも良いんだ! 私は諦めない!
そしてコレが一番の変化だと思う。
今までは絶対にバレたくなくて昼間にこそっと済ませていたオナニーを夜寝る前の日課としたのだ。
でも馬鹿みたいにわざとらしく声を上げたりは当然しない。
バレたら当然恥ずかしいけれど義父が気付いて、その上でその気になってもらえれば私はいつでも大歓迎です! なんて事を思って妄想が捗りでもやっぱり恥ずかしいので声は殺して毎日毎日楽しんだ。
楽しんだ結果毎日しないと駄目な身体になってしまったけれど、そこは良い。
女の性欲が強い時期に今まで知らず知らず我慢していた箍がきっと妙に外れたのだろう、と思って気にしない事にした。
そう。私は意外と開き直ったら図太いタイプだったみたいだ。
お義父さんの自室は私の部屋と少し離れているから聞こえる事は残念ながら無いだろう。
でもほら、オナニーすると女性ホルモンが出て綺麗になるとかって言う話もあるじゃない?! あるよね?! ワンチャンその恩恵を期待するのもありだ! と今日も日課を熟して私はぐっすり眠った。
そんな中で悲劇は起きた。
私の長年の相棒、ディルドくんの吸盤機能に明らかな劣化が見られるようになったのだ。
困る、困るよディルドくん!
最近は床に直張りで腰を垂直にガン振りするのにハマってるのに、君がちゃんと踏ん張ってくれないと私欲求不満になっちゃうよ!!!
「あー……倒れちゃう…、なんでぇ……もー!」
「和美さん?珍しく大きな声を出しているけれど、何かあったの?」
「「ッッ???!!!!!!!」」
ドアが少し開いていたのに私は気付かなかった。
義父も義父で私がとんでもないモノを床に押し付けてとんでもないコトを開始する為の下準備をしているなんて思っても居なかったのだろう。
双方思考停止し、沈黙だ。どうしよう、コレどうするのが正解? そんな恐ろしい空気を打開してくれたのもまた、長年の相棒、戦友であるディルドくんだった。
ゴトン、と触れても無いのに倒れたそれに二人の視線が集中してしまう。……羞恥の向こう側は、虚無だった。許されるのなら私は今、輪廻の輪からすら外れ塵以下の何かになりたい。
ハッキリ言って消え去りたい。無理だけど。
「あ、あの……ごめんなさい! 劣化しちゃったみたいで着かなくて! あははは、失礼しました」
誘惑します! なんてふざけた事を言ったのは紛れも無く自分だけれど流石にこの状況では急激な羞恥が込み上げて来て顔を真っ赤にしたまま失礼しましたとドアを閉めようとしたその時、義父が真顔で私の手首を取った。
――え? もしかして、誘惑成功?
でも、すんごい真顔だけど……流石に怒られる?!
思わず身構えたが義父の反応は違った。
「そうだね、済まない。……君は成熟した大人の女性なんだ、その欲求があって当然だ」
「え? あの…」
そんな真顔で言うお話かな? でも義父はとても真剣に受け止めれくれたようだ。
「君から好意を伝えて貰ってとても嬉しかった。だが情けない話私は性行為から久しく遠ざかっていて、ちゃんと機能するかも分からないし、君をきちんと満たせる自信も無かったんだ」
「あ、……えっと、その」
こう言う話って繊細だよね? なんて返せばいい? どうしよう頭が全然回らない! そう狼狽する私に、義父はごくごく真面目な顔をしてこう言った。
――手伝うよ。ここで支えていれば良いかな?と。
敢えて言おう。ハードル高すぎないか?
一瞬滅相も無いです! と即辞退しようとした私だったがなんだかこれを逃したら次は無いような気がして…こくんと頷いてしまったのだ。
そんな素直な私の様子に義父は優しく微笑んでローションの在りかを聞いて来たが、私は持っていないのでいつもの様に下準備に入る。
「―――え?」
「ほぇ?」
床に固定した状態で義父が支えてくれるディルドくんにいつもの様に顔を近付けて唾液を垂らして、まんべんなく濡らす事で使用して来たのだが……これはもしかしなくても違うのかな?
「お、お義父さん私コレまさか間違えてますか?」
「い、いや?! す、すまない予想外過ぎて驚いてしまった! 大丈夫だ、ちゃんと濡らさないと痛みを伴うからいつもと同じ様にしてくれ」
「ふぁい」
本物の男性器を咥えた事は無い。が、私とディルドくんの歴史を考えると彼を喉の奥に導くのは容易いのだ。
しかも今日は義父が支えてくれている事もあり近くにある男性の体温にドキドキしつつ私はディルドくんをいつも通りにたっぷりと濡らした。
「お待たせいたしました」
「あ、ああ……構わないよ」
もうこの唾液でてらてらするディルドくんを見ると条件反射でメススイッチが入る様になっている私は部屋着をぱぱっと脱ぎ去って丈が長めのノーブラキャミソールとショーツだけの姿になった。
触ってもいないのに完全勃起した乳首が薄い生地を押し上げいつもの様に弄られるのを健気に待っている。
んふふ、もうちょっと我慢してね?
今ディルドくんを奥まで入れたらぎゅうーってするからねえ。
いつもなら視線を逸らしてくれる義父も流石に私の痴態を凝視している。
それがなんだかとても嬉しくて、私は床に蟹股でしゃがみ込むようにショーツを横にずらしてディルドくんを挿入した。
「ああんっ!きたぁ、んーこれこれぇッ!」
「――っ」
吸盤劣化のせいで焦らされていた私の中が馴染んだディルドくんを大歓迎して蠢く。
背中をのけ反らせメス丸出しでふと義父の方をちらりと見ると、彼は完全に発情したオスの顔をしていた。
ああ、嬉しい。
私なんかでもお義父さんにこんな顔させられるんだ。嬉しい。
倒錯的な行為の快楽に酔った私は今までは意識して口に出さなかったオナニー中の「お義父さん」呼びを解禁する。
「お義父さん、お義父さッ! すきぃ…好きだあいすき! あんっあんっ!!!」
「グッ」
垂直の動きに疲れたのでそのまま後ろに手をついて私は義父が支えてくれている真正面にM字開脚をして全てを見せ付ける様に腰を振りたくった。そのとんでもなく下品な姿に義父の視線が刺さっている。
ああ、お義父さんすごい顔してる。
「見て! お義父さん、見て下さいぃ! 駄目嫁のオナニー見てください!」
だがあとちょっと! と言う段階でディルドくんがするりと抜けてしまい「あん!」と間抜けな声を出して私は義父を見た。
すると義父は一瞬呆気にとられた様子だったが直ぐに正気を取り戻し慌てた調子で
「すまない! 君に見惚れていて力が抜けてしまった」
と私の唾液と愛液でぬるぬるになった手で再度ディルドくんを握り直そうとしてくれる。…優しい。
お義父さん、大好き。
この時の私はもう完全に馬鹿になっていて、後から頭を抱えたのだが結果的に馬鹿な私の取った行動は正しかった。
「私のせいで手が汚れたからですね、ごめんなさい」
「か、和美さん!」
頼りないキャミソールを脱いでそれでお義父さんの手を拭う。
彼の前には私のほぼ活用されないまま悲しいかな垂れて来ているGカップ(乳首完全勃起)。義父は心底驚いたような顔をしたが私の行動を咎める事無く、思い通り好きにさせてくれた。
「お義父さん、膝枕してくださぁい」
「え?あ、ああ構わないよ」
傍にあったクッションを差し出すと義父はそれに軽く膝を折って座ってくれようとしたので、私は彼が完全に腰を下ろす前に寝巻であるパジャマを少し降ろしてくれる様に頼んだ。……頼んだんだよ、信じられ無い事にな。
そして義父はそれを叶えて私に下着越しのペニスを見せてくれたのである。
確かに本人の言う通り勃起には至っていなかったがそんなの私にはどうでもよかった。そこに夢にまで見た義父のペニスがある。その事実だけで良かった。
「あはぁ…お義父さんの、おちんぽぉ」
「か、和美さっ」
「和美って呼んで下さい、今だけで良いです」
すんすんと鼻を寄せてお風呂に入ったせいで今の所清潔な香りしかしないのに、それでも酔った声を出す私の我儘を義父はまたしても聞いてくれた。
「和美…すまない、私のコレは多分もう駄目なんだ」
「そんなのどうでも良いんです。私は、コレがずうっとほしかったんですう」
ああ。勃起しなくても先走りって出るのかな? それともアホみたいにパンツの上から吸い続けた私の唾液? もう全部どうでも良いけれど。
膝枕をして貰ったまま私は義父の股間に顔を埋め、布地越しの香りと味に酔った。
そしてそのまま自分の手で愛用のディルドくんを意のままに抜き差しし始めたのである。
「お義父さんっ、お義父さん見てください! ずっとずうっとお義父さんの事を考えてオナニーしてましたぁ」
「和美っ」
ギリギリの理性で私には触れないようだが義父のおちんぽは徐々にだが反応しているし、顔はもう完全に発情して眼なんて血走っている。
だから私はおねだりする事にした。
だってどう考えても手が足りないのだから。
「お義父さん! 和美は自分でディルドくんをッ、ぐちゃぐちゃしてクリトリスしこしこしたいんです! だから乳首弄って下さい!」
激しいディルドの抜き差しで我ながらだらしない胸が揺れる。
私のその言葉に義父はごくりと唾を飲み込んで、真面目な顔をして言った。
「ああ、分かったよ。可愛い『妻』のおねだりだ…なんでも叶えてあげるよ」
「ひぃんっ!あああああ、気持ちいぃ!マンコも、クリも、乳首もきもちイイっっ」
びくびくと身体を震わせて達すると義父は腹を括ったのだろう。
中途半端に脱いでいたパジャマの下とドロドロになったパンツを脱ぎ去って中途半端に兆しを見せている状態でも十分立派な赤黒いおちんぽを私の眼前に差し出す。
「すまないな、今はこれで精一杯なんだ。心は完全に昂っているのに、情けないね」
「そんな事無いです。お義父さんのおちんぽ舐めて嗅げるだけで私は幸せですぅ」
ディルドくんと同じ要領で喉の奥まで導こうとした私を義父は指先だけで制した。
それが不思議で視線で尋ねると、彼は妖しく笑って言う。
「こらこら、君はもう私の『妻』だろう? じゃあ君は私を何て呼ぶのかな?」
その言葉に私の胸はきゅううんと高鳴って、馬鹿みたいに媚びた声で叫んだ。
「『あなた』! 『旦那様』! ああん、もう……ぺろぺろさせてくださぃい」
「うんいいよ。好きにして? 私もこの立派な胸を楽しませて貰うね」
その夜私は上のお口で最愛の『夫』の味と感触さらに言うと香りを楽しみ、夫はディルドくんと熟練の手技で私を何度も何度も絶頂に導いてくれた。
彼は私に詫びたけれど、私は人生で間違い無く一番気持ちのいい夜だったので最高に幸せである事を告げ二人一緒に夫のベッドで眠ったのだった。
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