私は愛する義父の虜。

一片澪

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02.秘密の日課。

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「お義父さん、どうぞ」
「ああ、ありがとう」

音が鳴らない様に静かにお茶を差し出すと本を読んでいた義父はこちらの目を見てきちんと穏やかな声で礼を言ってくれて、それだけでも夫に蔑ろにされ続けた和美の心は満たされる。
君も座りなさい、と向かいの席を示され頷いて椅子に腰かけると義父はお茶を一口飲んで美味いと言ってから話し始めた。

「今回の同居…和美さんは本当に納得しているのかい?健輔が無理を言ったとしか思えない」

核心を突いた問いだったが和美は穏やかに微笑んで首を振った。だって義父との同居は彼女にとって決して悪い話では無いのだから。

「とんでもないです。私こそいきなり押し掛けてしまって…本当にすみません」

それは本当に感じていた事だったので素直に申し訳ないと思っていた。しかし義父は優しい声で否定してくれる。
夫…もう夫とも内心思いたくないのだが、あの男は義父をかなり苦手としていた。

しかしそれは夫に後ろ暗い事があるからであって真っすぐで道理に反したことは決してしない義父は人間的にとても信用できると和美は本気で思っている。

「君を家政婦扱いするつもりは当然無いが私は家の事は恥ずかしながらからきし駄目でね。長年家政婦を頼んでいた永瀬さんが加齢による腰痛で引退を希望していたタイミングだったからこちらとしては本当に渡りに船だったんだ。職業柄誰でも家に入れる事は避けたかった事もある」
「私家事は趣味だと思える位好きなんです。だから何でも言ってくださいね」

大好きな義父の役に立てるなら光栄だ。その本心から言った和美に義父は朗らかに笑ってくれた。
そうして始まった義父との生活は本当に穏やかで、彼を呼ぶ呼び方が「お義父さん」で無ければ長年連れ添った熟年夫婦の様な錯覚すら覚える程に和美は幸せだった。

お世話になるのだからいくら位毎月入れれば良いのかを最初に確認した時も一笑に付されただけではなく、ある日突然和美名義のクレジットの家族カードを渡されて食費や消耗品など生活に掛かる費用は全てそこから払う様に言われた。

しかし遠慮からそれをせずにいると再度使う様に言われ、和美は有難く自分なりに家計簿をつけて常識的な範囲から絶対に逸脱することなく家計を切り盛りした。
高給取りである義父からするといらない気遣いである事は明白だったが和美は義父の優しさに甘え胡坐をかく様な真似は絶対にしたくなかったのである。

義父はとても優しく穏やかで、何より和美の事を様々な角度から気に掛けてくれた。
料理の味付けを少し変えただけでも気付いて褒めてくれたり、庭の手入れをして花壇に植えた花が咲くと綺麗だと言ってくれる。

『進藤家の嫁』として義父の仕事関係者やご近所さんから見られている自覚はあるので身嗜みも派手にならない範囲で気に掛けなければならないのだが、白髪が気になる年齢になった事もあり以前よりこまめに美容院に行くようになった際の僅かな髪型の変化にすら気付いて義父は一言褒めてくれる。

それがもう嬉し過ぎて和美は毎日恋する乙女の様なふわふわとした幸せな日々を満喫し、間違い無く人生で一番今が幸せ!と断言できる程彼女の『心』は満たされていたのである。


そんな義父との穏やかな生活を続け和美は気付いたら三十五歳になっていた。
今朝も義父を仕事に見送り、一通りの家事を熟した昼下がりに彼女の秘密のお楽しみが始まる。

「あ…、ンぅ……ぃい…ん」

夜は義父が在宅なので万一を恐れ絶対に出来ない自慰行為。
夫と暮らしていた頃には感じる事が無かった性欲の高まりを彼女は義父と暮らし始めてから顕著に感じるようになった。

お義父さん。
お義父さん。

口に出す事は流石に出来ないが彼女の妄想相手はいつも義父。
突然の来客に備え服装は乱す事無くスカートの中でディルドを無心に出し入れするのだが、最近はちょっと趣向を変えて二階の自室にあるチェストに吸盤式のディルドを設置してバックから犯される妄想でするのが個人的に好きだった。

お義父さんが欲しい。
お義父さんのが欲しい。

今日の妄想はこうだ。
夜、いつも通りキッチンで朝食の仕込みをしている和美の背後に義父が立つ。
彼は珍しくお酒に酔っていて和美を抱き締め、いやらしく胸を揉んでくれるのだ。

「あッ、ああ、……んんー、あ、いいっ、イッ」

服の上から強く乳首を摘まむとビクンと身体が震えて最高に気持ちが良い。
妄想の中の義父は胸を揉まれ感じる素振りを見せてしまった和美に対して滅多に見せない厳しい表情で言う。

―和美さん?まさか君、私に触れられて感じているのかね?

「あ、あっ……ちがいます……ちがぁ」

―健輔と言う夫を持ちながらはしたない女だ。君がそんな女だったなんて…私は悲しいよ。

妄想の中の義父はそう言いながらも和美の身体をまさぐる。
和美は馬鹿になった頭で「違います」「違います」と連呼しながら夢中で腰を動かした。

―君が外で過ちを犯さない様私には管理監督する責任があるね。

「あー、いくいくいぐぅ!!!!!!!!」

慌てて口を押さえる事も出来ないほど深い絶頂を迎え和美はずるりと床に崩れ落ちる。

ああ、気持ちいい。
最高に、気持ちい。

視線の高さにある自分を悦ばせてくれたディルド…それを義父の男根に見立てうっとりと眺める和美の脳内では妄想が続く。

―和美さん…いや、和美。きちんと綺麗にしなさい。

「はぁい…ただいまぁ」

ぺろぺろと舌を這わせ自らの愛液を舐めとると、脳内の義父からの命令が続いた。

―そんな手を抜いた掃除があるかね?きちんと喉の奥まで入れなさい。まったく、君がこんなに手の掛かる嫁だったなんて知らなかったよ。

「ごめんなさぃ……すぐに、すぐにいたしますぅ」

喉の奥までえずく事の無いよう迎え入れ、脳内の義父に見せ付ける様わざと頬が膨らむように口に含んだりもした。
そして妄想の中の義父がもう良いと許してくれるまで和美はその行為を続け、満足した後きちんと片付けを済ませて夕食の用意に取り掛かったのである。


自慰行為でスッキリした後いつもより更に手の込んだ夕食を作り義父の帰宅を待つ。
義父は退勤の時間をちゃんとメッセージで律儀に教えてくれるのでいつもその時間に合わせて温かい食事を用意する事を和美は生きがいとしていた。
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